劇場アニメ『ベルサイユのばら』のナレーション黒木瞳様に直撃インタビュー!「『ベルばら』は私の人生を変えた作品です」
2025年1月30日(木)14時45分 Pouch[ポーチ]
映画ライター斎藤香が劇場アニメ『ベルサイユのばら』(2025年1月31日公開)でナレーションを担当した黒木瞳さんに直撃インタビューをしました!
不朽の名作少女漫画『ベルサイユのばら』(原作・池田理代子)は、累計発行部数2000万部突破の大ベストセラーコミック。宝塚歌劇団のミュージカル作品も有名ですね! その名作漫画が完全新作の劇場アニメとして公開されます!
黒木瞳さんはナレーションとして『ベルサイユのばら』(以下、ベルばら)の世界に登場。『ベルばら』との出会いがなかったら宝塚に入っていなかったと語るほど『ベルばら』好きの黒木さんに、その魅力について聞いてきました〜!
【黒木瞳さんの人生を変えた『ベルばら』】
—黒木さんは『ベルばら』の大ファンと聞いています。その出会いについて教えてください。
黒木瞳さん(以下、黒木)「私が高校生のときに宝塚歌劇団の『ベルサイユのばら』の福岡公演があったんです。その公演を友人に誘われて観劇したのがきっかけです。それまで宝塚も『ベルサイユのばら』もよく知らなかったんです。でも観劇したら“夢のような世界”だと思いました。もし舞台を見ていなかったら、私は宝塚に入っていないと思います。当時、大学に行くつもりで一生懸命受験勉強をしていましたから」
—宝塚歌劇団の『ベルばら』は黒木さんの人生を変えた舞台だったのですね。劇場アニメに関わることも、黒木さんの積極的なアプローチがきっかけだったと聞いています。
黒木「『ベルばら』の劇場アニメが制作されると聞いて、どうしても作品に関わりたいと思ったんです。民衆のひとりでもいい、どんなに小さな役割でも私にできることがあれば……とお伺いしたら、ナレーションの大役をいただきました。とてもうれしかったです」
【好きなキャラクターはオスカル】
—宝塚の『ベルばら』は何度も上演されていますが、宝塚時代に出演することはなかったのですか?
黒木「私が在籍しているときは『ベルばら』の上演はなく、ご縁がなかったんです。でも同期で出演された方もいるので感激しました。うらやましいというより、同期生が『ベルばら』に出演している!と誇らしい気持ちでしたね」
—黒木さんが『ベルばら』で演じたかった役は?
黒木「いちばん好きなキャラクターはオスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ(以下、オスカル)なので、オスカル!と言いたいところですが、私は宝塚の娘役だったのでマリー・アントワネット(以下、アントワネット)かも」
—オスカルの魅力は?
黒木「男装の麗人で、アントワネットを守る近衛連隊長としての力強さと、女性としてのアンドレ・グランディエ(以下、アンドレ)への愛の深さ。またフランス革命に身を投じる勇気あるシーンなど、オスカルが素敵なシーンがたくさんあります。オスカルは物語を牽引するキャラクターなので、やはり彼女に見入ってしまいますね」
【黒木瞳の存在感を消したナレーション】
—今回、ナレーションをするにあたって気をつけたことは?
黒木「声優の皆様の邪魔をしないようにということです。でも収録したのは声優さんよりナレーションの私が先だったんです。どなたの声も聴かないままナレーションをしたので不安ではあったのですが、監督のアドバイスをよく聞いて、この映画を見てくださるお客様の耳に自然に届くようにと丁寧にお仕事をしました」
—穏やかで優しいナレーションでした。
黒木「ナレーションは、キャラクターに命を吹き込む声優さんと違って存在感はない方がいいんです。物語の案内役として、キャラクターが置かれている状況やシーンの説明がスムーズに伝わるように語りました。見終わったあと“ナレーションありましたっけ?”と皆様が思うくらい自然にできていれば、私としては大成功ですね」
—完成した映画を見た感想はいかがでしたか?
黒木「フィクションを加えながらフランスの歴史を描いた物語で、史実をきちんと描いていること、また “平等、自由、友愛”というコンセプトがしっかりしていると感じました。
声優の皆様も名演ですし、楽曲も素敵です。宝塚の『ベルばら』の音楽もいいのですが、この映画のオリジナリティある歌の数々も心惹かれました。私は韓国で上演された舞台『ベルばら』も観ているのですが、韓国版も音楽が素晴らしいんです。つくづく音楽に恵まれた物語だと思いました」
【『ベルばら』未経験の人にぜひ観ていただきたい!】
—今回の劇場アニメ『ベルばら』のアピールポイントはどこでしょうか?
黒木「『ベルサイユのばら』と聞いても若い方の中には見たことがない、知らないという方もいると思います。フランス革命は歴史の授業で学習していると思うのですが、この物語は、オスカル、アンドレという架空の人物を加えることで愛と感動の物語になっています。映画は知識と情報の宝庫ですから、楽しみながら、フランスの歴史を知ることができますよ!とアピールしたいですね」
—オスカルとアントワネット人生を軸にした物語がこの映画のメインですが、ほかに黒木さんにとって印象深いエピソードはありますか?
黒木「アントワネットの夫、ルイ16世にも注目していただきたいです。彼はとても優しいんです。アントワネットのことを大切に思っているのですが、ふっくらしたルックスに自信がないんですね。だからアントワネットに対し“自分がもっとスタイルが良かったら、あなたに女性としての幸せをあげることができたのに”と思っている……。そんな風に細部にわたりキャラクターの気持ちが丁寧に描かれていて、ちゃんと想いが伝わってくる……。そういうところもこの映画を奥深いものにしていると思います」
—劇場アニメ『ベルサイユのばら』が “初『ベルばら』” という方もいそうですね。
黒木「そうあって欲しいです。『ベルばら』未経験の人にぜひ観ていただきたい!ずっとファンの方は“どういう映画になっているかしら”“またオスカルとアンドレに会える!”と興味を抱きながら鑑賞されると思いますが、初めて『ベルばら』に触れる人は、史実とフィクションを織り交ぜた素晴らしい世界観にきっと驚かれると思います」
■黒木瞳さん(くろき・ひとみ)
俳優。
これまでの映画作品において、WEIBO ACCOUNT FESTIVAL2022 最優秀主演女優賞受賞。
2023年6月公開映画「魔女の香水」では主演。
2024年14年ぶりディナーショー「for you」演出・出演。
2025年1月からはリーディングエンターテイメント「ルビンの壺が割れた」演出・出演も手掛ける。
近年は映画監督として4作品を手がけたり、 エンターテイメントの世界で幅広く活躍中。
取材・文:斎藤 香(c)Pouch
劇場アニメ『ベルサイユのばら』
2025 年 1 月 31 日(金)全国ロードショー
原作:池田理代子
監督:吉村 愛
声の出演:
オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ:沢城みゆき
マリー・アントワネット:平野 綾
アンドレ・グランディエ:豊永利行
ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン:加藤和樹 ほか
ナレーション:黒木 瞳
主題歌:絢香『Versailles – ベルサイユ – 』
Ⓒ池田理代子プロダクション/ベルサイユのばら製作委員会
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