狂気『ロード・オブ・カオス』日本版予告 ─ ブラック・メタルバンド「メイヘム」戦慄の青春映画、原作本も復刊決定

2月5日(金)12時0分 THE RIVER

ブラック・メタル黎明期の伝説的バンド「メイヘム」の狂乱の青春を描いた映画『ロード・オブ・カオス』日本版予告編が公開となった。同時に、ながらく絶版となっ ていた本作の原作である「ロード・オブ・カオス ブラック・メタルの血塗られた歴史」が映画公開にあわせ復刊することも決定。教会連続放火から殺害事件と歯止めが効かずに過激化してゆくインナーサークルと共に、転がり落ちてゆく若者たちの姿を捉えた戦慄作は、メタル・ファンならずとも注目だ。

ノルウェー・オスロに拠点を置き、初期ブラック・メタル・シーンの中核的な存在となったバンド「メイヘム(Mayhem)」。彼らは、サタニズム(悪魔崇拝主義)を標榜し、過激なライヴパフォーマンスとコープスペイント(死化粧)で世界のメタルシーンを席捲。同時に、バンドリーダーのユーロニモスは、“誰が一番邪悪か”を競い合うアンダーグラウンド集団「インナーサークル」を結成。活動は過激化し、教会連続放火、暴動、果ては複数の殺人事件まで引き起こし、社会問題に発展した。

ロード・オブ・カオス© 2018 Fox Vice Films Holdings, LLC and VICE Media LLC

本作は、傑作ノンフィクション「ロード・オブ・カオスブラック・メタルの血塗られた歴史」を原作に、世界をリードした音楽と、いまだ解明されていない事件に触れたメイヘムの邪悪ながらも切なく尊く痛々しい青春を鮮やかに描く音楽ドラマである。メガホンをとるのは、ブラック・メタルの父とでも言うべきバンド「バソリー(Bathory)」の元ドラマーであり、ローリング・ストーンズ、マドンナポール・マッカートニーメタリカなどのMVも手掛けるジョナス・アカーランド。当時のメタルシーン内部にいた監督ならではの演出と、関係者たちへの綿密な取材で“あの時代”の音楽と世界観を完璧に再現、メンバーの心情を繊細かつ大胆に活写した。

音楽を担当するのはポストロックバンドのシガー・ロス。メイヘムの楽曲の狭間、心揺るがす劇伴の数々を披露している。主人公のユーロニモスを演じるのは、マコーレー・カルキンの実弟、ロリー・カルキン。準備に一年間かけ、役になりきった。ヴォーカルのデッドを演じるのは、ヴァル・キルマーの息子のジャック・キルマー。彼は、メタルの帝王オジー・オズボーンの「UndertheGraveyard」(19)のMVで、若きオジー役を演じている。

迸る音楽への情熱と歪んだ感情とが錯綜し、暴走する青春を駆け抜けた伝説のバンド「メイヘム」。バンドの名声を夢見ていただけの若者たちによる真実と虚構の物語が開幕する。

ロード・オブ・カオス© 2018 Fox Vice Films Holdings, LLC and VICE Media LLC

原作本「ロード・オブ・カオス ブラック・メタルの血塗られた歴史」 (ele-king books/Pヴァイン)も復刊決定。2021年3月24日発売だ。バーズムのヴァーグ・ヴァイカーネス(元メイヘム)への獄中インタビューや「悪魔教会」教祖のアントン・ラヴェイを含め、多数の主要人物や専門家への取材をふまえつつ、音楽的な歴史からオカルト/悪魔崇拝の歴史、北欧における異教信仰やナショナリズムのあり方など社会的・文化的・心理学的な背景を丁寧に探った原作も、映画とあわせてチェックしよう。

『ロード・オブ・カオス』は2021年3月26日(金)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほかにてロードショー。以降順次公開。

『ロード・オブ・カオス』公式サイト

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