「前澤社長批判の前に考えてほしい」、海外移植元芸人の訴え

1月29日(火)7時0分 NEWSポストセブン

アメリカで日本人初となる肝臓腎臓同時移植を経験した、元お笑い芸人の萩原正人さん

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「なんで、ZOZOの前澤友作社長(43)が批判されなければいけないのかわかりません」──そう首を捻るのは、1999年、自らもアメリカで日本人初となる肝臓腎臓同時移植を経験した、元お笑い芸人の萩原正人さん(51)だ。


 アメリカで心臓移植が必要な、“おうちゃん”こと上原旺典(おうすけ)くん(3才)は、その移植に、3億5000万円という高額な費用が必要だった。1月13日、『サンデー・ジャポン』(TBS系)でおうちゃんの密着ドキュメントが放送されるとZOZOの前澤社長がそれに反応。個人での寄付に加え、Twitterでリツイート1件につき10円をおうちゃんに寄付すると表明して、わずか7日間で51万件を超えるリツイートを記録した。


 1月19日には、「救う会」が募金の目標額に目途がついたと発表。驚異的なスピードでの目標達成となった。そして、この前澤氏の行動に対しては「特定の誰かを助けるのはよくない」「不公平」「他にもお金が必要な人はいる」などの批判の声もネットであがっていた。萩原さんはこう語る。


「これまでも小さいお子さんの海外移植のための募金活動が続いてきました。おうちゃんの募金と並行して大阪では、『しょうへいくんを救う会』もありました。きっとこれからも『○○ちゃんを救う会』は、必要になってくるでしょう」


 前澤社長の行動を“不公平”と批判するならば、なぜ、日本の小さい子供が海外へ行って心臓移植をしなければならないのか、という、そもそも論に怒りの声をあげて欲しいと、萩原さんは訴える。



「日本の移植技術は他国に遅れをとるものではない。ただ、移植医療は特殊で、医師と患者だけでは完結しない」と萩原さんは語る。そして、ドナーという善意の第三者の存在が必要となる。


「海外渡航の連鎖を断ち切るには、日本のドナー不足という問題の解決が必要です。日本で移植登録している人は1万4000人。年間で移植を受けているのは、300人。移植が受けられるのは、たった2%です。これをせめて10%にし、いつかは誰でも希望すれば臓器移植を受けられるようにしなければいけません」(萩原さん)


 萩原さんは、おうちゃんの募金に目途がついた後、Twitterでこんなことをつぶやいている。


〈公開募金での渡米移植。金で順番を買っているとの批判がある。順番は買っていない。アメリカには移植の順番に厳格なルールがある。ただ、日本人がいけばその分、自国民が助からない。これは事実。自国民は、自分の国で移植をしましょうという国際会議での取り決めもある。ただ、この問題の解決策はハッキリしている。日本国内でドナーの普及がすすめばいいのだ〉


 アメリカは自由診療の国。医療費は言い値になる。この3億円を超える募金の連鎖から抜けだすためには、改めて日本国内の移植医療と向き合わなければならない。

NEWSポストセブン

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