お笑い界も浸食するチケット転売問題に激怒、出品者に直接文句を言った芸人たち

1月30日(月)20時0分 messy

和牛のふたり(和牛 水田信二 Twitterより)

写真を拡大

 2016年、チケット転売問題について国内の多くのアーティストや音楽イベント、音楽関係の団体が共同で反対声明を出した(https://www.tenbai-no.jp/)。チケットの転売問題は音楽業界だけの問題ではなく、お笑いライブでも横行しており、問題になっている。人気急上昇中の若手芸人が、単独ライブのチケットが転売されていることで注意を呼びかけた。

 M-1グランプリやキングオブコントの決勝に進出し、漫才・コント、どちらも若手の中でトップクラスに位置付けられているお笑いコンビ・アキナ。4月には大阪で、5月には東京での単独公演が控えているのだが、彼らのチケットがネット上で定価以上の値段で転売されているのだ。

 大阪公演「アキナ in NGK 4」のチケットの定価は前売り2,800円なのだが、チケット売買サイト「チケットキャンプ」ではおよそ4,000円から取引され、席が良いものになると1枚9,500円でも落札されていた。アキナの秋山賢太はこの事実を知り、自身のTwitterで「高く売るのほんまにやめてください。ショックです。ほんまにやめてください」と呼びかけた。一方で、ファンから「高値でチケットを購入してしまってすいません」といった言葉が届くと「謝らんといてください!!! ほんとうにすいません!!!」と逆に謝り返し「あかん。ショックすぎる。もぉ、やめろ!!!」と悲しみの声をあげた秋山。「高額で買ってしまった方達をせめないでくださいね!」とファンが高値で買ってしまうのはしょうがないという姿勢を示している。

 買う人がいるから転売屋がいなくならないとも言うが……。しかし特にお笑いのライブは、数千〜数万人規模の観客を集められる音楽ライブと違い、数百人程の会場、そのうえ座席が決まっていることが多いため、十数人の空きでも目立つ。応援する芸人のライブに行きたいという気持ちと、空席を作りたくないという気持ちが合わされば、ファンが転売サイトで購入してしまいたくなるのは自然な流れかもしれない。

 だが、もっと酷いケースもある。アキナ同様、M-1グランプリ2016決勝戦に進出した相席スタートの山添寛が単独ライブのチケット転売問題についてTwitterで言及。山添の話によると、転売屋がチケットを取るだけ取ってキャンセルをしたりもするため、当日に空席ができることもあるらしい。さらに「チケット売れてる!」と喜んでいたのが転売屋の仕業と分かってガッカリしたこともあるとか。転売屋のせいで売れるはずのチケットも売れないとなるとやりきれない気持ちだろう。特に若手芸人の立場なら、チケットの売れ行きによって次回のライブが決まるケースだってある。

 こうした転売屋に対し最も厳しい口調で注意を呼びかけたのが、M-1グランプリ2016で準優勝をした和牛の水田信二だ。水田はチケットが転売されていることを知ると、Twitterで「チケット高く売って小銭稼ごうとしてる奴らは意味無いから来たい人に正規の値段で譲れよ。サイトに登録して直接文句言うたろか」と言って実際に行動に移した。チケット転売サイトに登録し、出品者に対して和牛の水田と名乗り出たうえで「来る気もないのに持ってるチケットを早く正規の値段で本当に来たい人に譲ってもらえませんか? それか会社に和牛水田宛で送ってもらえたら正規の料金を僕が振り込みますから。主催者がこの値段で来て欲しいという料金で売ってる以上それを高く売って儲けようというのは間違っているので譲るか会社に送るかお願いします」とメッセージを送ったという。



 チケット転売についてガツンと言いたいタレントは多いだろう。しかし「怒っている姿を見せる」ということもイメージが大切なタレントにとっては致命的になりかねず、彼らの立場は強いとはいえない。ただ芸人はアイドルやミュージシャンに比べれば、好感度を意識せず立ち回れる業種でもある。水田は「こんなつぶやきしたくないんやけどね、我慢できんのよ。これで嫌いになる人が増えてもしょうがないのよ」と、自分の言動でファンが離れる可能性があると認識したうえで、それでも抗議をした。また、あくまで“自分のわがまま”として「満席だと思って空席があったら気が散るから嫌」「自分の仕事に自分が認めたくないものが関わるのが嫌」と明言した。

 組織的な買占めをおこなう転売屋によって、正式にチケットを購入してライブに行きたいファンにチケットが行き渡らない現状を、アーティスト側は売憂えている。前述のように、ファンがたとえ高値でもライブチケットを入手したい気持ちはわかる。だが定価より高額で売買されても、アーティストやスタッフに利益は還元されず、転売業者を利するだけだ。だが転売業者も違法行為をおこなっているわけではなく、正当な取引をしているに過ぎない。経済学的にも、高い価値を持つ“プラチナチケット”を正規価格より上の値段で売買することは間違いとはされない。冒頭のチケット転売反対声明に対して、チケット転売業者チケットストリート社長の西山圭氏は、ブログで反論し、『弊社チケットストリートによるチケットの再販・二次流通は、アーティストや主催者と対立・敵対するものではありません。ましてや「音楽の未来を奪う」ものであるはずがなく、むしろ「音楽の未来を拓く」ものであると考えています』と宣言している。この問題の落としどころとして、最前列やアリーナ席などプラチナ化しやすい座席のチケットは5万円でも10万円でも、転売された場合につり上がる金額に近い価格で最初から売り出すことなどが提案されているが、解決への道のりはまだ長くかかるかもしれない。

(ボンゾ)

messy

「チケット」をもっと詳しく

「チケット」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ