ドラマ、CMに引っ張りだこ松重豊 演技の決め手は「口角技」

2月7日(水)7時0分 NEWSポストセブン

数々の話題作に出演している松重豊

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 今、もっとも注目を集める“演技派中年俳優”の筆頭といえば、松重豊(56)だ。数々のドラマや映画、そしてCMなどにも起用される彼の演技にはある秘密があった——。コラムニストのペリー荻野さんが独自の視点で解説する。


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 松重豊といえば『孤独のグルメ』、『孤独のグルメ』といえば松重豊というくらい、このシリーズは、「名物番組」となった。昨年の大みそかスペシャルでは、ラストがまさかの生放送。このドラマの主旨として、果たして生放送にする理由があったのか?はさておき、この回「食べ納め!瀬戸内出張編」も井之頭五郎(松重)が「そこまでしたいか香川人。俺のさぬきが完成だ」とスーツ姿でうどんの湯切りをし、生放送部分では蕎麦屋で瀬川瑛子(もちろん本人)に遭遇するなど、大いに盛り上がった。


 このシリーズにより、松重の俳優人生は劇的に変化した。なによりCMで「やたら飲み食いするおじさん」として登場する機会が増えた。


 はごろもフーズの鰹節『はごろも舞』のCMでは、青菜のおひたしや冷や奴などどんな料理に商品をかけたらいいかと悩みつつ、「今日は冷や奴にマイマイしちゃお」とパクリ。私が好きな米久の『御殿場高原あらびきポーク』シリーズでは、一般家庭に突如やってきた殿様(ちょんまげに豪華な着物姿)の松重が、ソーセージをぱくりとやってきて「肉がうまい!!」と口角をきゅーっとあげてにこにこする。


 このシリーズのウェブ版では、殿はソーセージがにょっきりとするおむすびやほかほかのホットドッグなども賞味して大満足。気がつけば、いつも箸を片手にして目を輝かせている松重豊。まさに美味いものを食べて感動する「口角技」が、CMで炸裂しているのである。


 すごいのは、「食べる」CMをしつつ、一方では小林製薬の『ナイシトールZ』のCMで「昔よりおなかの脂肪が落ちなくなったね~!!」と言いつつ、脂肪を落とす商品をしっかりアピールしていること。食べる→脂肪対策まで、ひとりでフォローしているのだ。


 蜷川スタジオ時代はすごいメイクをしたり、かなりやんちゃな俳優だったとか。強面で陰のある役も多かったが、近年では「困った部下に対応する理解ある上司」といった役柄が増えた。TBS『アンナチュラル』では、遺族らの要望により、解剖を請け負う「不自然死究明研究所」所長役。いろいろとワケアリの解剖医(石原さとみ井浦新ら)相手に口をへの字にしたり、にっこりしたりとここでも口角技が忙しい。


 そして今月スタートのテレビ東京『パイプレイヤーズ もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら』では、なんと大杉蓮、遠藤憲一田口トモロヲ、光石研ら共演者とともに無人島生活! 無人島といえば食糧確保をどうするのかは大問題。ひょっとして銛で魚を捕るパターン? 孤独じゃないけど、無人島グルメ? ちなみに今回は、テレビ東京架空の朝ドラ『しまっこさん』のロケがきっかけで無人島に漂着してしまう設定で、松重の役は島の学校の校長先生だ。


 この設定、キャスト(寺島しのぶや役所広司も出演)で『パイプレイヤーズ』が面白くないわけがない。そして松重豊は自らの技をここ一番のところで披露して、ドラマを盛り上げることも間違いない。これができるのが松重の強み。目立たないけど松重豊ブームは続く。演技派俳優相手に磨きがかかる松重の口角技に注目したいところだ。

NEWSポストセブン

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