中尾ミエと和田秀樹が<60代からのオシャレ>について考える。中尾「年を取ったらどんどん派手にすればいい。私が朝起きた時に心がけているのは…」【2024年下半期ベスト】
2025年2月13日(木)12時45分 婦人公論.jp
(写真提供:Photo AC)
2024年下半期(7月〜12月)に配信したものから、いま読み直したい「ベスト記事」をお届けします。(初公開日:2024年10月01日)
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総務省が公表した資料「統計からみた我が国の高齢者」によると、2024年の日本の総人口に占める65歳以上の割合は、200の国と地域の中で最も高いそうです。依然として高齢化が進むなか、精神科医・和田秀樹先生によると、「女性はむしろ年を取ってから意欲的になったり、人付き合いが盛んになったりする」とのこと。そこで今回は、78歳で女優や歌手として活躍する中尾ミエさんとの共著『60代から女は好き勝手くらいがちょうどいい』から一部を、お二人の対談形式でお届けします。
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朝起きたら必ずお化粧する
中尾:最近心がけていることというわけではないけれども、いちおう、朝起きたら、ちゃんと化粧をするように心がけています。化粧というほどしっかりしたものではないけれども、自分が見てもある程度、みっともなくないようにしていたいと、この頃、思うようになりました。
自分で客観的に見ても、年を取ってきたなと思うことがあるわけです。朝起きて、顔を洗ったときに鏡を見たりしたときにひしひしと感じますよね。自分でもそう思うのだから、他人もそれを見せられたら、あまりいい気分じゃないだろうと。だから、最低限の化粧をちゃんとして身だしなみを整えておくという意識が必要だなと考えるようになりました。
和田:女性に限らず、私たち男性だって、鏡を見るといやになることはたくさんありますよ。自己イメージがいちおうありますしね。私はテレビなんかには滅多に出ませんけれども、こうやってお話ししていても、「老けたおっさんだな」と思われないようにはしていたいなと思います。
中尾:そういう意識をなくしてはいけないなと、最近、とみに思うようになりました。職業柄、化粧はしなきゃいけないのもあるから、洗顔などの手入れは入念にするようにしています。それは酔っ払って帰ろうが、疲れていようが、とりあえず、ひと通りのことはします。だから寝るまでにそれなりの時間がかかりますけども、朝起きたときに、ちゃんとやることをやったんだと思えるようにしたいから。
意識することが大事
和田:立派ですね。
中尾:自分で、「偉い、偉い」と言っています。自分の変化を見るのがとても楽しい。顔も手入れ次第でそれなりに変わるわけですよね。意識することが大事だと本当に思います。
目ひとつとっても、物を見るのにどうでもいいやと疎(おろそ)かにしていると、瞼(まぶた)が下がってくる。だから、ちゃんと目を見開いて、物をしっかり見るように心がけていると、やっぱり変わってきます。
だから、私は整形だなんだということは考えません。自力で変わっていくのが楽しみですね。時々エステに行くくらいです。
和田:腕のいいメイクに当たると、女性はすごく変われますからね。
年を取ったからこそ派手な服を着る
和田:私は50歳くらいから一時期の間、ずっとボトックスを入れていました。弛(ゆる)んだシワを伸ばしたりするだけで、顔がちょっと変わると気分も上がるんですよね。ですから、外見も大事だなと思うようになりました。
白髪も一部分だけが白くなっていて格好悪いから染めに行きます。それをやると、やっぱり気分が上がる(笑)。男性でもそうなんだから、女性もメイクをしたり、お手入れしたりして外見が変わると気分も上がりますよね。
(写真提供:Photo AC)
中尾:本当に薄化粧程度でもいいから、身なりに気をつかうといいですよ。60歳になったからといって、変に老け込んでオシャレなんか必要ないなんて思わないで、自分の気持ちを上げるためにも必要なことだと思います。
着るものもね、年を取ったらどんどん派手にすればいい。たとえば、昔はお葬式にマニキュアをしていったら、いろいろと小言を言われたりもしました。時代や風潮の変化でお葬式のやり方も変わっていきます。
喪服にしても何故、黒でないといけないのでしょう。マニキュアをしているからといっても、失礼でもなんでもないでしょう。
和田:日本って本当はそんなに宗教にうるさくないから、好きに変えられるはずなんですけれどもね。
中尾:それなのに、喪服の「マナー」は古い常識のままです。グレーはいいけれど紺はダメとか。
理不尽なことはどんどん変えていく
和田:日本は同じ服ばかり着たがる国なんじゃないかと思うことがある。それを変えていかなきゃいけないですね。『anan』や『non-no』のような女性ファッション雑誌の創刊が昭和40年代くらいですから、それらをリアルタイムに読んでいた人は今、もう70代くらいですよね。戦後の貧しい時代とは違って、若い頃からおしゃれ経験のある世代が高齢化してきているから、そういった世代はお年寄りになってもファッションに関心がある。
50代以上の女性をターゲットにした雑誌『ハルメク』が国内で一番の売り上げがあるそうだから、年を取ってもおしゃれに気をつかえる人が増えている。それはアンチエイジングにもとても効果があるように思いますよ。ココ・シャネルにしても、年を取ってから復活したわけだし、いつまでもおしゃれでいようという感覚はとても大事です。
中尾:50代をターゲットにするだなんて、昔だったらありえなかった。ましてや、私なんかもこの年齢で今もいろんな媒体で取り上げてくれる。少し前だったら、もうお役御免でしょう。
和田:私が中学生くらいの頃でしょうか、映画館に『砂の器』を観に行ったことがあります。そのとき、ボロボロの老人役をしていたのが、加藤嘉さんでしたが、当時はまだ61か62歳くらいでしょう。今の私よりも若い。昔は本当に“年寄り”が年寄り然としていた。
言い換えれば、年寄り臭くさせられていたとも言える。年寄りが若作りすると、「年寄りの冷や水」なんて非難されたわけですから。そう考えると、今はいい時代だと思います。
中尾:いい時代ですよね。だから、今がいいチャンスなんだから理不尽なことはどんどんと変えていけばいい。60代になったからこそ遠慮せずに、好き勝手にやるくらいがちょうどいいと思います。
※本稿は、『60代から女は好き勝手くらいがちょうどいい』(宝島社)の一部を再編集したものです。
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