『べらぼう』あの「佐野政言」登場直前に<フラグ>がしっかり打ち込まれていた?潜ませた脚本に気づいた視聴者「ネタ振りが二重三重」「9年後の伏線」「平蔵が言ったとおり」
2025年2月12日(水)18時12分 婦人公論.jp
(『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』(c)NHK)
大河ドラマ『べらぼう』
横浜流星さん主演の大河ドラマ『べらぼう』(NHK総合/毎週日曜夜8時ほか)。第6回「鱗(うろこ)剥がれた『節用集』」が2月9日に放送され、話題になっています。
*以下「鱗剥がれた『節用集』」の放送内容のネタバレを含みます。
●「鱗剥がれた『節用集』」あらすじ
蔦重(横浜流星さん)は、吉原細見だけでなく挿絵入りの青本を作ろうと、鱗形屋孫兵衛(片岡愛之助さん)と共にアイデアを考え、ネタ集めに奔走する。
そんな中、須原屋(里見浩太朗さん)から『節用集』の偽板が出回っていると聞き、蔦重の中に、ある疑念が生じて…。
一方江戸城内では、松平武元(石坂浩二さん)が莫大な費用がかかる日光社参を提案する。田沼意次(渡辺謙さん)は、予算の無駄遣いを理由に、徳川家治(眞島秀和)に中止を訴えるが…。
日光社参を巡り
江戸城内では、財政が持ち直したことを受け、老中首座・松平武元が日光社参の復活を提案します。
対して、予算の無駄遣いを理由として田沼意次は反対。10代将軍・徳川家治に中止を訴えます。
しかし、その時点で次の将軍になると考えられていた嫡男・徳川家基(奥智哉さん)も日光社参次を望んでいると言い、家治は話をはぐらかしてしまいました。
その後、意次は各家から届いた日光社参取りやめの嘆願書を示すも、家基が<意次は幕府を骨抜きにしようとする奸賊>とまで考えている事実を告げた家治は、ついに実施を決めてしまいます。
不気味な笑みを見せた佐野政言
やむなく老中たちの前で、実施決定の旨を告げた意次。
その話を聞いた武元は、暗に「成り上がりの田沼が大名行列の作法を知っているのか」と揶揄。すると意次は「高家・吉良のように指南してほしい」と軽口を叩きますが、その表情からは笑みが一瞬消えるのでした。
一方、そのころの田沼屋敷。
意次の息子・意知が旗本の佐野善左衛門政言と名乗る男と面会することに。
意知の前で「ご覧いただきたいものが」と、家系図を広げた政言。
続けて「田沼家の祖先はかつて佐野家の末端家臣であり、その家系図は田沼家の由緒として好きに改ざんしてよい。その代わりよい役職が欲しい」と意知に伝えると、不気味な笑みを見せます。
しかし、江戸城で家柄を揶揄されてきたばかりの意次。
その話を聞いて、政言が持ってきた家系図をそのまま庭の池へ放り投げると、意知に対して「由緒などいらん」と言い放つのでした。
視聴者の声
田沼屋敷を訪問してきた矢本悠馬さん演じる佐野政言。そのたたずまいから、タダモノではないことを察した視聴者も多いようです。
なお『べらぼう』のホームページには「反田沼の“世直し大明神”」「佐野家は三河以来、徳川家に仕えた歴史があり、代々番士を務めた家柄」といった紹介とともに、この先のドラマを待つであろう衝撃の展開も記載されていました。
一方、江戸城で家柄を笑われた直後だったこともあり「由緒などいらん」と家系図を放り投げた意次。揶揄されたあとに武元へ叩いた軽口が、実は脚本に潜ませた<フラグ>だったのでは…と話題になっています。
たとえば視聴者からは「吉良上野介を仄めかした次のシーンで、田沼家に不可逆的なダメージを与える佐野政言が。脚本が上手い」「意次自身が殿中の刃傷沙汰に紐づくネタをかましてるの、ネタ振りが二重三重に」「家柄と引き換えに役職を得ようとする政言。平蔵が言うように、実力で勝負しようとせずズルをして出し抜こうと…」「約9年後の事件への伏線。ここから意知と政言の関係がどう描かれるか」といった声が見られていました。
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大河ドラマ第64作となる『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』は、“江戸のメディア王”として時代の寵児になった、”蔦重”こと蔦屋重三郎が主人公。
蔦重を演じるのは、NHKドラマ初出演となる横浜流星さん。脚本は、連続テレビ小説『ごちそうさん』大河ドラマ『おんな城主 直虎』などを手掛けた森下佳子さん。
さらに語りは、蔦重らを見守る吉原の九郎助稲荷(くろすけいなり)として、綾瀬はるかさんが担当する。
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