担当者自殺の「ランボルギーニ未譲渡問題」告発ホストと関係者が明かす全内幕

1月29日(水)20時0分 週刊女性PRIME

バラエティー番組『欲望の塊』ホームページより

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「突然すぎて……。今は何も考えられません」

 憔悴した表情でこう語るのは、ホストの一(はじめ)陸斗(りくと)氏。彼は、'19年1月〜3月にかけてTOKYO MXテレビで放送された『欲望の塊』というバラエティー番組の参加者のひとりだった。

「『欲望の塊』は16人のホストの方たちが優勝商品のランボルギーニを巡りゲーム対決をする深夜番組でした。極楽とんぼ山本圭壱さんが、芸能界復帰後初の地上波MCとして出演していましたよ」(テレビ局関係者)

 優勝した陸斗氏が受け取るはずのランボルギーニは、番組のスポンサーだった広告代理店の『P-style』から渡される約束だったが、いっこうに渡されず1年が過ぎる。陸斗氏は事態の解決のため1月15日にSNS上での告発を行った。

《地上波のテレビ番組で詐欺にあいました。皆から2000万近く集め音信不通です》

 この書き込みはたちまち拡散し、騒動は表面化。TOKYO MXは、1月21日にこの騒動に対して責任を認め謝罪を表明した。

 しかし、この告発が思わぬ結果を招いてしまう。1月24日、『P-style』の社長が福岡市内で遺体となって発見される。現場には“ご迷惑をおかけしました”と遺書らしきものが残されており、自殺を図ったとみられる。

■ホストの参加費150万円も、番組の稚拙さに驚き



 最悪の結果を迎えてしまったこの騒動。渦中の陸斗氏が一連の経緯を振り返った。

「『P-style』はホストの広告を扱うフリーペーパーを発行している会社なんですが、その方から“地上波の番組に出てみないか?”とオファーがあったんです。参加費が150万円必要でしたが、地上波に出ればお店の宣伝になりますし、優勝すれば2000万円相当のランボルギーニがもらえると言われ、参加を決めました」(陸斗さん、以下同)

 オファーを受けたのは、ほかにも理由がある。

「番組には “ピコ太郎おばたのお兄さん、音楽グループのレペゼン地球も出る”と言っていましたね。有名人が出るというので信用してしまったんです」

 参加を決意し、150万円を払い込んだ陸斗氏。しかし、撮影がスタートすると、その稚拙さに驚いたという。

「毎回ゲーム対決するのですが、ポイントの計算や勝敗の付け方がいい加減でしたね。テロップも誤字脱字があって、段取りも企画も適当。番組の動画はYouTubeにアップされていましたが、全然再生されませんでした」



 当初聞いていた有名人も出演せず、期待していた宣伝効果がないと感じた彼は参加費の元を取るため、ゲームを真剣に取り組むことに。

「ヤラセとかはありませんでしたよ。最後の放送で優勝してランボルギーニの実物を渡される予定だったんですが、実際に渡されたのは車の写真が貼ってあるパネル。車を換金するつもりだと僕が言うと、番組側は換金してから渡すと言ってきました。でも、その後は“買取先とのトラブルで時間がかかる”とか理由をつけて車を見せてくれませんでしたね。手配した車らしい車検証は見せてくれましたが」



 もちろん書類だけでは、本当にランボルギーニが用意されているかどうかはわからない。

「その後、何度も『P-style』に問い合わせましたが、窓口だった人は辞めてしまい、引き継いだ社長に掛け合ったんですが音信不通になったため、SNSで告発することを決心したんです。しかし、まさかこんなことになるとは思いませんでした……」



■キーマン2人の思惑が一致し、番組がスタート



 どうしてこのようなことになってしまったのか。実際に『欲望の塊』を制作していたスタッフのひとりにも話を聞くことができた。

「『欲望の塊』の企画に関わった中心人物は2人います。ひとりは自殺してしまったホスト関係の広告代理店『P-style』のT社長。もうひとりは動画制作会社『五行株式会社』のS社長です」

 S氏はアイドルのライブ動画やDVDの制作を請け負うエンタメ業界マンだという。

「彼は制作費用を過大に見積もっては頻繁に差額を自分の懐に入れていましたね。実際の制作は下請けに丸投げするんです。'17年にTOKYO MXで深夜に放送されていた『エスエス 〜Shinjyuku Style〜』という番組も彼の企画でしたが、やはり未払いが発生していました」(制作スタッフ、以下同)

 T氏とS氏は知人の紹介で知り合ったそうだ。

「T社長はもともと西日本を中心にホスト関連の広告を扱う仕事をしていました。東京での営業展開を強めるため、動画制作をしようと考えていたところ2人は知り合ったそうです。そこで “ホストに参加費を払わせて制作費を捻出できる” “地上波でやれば宣伝になる”と大盛り上がり。仕事を受けて制作費を手に入れたいS社長と、東京のホスト広告で覇権を握りたいT社長の思惑が一致し、『欲望の塊』の企画がスタートしたんです」



 通常はスポンサーが番組制作費を提供するが、『欲望の塊』はホストたちの払った参加費が予算のすべて。T氏は陸斗氏のホストクラブを含む各店へ営業を開始し、およそ2000万円の集金に成功。

「TOKYO MXの深夜枠は、所在がわかる会社がお金を払えば企画が通ります。放送前に番組内容などのチェックは入りますが、よほど倫理的にまずくない限りNGにはなりません」

■S社長の番組降板で、賞品やギャラ未払いが発生



 番組の放送枠を抑え、いざ撮影が始まるとS氏とT氏の思惑がずれ始める。

「S社長は、制作費を抑えて少しでも自分の懐に入れることしか考えていないので、制作スタッフはごく少数。放送作家すらいれません。一方のT社長は番組制作の経験はゼロ。だからなのか、企画会議でイス取りゲームやトランプといった誰でも考えつくアイデアしか出しません。なのにヤル気のないS社長はその案を全部採用。結果、まったく面白くない番組になりました」

 ふたりの関係は番組の途中であっさり破綻してしまう。

「番組の出来の悪さと、S社長のかさ増し請求に怒ったT社長は大ゲンカ。S社長は途中で番組を降板してしまい責任の所在があやふやに。こんな経緯で賞品やスタッフへの支払いが滞っているのです」



 番組MCを務めた極楽とんぼの山本にもギャラが支払われていないという。彼の所属事務所に支払いについて問い合わせたが、期日までに返答はもらえなかった。

「番組予算があとどれくらい残っているのかはT社長しかわかりません。でもランボルギーニを買ったり、未払いの制作費を支払えるほど残っていないと思います……」



■S社長はあくまで自分は被害者だという



 T氏が亡き今、この番組の中心的存在だったS氏は何をしているのか。

「S社長は “自分は関係ない”と言っていましたね。彼は自分のYouTubeチャンネルを持っていて趣味のキャンプ動画を投稿しているのですが、報道があった2日後には新作をアップしています。ハンモックや薪ストーブの使い方を解説していましたね」(S氏の知人)



 そのS氏に電話取材を行うと、

「自分は下請けですし、途中で降板しています。各制作スタッフへのギャラはうちが払わなくてはいけませんが、そもそもの制作費を持っていたT社長が作品のクオリティを理由に一部しか支払ってくれなかったんですよ」

 と、あくまで自分は被害者だという。T氏の自殺に関しては、

「集めたお金が現在どれほどあるのかわかりませんが、足りなくても必死になれば返せる金額だったと思います。彼には奥さんも幼い子どももいて、番組の撮影現場にも連れてきていましたよ。自殺することなんてないのに……」

 また、T氏のもと、同じ『P-style』で働いていた人物はこう語る。

「期待していた結果にならないどころか、顧客の信用もなくしてしまって仕事に行き詰まっていたんですかね……。昔から気分の上がり下がりが激しい方でしたが、まさか自殺するとは……。自分も受け止められません」

 制作側の“欲望の塊”が引き起こしたこの騒動。あまりにも後味が悪い結果になってしまった──。

週刊女性PRIME

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