たけしが語る松方弘樹伝説 ステーキ屋の勘定5人で2000万円

2月1日(水)7時0分 NEWSポストセブン

ビートたけしが松方弘樹さんの豪快エピソードを語る

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 俳優・松方弘樹さん、死去──。そのニュースが駆け巡った1月23日夕方、ビートたけしは『世界まる見え!テレビ特捜部』(日本テレビ系)の収録中だった。その後、スタジオ内のたけしの楽屋にて、本誌・週刊ポスト連載の取材が行なわれることになっていた。


 収録終了。お馴染みの仮装を脱ぎ、楽屋のソファに座ったたけしに記者は告げた。「松方弘樹さんが亡くなりました……」──たけしは驚きの表情を浮かべ、絶句した。20秒近く沈黙があっただろうか。


「そういや、『元気が出るテレビ!!』も、このスタジオで撮ってたんだよ」と、ポツリつぶやいた──。最新刊『テレビじゃ言えない』も話題となっているたけしが、テレビでは言えなかった松方さんとの思い出を語る。


 * * *

 松方さんと初めて会ったのは、『元気が出るテレビ!!』の企画が持ち上がった頃だったね。キャスティングを考えていたら、当時、制作会社IVSのディレクターだったテリー伊藤が「松方さん、いいんじゃないですかね〜」なんていうんだよな。


 当時の松方さんは『仁義なき戦い』やら東映の実録ヤクザ映画のイメージがバリバリにある頃でさ。


 だからオイラは最初、「大丈夫かい? おっかないんじゃないの?」「バラエティなんてガラじゃないだろ」って、首を傾げたんだよな。


 じゃあ実際会ってみましょうよってことで、四谷の寿司屋でメシを食う流れになったんだ。日テレの人とテリー伊藤と3人で店に入ると、松方さんが先に来て待っててさ。もう、ヤクザ顔負けの迫力で、ギラッとこっちを睨むんだよ。


 だけど「やべえな」と思ったのは最初だけ。酒をガンガン飲んでると、あの人が「ゲラ」だってわかったんだよ。


「ゲラ」ってのは、「ゲラゲラすぐ笑う人」って意味の業界用語でね。あの「イーヒ、ヒ、ヒ」って笑い声も特徴的だろ。「これはハマるぞ」って思ったんだよな。


 なんで、その場で「毎週なんですけど、レギュラーで出てもらえます?」って聞いたんだよ。そしたらニコッとOKしてくれてさ。


 松方さんは、京都と東京を往復したり大変だったんじゃないかと思うけど、結局『元気が出るテレビ!!』では、10年以上も付き合うことになっちゃった。


 その間、本当によく遊んでもらったよ。遊んだ、遊んだ、遊びまくった。酒も女も、いろんなことを教えてもらったね。


 あの人は、とんでもなくカネ払いがよかった。あんなに豪儀な人はなかなかいないぜ。


 京都で超一流のステーキ屋に連れてってくれたときは驚いたよ。なんと5人で食いにいって、その勘定が2000万円だぜ。いくら高い店だって、メシだけ食ってたら5人で100万円もいかないからね。ロマネ・コンティのビンテージものだか、1本数百万円するようなヤツを10本近く飲んじゃったんだ。それを松方さんがぽーんとひとりで払っちゃうんだからね。カードなんかじゃない、現金だぜ。よく覚えてないけど、そんなカネ財布に入るのかって話だよ。


 その頃はとにかく景気がよかった。『元気が出るテレビ!!』が大ヒットで、観光地にグッズを売る「元気が出るハウス」ができててさ。1日に1500万円売り上げる店もあったって聞くぜ。


 松方さんの知り合いもその店に絡んでて、けっこう儲かったんだって。


 で、「元気が出るハウス」で売ってるトレーナーもバカ売れして、あまりの売れ行きにニセモノまで出回ってたんだよな。


 そのトレーナーがホンモノかどうか見分ける方法ってのが大笑いでさ。洗濯しても大丈夫なのがニセモノで、色落ちしてまっ白になっちゃうのがホンモノというね。ホンモノのほうがよっぽど粗悪品だったというオチなんだよな。


※週刊ポスト2017年2月10日号

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