月9『海月姫』 視聴率低迷も芳根京子はハマり役という声

1月31日(水)7時0分 NEWSポストセブン

芳根京子が主演する『海月姫』(公式HPより)

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 第3話の平均視聴率が5.9%と、低迷が止まらない月9『海月姫』(フジテレビ系)。そんななかで、キラリと光るのはヒロイン月海を演じる芳根京子(20)の演技だ。芳根にとって、この役はハマり役だとコラムニストのペリー荻野さんは指摘する。視聴率浮上のきっかけとなるか。ペリーさんが芳根の演技について綴る。


 * * *

 芳根京子はいつも「心配顔」をしている。少なくとも私が目撃した限りはそうであった。朝ドラ『花子とアン』では、自分の生き方わ貫く母蓮子(仲間由紀恵)の娘、『表参道高校合唱部!』では廃部寸前の合唱部を心配する高校生、そして主演した朝ドラ『べっぴんさん』でも、出征して戻らぬ夫、戻っても暗い顔の夫、乳飲み子の子育て、子供服ビジネスのあれこれ、始終、何かを心配していた。どこか押しが弱く、強く押されるとしゅんとしてしまう印象だ。


 しかし! そんな「弱腰」「心配顔」が最大限に活かされる役に巡り合ったのである。月9の『海月姫』だ。


 役柄は、クラゲの絵ばかり描いているクラゲオタクの月海。おさげに眼鏡、化粧っ気ゼロで地味な服装で「尼〜ず」と呼ばれるほかのオタク女子たちと男子禁制の共同生活を満喫している彼女は「おしゃれ人間は怖い」と、街に出ると腰が引けて、くの字になってしまう。なんだかもう、心配顔のためにあるようなキャラクターなのだ。


 案の定、芳根京子はこの役がとってもうまい。突如、目の前に現れたおしゃれな女装男子・蔵之介(瀬戸康史)に振り回され、連れ出されるたびにおどおどと震えっぱなしだ。


 これまで「月9」にもいろいろと個性的なヒロインが登場してはきたが、これほど「カメラ目線なし」「アップ少な目」ヒロインは珍しい。クラゲのほうが長い時間アップになっているくらいである。今後は蔵之介が、月海にメイクを施し、ドレスを着せて可愛く演出。シンデレラスーリーに!?その「変身」ぶりがカギとなりそうだ。


 ここで思い出すのが、2012年に放送された同じ東村アキコ原作のフジテレビ深夜ドラマ『主に泣いてます』である。


 このドラマのヒロインは、絶世の美貌ゆえに望んでもいないのに男に惚れられてしまう美女泉(ドラマ初出演にして初主演の菜々緒)であった。妹の婚約者まで自分に惚れたために妹に恨まれて苦しみ、働くことも定住することもままならない泉は、既婚者の美大の先生を愛して愛人となり、泣いて暮らしている。そして誰にも惚れられないように「子泣き爺」などの珍妙なコスプレをしているのである。


 菜々緒が肌色の股引を穿いて蓑を背負い、「丸金」の腹掛けをして子泣き爺になっている姿は衝撃だったが、美を封印する泉は、美人になっていく『海月姫』とは正反対の「変身」をおどおどとしているのだ。それをおどおどとは無縁としか思えない菜々緒が演じていたことに奥深さを感じる。


 もうひとつの東村ドラマ『東京タラレバ娘』も、年下の男(坂口健太郎)に本気になっていいものかと、内心おどおどする娘(吉高由里子)と親友ふたりのそれぞれの恋物語が描かれた。オタクの世界に引きこもっていても、コスプレしていても、親友たちと強気にしていても、やっぱり心配はつきない。心の奥底のおどおどをリアルに描くことこそが、東村マンガ原作ドラマの真っ芯なのかもしれない。芳根京子は、その真っ芯を一番素直に表現した女優といえる。

NEWSポストセブン

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