安倍首相の「大喪の礼」への解釈に宮内庁関係者違和感

2月2日(木)7時0分 NEWSポストセブン

この10年、意見の食い違いを見せてきた天皇陛下と安倍首相

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 1月23日に公表された論点整理を基に、議論が大詰めを迎えている天皇陛下の生前退位。陛下が皇室典範改正も含めた恒久的な制度設計を望まれている一方で、安倍晋三首相(62才)を中心とした官邸側は「1代限り」の方向で議論をリードしている。生前退位の方針が決まる特例法案の国会提出は5月上旬の見込みだ。猶予はわずか3か月弱。陛下の悲願は瀬戸際にある。


 昨年末にはこんなことがあった。学習院のOBに配布される『桜友会報』が、昨年9月に行われた渡辺允元侍従長の講演録を掲載。その中で、実際には話していたある重要な発言が削除されていた。


「渡辺氏は、陛下の生前退位の意向をお知りになった美智子さまが、当初は慎重な姿勢を見せられていたと明かしました。その後、美智子さまも陛下の深いお考えと強いお気持ちに接して同調された。発言を削除した理由は、両陛下が最初から一枚岩だったと印象づけるためでしょう」(学習院関係者)


 ところが、安倍首相の考えは冷ややかだ。


「恒久的な制度設計には皇室典範の改正が不可欠ですが、議論が長期化するのは明らかです。持論である憲法改正に着手したい安倍首相にとって、そんな時間はないから特例法で済ませたいというのが本音なんです」(政治ジャーナリスト)


 さらに最近、安倍首相は周囲にこう漏らしているという。


「『大喪の礼』は、なくしてはいけない伝統行事だ」


 大喪の礼とは天皇が崩御した際に行われる葬儀のこと。もし天皇が生前退位すれば、自ずと大喪の礼は行われない。


 陛下にとって、大喪の礼の煩わしさを避けること自体も、退位の目的の1つだったことは昨年8月に話された「お気持ち」から明らかだ。


〈天皇の終焉に当たっては(中略)様々な行事と、新時代に関わる諸行事が同時に進行することから、行事に関わる人々、とりわけ残される家族は、非常に厳しい状況下に置かれざるを得ません〉


 大喪の礼がいかに大変な行事で、周囲に精神的、肉体的な負担を強いるかは、昭和天皇の崩御を経験されている陛下が最もよくご存じだ。陛下は熟考の上で、その規模を縮小すべきだと述べられた。


「安倍首相の立場は、そうした陛下の思いとは逆行しています。大喪の礼の必要性を訴えることは、生前退位もやるべきではないという考え方なのです」(政治記者)


 だが、ある宮内庁関係者はそうした安倍首相の主張に違和感を覚えるという。


「『大喪の礼』とは、政教分離の観点から昭和天皇の崩御のときに“国の儀式”として初めて規定されたもの。仮に安倍首相の言葉が皇室の“私的な儀式”である『大喪儀』のことを指しているとしても、現在の形式である神道で行われるようになったのは明治天皇以降のことで、それまでは仏式で行われていました。それのどこが皇室の“伝統行事”なのでしょうか」


撮影/雑誌協会代表取材


※女性セブン2017年2月16日号

NEWSポストセブン

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