ベッキー、ASKA、成宮… 芸能ネタとワイドショーの関係

2月5日(日)7時0分 NEWSポストセブン

芸能ネタとワイドショーの関係は?(フジテレビ公式HPより)

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 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、ワイドショーにおける芸能ネタの“数字”について明かす。


 * * *

“文春砲”に負けじと最近は“フライデー砲”が盛んに投下されているし、女性週刊誌でも『女性自身』が江角マキコの不倫を報じたり、『女性セブン』ではTMR西川貴教に弄ばれたという女子大生の“告白”を掲載したりと、スクープ合戦が続いている。


 ワイドショーでは、そうした週刊誌の発売日に記事を取り上げることが多く、視聴者の皆さんからは「他人の褌で相撲をとっている」という御批判も少なくないと聞く。


 実は、タダで記事を使わせていただいているワケではない。記事を番組で扱うにあたり、“使用料”が発生する週刊誌が昨今は少なくないのである。


 テレビ局の芸能デスクに言わせると、「それほど大きな額ではないため、使用料を支払っていなかった頃より、逆にやりやすい」とか。もちろん、だからと言って、記事をそのままなぞるようなルール違反はしていないし、番組が芸能事務所に「あてる」(=確認する)場合もあれば、締めに「くわしくは…」とか「この続きは週刊○○をお読みください」という文言を添えている番組もある。


 では、文春砲を始め、そうしたスクープ記事には、ワイドショーにおいて、どれぐらいの“数字”があるのだろうか?


 まず「いつまで経っても数字があったのはベッキーだった」と某局芸能デスクが振り返る。「不倫」というワードとはもっともかけ離れていたところにいたベッキーが…という意外性。さらには、相手の「ゲスの極み乙女。川谷絵音が毎週のようにネタを提供してくれたことから、ワイドショーのカメラが彼らのライブ会場に押し掛けることも続いた。


 最後、「さすがのベッキーも数字を獲れなくなった」と言われるようになったのは、彼女が地上波のテレビ番組に復帰する云々というニュースのとき。幸せなネタは数字が獲れない? それもあるかもしれないが、約一年という長きにわたって引っ張られたネタに、さすがの視聴者も、「もうお腹がいっぱい」だったのだろう。



 続いてワイドショーの毎分グラフが急上昇したのは「成宮寛貴、引退」のニュースだった。ベッキー同様、“現役感”いっぱいでファンも多かった成宮からの突然の引退発表。直筆の文章の行間からは苦悩が溢れ、「自殺でもしたら、どうするのか」を始め、「かわいそう」「ひどい」と、コカイン吸引疑惑を報じた『フライデー』には抗議が殺到したと聞く。


 数字が落ち着いたのは、成宮を「売った」とされる複数の“友人”がワイドショーのコンタクトに応じるようになってから。もともと、真相がわかりにくいニュースだったこともあり、視聴者がこのネタに付き合うことを止めたのである。


 その逆で、「数字があるかと思ったら、それほどでもなかった」のがASKAだ。昨年末、彼が再逮捕される直前、『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)にASKAが電話出演した模様をノーカットで流した日の同番組は、「通常より3〜4%、低かった」とスポーツ紙のWEB版に取沙汰されたほどだった。


 1日の『バイキング』(フジテレビ系)も同様で、この日は、ASKAからの突然の電話連絡により、これまで面識がなかったという同番組MCの坂上忍が食事をしながら、様々な話を聞いた“結果”が、坂上の口から丁寧に解説された。


 ちょうど私も出演しており、フロアディレクターからは何度「(坂上に)質問してください」というカンペが出たかわからない。


 ASKAの許可を得て、「話せることは話します」というスタンスだった坂上は、いつものように天才的な話術でショーアップもしていたし、かなり核心に触れる内容が生放送で次から次へと明かされたのだが、視聴率は上昇傾向にある同番組の前四週平均視聴率より1%ほど低いものだった。


 そして江角マキコだ。朝のワイドショー側が数字を獲りたいF2層(35〜49歳の女性)にとっては“憧れの存在”だった時期もあるし、“落書き事件”や“ママ友いじめ”が報じられた際には間違いなく数字があった江角である。



 が、今回の不倫→引退を扱った際には、「それほど伸びなかった」と複数のワイドショー芸能デスクが驚きを隠さなかった。


 第一報を報じた『女性自身』発売日、某ワイドショーで、その江角ネタ以上に数字がハネ上がったのは、「百恵さんだった」そうだ。百恵さんが得意のキルトを展覧会に3作出品した内の2作が子供部屋で使うモノだったということで、二人の年子の息子(共に30代)をもつ百恵さんが「早く結婚して孫を抱かせてほしい」と友人に語った…という、ほんわかしたネタのほうに数字があったというのである。


「数字がない」ということでいうと、大物の訃報も「それほどでもないし、どうしても暗くなってしまうので、なるべく短尺にしたい」とはワイドショーの総合演出の弁。最近では松方弘樹さんや藤村俊二さんら、昭和生まれの視聴者にとっては、御馴染み過ぎる大物の訃報が続いたが、「このお二人のように、活躍の場が多岐にわたっていると、どの時代をピックアップするのが視聴者にとって親切なのかとても悩む」と。


 確かに、松方さんは往年の名優であることは間違いないが、ビートたけしとバラエティーに出演して、その人柄がお茶の間に知れ渡ったり、巨大マグロを釣り上げていたり。さらに、プライベートが毎日のようにワイドショーで取り沙汰された時代もあったが、「それがわかる視聴者は、F3層を通り越してF4層ではないか」と…。さらに「それらをうまく繋げるディレクターも現場に少なくなっている」というのである。


 藤村俊二さんについても、「振付師というのは知らなかった」と40代のディレクターに言われて私も愕然とした。藤村さんも入っていた「昭和九年会」豪華メンバーをフリップにまとめて説明しても、「そう、そう」と頷いてくれるのは70代のコメンテーターだけだった。


 昨今、自分が仕切らせていただいているコーナーで紹介したネタで視聴率の毎分グラフが劇的に上昇したのは、「岡田結実、父・岡田圭右と“共演NG”のワケ」で、決してドロドロした内容ではなく、彼女のプロフィールや多方面での活躍ぶりを紹介した、やはり“ほんわか”したものだったのである。


 実は週刊誌も、芸能ネタの大スクープが掲載されていても、「それほど売れなかった」ということがあるそうで、女性週刊誌編集部内でも、ゴシップよりも実用ネタに力を注ぐことへのシフトを考えているところもあると聞く。


“○○砲”と、読者&視聴者の指向のギャップ。出版社でもテレビ局でも今後の大きな課題となりそうだ。

NEWSポストセブン

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