内藤剛志、2時間ドラマは「場所が持っている力に助けられている」 新作サスペンスの楽しみ方を伝授
2025年2月13日(木)17時0分 オリコン
内藤剛志 (C)BS日テレ
——「道場修作」もシリーズ化して、舞台となった場所がすでに4ヶ所あります。2時間ドラマで日本全国いろいろなところに行かれたと思いますが、印象に残っている場所やエピソードがあればお聞かせください。
【内藤】それぞれの場所が持っている力にいつも助けられているなと感じています。例えば、雪深いスキー場の崖でロケをした際、犯人を追い詰めるシーンでどんどん雪が降り積もっていく様子が面白かったりしてね。マイナス十何度という温泉地でもロケをしましたが、暖かい場所で撮影するのと違って、ヒリヒリ感みたいなものが出る気がしますよね。
例えば、福井・東尋坊のロケに関しても、ストーリーも登場人物も作品によって違うから同じ場所なのに違う風景に見える。毎回、スタッフさんが最高の場所を選んでいるので、僕も楽しみですし、見ている方も「また東尋坊か…」と思わずに、楽しんでください。
——本シリーズでの元検視官という役どころは、内藤さんにとって初挑戦と伺いました。今回で第4弾となりますが、初めてこの役柄のオファーを受けたときはどうお感じになりましたか?
【内藤】刑事役が多かった僕だからこそ、キャスティングされたのかなと。僕としては、また新しい扉が開けるなと思ってうれしかったです。ただ、最初にお話を頂いた時は、妻が遺した俳句とかの設定は決まっていませんでしたが、元検視官がいろいろなところを旅する「旅情サスペンス」みたいな作品を作りたいと聞いて、面白そうだなと思いました。刑事が地方を回って事件を解決していくのは、「十津川警部シリーズ」でやらせてもらいましたが、「道場修作」はそれとは違う面白さも用意されていて、だんだん肉厚になっていって、今がある。そしてシリーズ化されて、本当にありがたいですね。
——さまざまなサスペンスにご出演されていますが、元検視官という定年した役柄は初めてということで、役への取り組み方は変わりましたか?
【内藤】確かに、定年した役というのは、これまでやったことがないですね。定年という言葉は、どこかで終わってしまうんだという寂しさを感じます。でも、年齢とともに仕事がだんだんなくなってくるけど、まだ人生は残っているわけで…。道場の生き方を見て、「定年後も楽しいぜっ!」「年を取るのは楽しいよ」と伝わって、自分も元気に過ごしていこうと思ってもらえたらうれしいですね。
——実際にやってみて、演技や視点に変化はありましたか?
【内藤】サスペンスの部分が楽しめる作品ではありますが、道場が旅に出ることで、その土地の風景やおいしいもの、地元の人たちとのふれ合いや人情でなど、さまざまな要素を楽しんでいただける作品です。道場は、奥さんが俳句好きな人であったということをわからないで働き続けてきて、退官して初めて亡き妻が遺した俳句ノートを発見する。一旦人生を終わらせた道場が、そのノートがきっかけで人生をリスタートさせる姿を描いているところも新しいかなと。だから、漠然と「サスペンス」と一括りにしたらもったいないと思います。どんな風景の中で誰に会って何を食べるのかとか、そして織物や彫刻など、各地の名産品もドラマの物語に重要な要素になっているなと感じています。
——最後に今回の見どころと、視聴者の方へメッセージをお願いします。
【内藤】まず一つ目はサスペンスを楽しんでください。そして、二つ目はいろいろなところでロケをしているので、風景も見ていただいて、道場と一緒に旅をするような気持ちで楽しんでいただきたいですね。最後に、劇中で起きる事件は、人間が起こしたことですから、人間模様をじっくり楽しんでもらいたいと思います。この三つのポイントはいつも言っていることですが、今回も変わらないです。さらに、道場の人生をのぞき見してもらった上で、まだまだ人生これからだ、自分も楽しもうとプラス思考になってもらえるとうれしいです。