傍聴が面白い裁判の選び方 新件で小さい事件で理想は1時間

1月31日(木)16時0分 NEWSポストセブン

実際の東京地裁(AFP=時事)

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 現在放送中の連続ドラマ『グッドワイフ』(TBS系)で弁護士役を務める常盤貴子(46)もハマっているという裁判傍聴が注目されている。一度は行ってみたいけれど、いきなりでは二の足を踏んでしまう──そんな人のために、東京地方裁判所(東京地裁)を例にとり、裁判所への入り方から傍聴の仕方まで、“先達”たちに案内してもらった。


◆「開廷表」は情報の宝庫


 東京地裁は、東京メトロ・霞ケ関駅で下車し、A1出口から徒歩1分。地上19階、地下3階の東京高等・地方・簡易裁判所合同庁舎にある。


 敷地内に足を踏み入れると、撮影や録音は一切禁止だ。建物の入り口には金属探知機があり、ゲートを通って荷物のX線検査を受ける。


 通過したら、まず「どの裁判を傍聴するか」を決める。入り口正面には6つの電子パネルがあり、当日行なわれる裁判の予定表(「開廷表」という)が表示されているので、その中から裁判を選ぶ。


「マスコミで取り上げられるような注目事件や、有名人が被告人の事件の裁判は抽選になることが多い。事前に裁判所に電話で問い合わせるか、裁判所のHPで抽選状況を確認しておきましょう」(裁判傍聴歴14年のジャーナリスト・高橋ユキ氏)


 初心者は「開廷表」を見ただけでは、どの裁判が面白いのかを判断するのが難しい。注目すべきポイントはどこか。



●「新件」を選ぶ


 最初の分かれ道は刑事と民事のどちらを選ぶかだ。『裁判中毒』の著者で傍聴歴36年のジャーナリスト・今井亮一氏はこう語る。


「初めての人なら『刑事』を傍聴するといいでしょう。民事に比べて事件当事者が出廷することが多いので、飽きることが少ない。また双方が主張し合う民事より、検事が被告を追及する刑事のほうが、“ストーリー”がわかりやすい」


 裁判が一回で終わるケースは少なく、日を変えて何度も審理を重ねる。最初に見るなら「新件」と書かれた裁判がいいという。


「新件とは第1回公判のこと。刑事裁判では被告人の身上経歴が読み上げられることが多いので、年齢や職業はもちろん、その人がどんな人生を送ってきたのかがわかるし、事件の内容も詳しくわかる。いきなり2回目以降の公判を傍聴しても事件の概要がすぐにわからないので、法廷で交わされるやり取りが理解しにくくなる」(高橋氏)


●“小さい事件”がわかりやすい


 開廷表に書かれている事件名も参考にしたい。『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』の著者で裁判傍聴歴18年のライター・北尾トロ氏はこう語る。


「もしかしたら自分が被害者や被告人になってしまうかもしれない、と思えるような“小さい事件”の方がいい。裁判の構図がわかりやすいし、被告人の個性や置かれた状況も身近に感じます。殺人や巨額の経済事件のような“大きい事件”は興味を引きますが、自分との距離が遠すぎてしまう。


 まずは『強盗致傷』や『窃盗』あたりがいい。強盗致傷といっても、コンビニで100円のパンを万引きした男が、店員に見られたので逃げようとしたら、たまたま店先で老人と接触してしまった、という場合でも『強盗』と『傷害』になる。被告人がみな極悪人というわけではないんです」



●理想は「1時間」


 裁判の「長さ」も大事な基準だ。開廷表には時間枠も表示されており、1回の公判はその時間内で行なわれる。傍聴ビギナーは「1時間」の裁判を選ぶのが無難だ。


「30分枠だと、証拠の整理だけで終わってしまう可能性がある。逆に2時間だと長すぎて退屈してしまうかもしれません」(高橋氏)


●初心者には向かない外国人絡みの事件


「例えば覚せい剤取締法違反でも、『密輸』事件で被告人や証人が外国人だと、通訳が入って時間がかかるし、話もややこしくなります。『出入国管理法』の裁判も、通訳がついて裁判の展開が遅くなるケースが多い。被告人の名前が外国人の場合も同様です」(高橋氏)


●見たい裁判は「複数選んでおく」


 裁判を選んでも、傍聴席が満席になってしまうと傍聴できない。


「傍聴席が20席程度の小さな法廷だと、席が埋まる確率が高くなり、再度1階に戻って開廷表を見て、次の裁判を探すことになる。そうならないために、優先順位をつけて傍聴したい裁判をできるだけ多く選び、法廷番号をメモしておくと良いでしょう。ロビーやエレベーターホールには、何番の法廷が建物のどこにあるかが示されているので確認しましょう」(高橋氏)


※週刊ポスト2019年2月8日号

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