1月ドラマは「社会派」オリジナル作に大反響!“他人事じゃない”がポイントか

2018年2月15日(木)6時30分 シネマカフェ

「anone」第6話-(C)NTV

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冬の寒さが身に沁みる1月クール。今期は、“社会派”と称される作品が強い存在感を放っていますね!

観た人全てが「うんうん、わかる!」と圧倒的に共感するのではなく——普段、何となく見て見ぬふりをしてきた現実が、ものすごく身近なものとして胸にズドンと刺さる鋭利なドラマ。今日は、毎クール全ての作品をチェックしているドラマニアな筆者が、代表的な2作品を例に見所を分析していきます。

■リアルな会話劇に惹きこまれる、誰もが“自分事”のドラマ「anone」

普通に生きることの難しさ——本作を見る度、私たちはそれを痛感することになるでしょう。

「anone」の主人公・ハリカ(広瀬すず)は感受性豊かな性格から、普通とは違うハズレの子というレッテルを貼られ、親から隔別され生きてきました。ネットカフェでその日暮らしを余儀なくされていたあるとき、偶然出会った老齢の女性・亜乃音(田中裕子)が偽札を所持していることに気づいたハリカは、「普通でいられないなら、いっそ」と大金に魅せられ…。

本作には、彼女のように「普通に生られるなら、それでいい」そう考えながらも、「隙あらば、大きな成功を手にしてみたい」と望んでしまう“人間らしい人間”が次々に登場。愛に欺かれ裏切られ、信じる心を無くした大人たちの心の葛藤は、決して他人事とは思えないもどかしいものばかりです。


幸せを得るために、お金が必要不可欠なのだろうか——そんな普遍的課題に真っ向から挑んだ、社会派ドラマ「anone」。登場人物たちの末路を最後まで見届けることで、“生きる”という言葉の本当の意味を知ることができるはずですよ。あなたの心に刺さる一言を探してみてくださいね。

■人が違えば“痛み”も違う…人間の本音に迫る「隣の家族は青く見える」

ヒリヒリ胸が痛くなる物語と言えば、こちらの作品も忘れてはいけません。妊活という夫婦のリアルを正面から描いたドラマ「隣の家族は青く見える」です。

これまでにも本テーマを扱った作品はありましたが、ここまで細かく…かつストレートに表現するのは初めて。不妊治療を行う過程のひとつひとつ、それに伴う夫婦の心の葛藤を丁寧に紡いだ注目作となっています。

深田恭子さん×松山ケンイチさん演じる五十嵐夫妻は、大の子ども好き。「いつか、自分たちも」と漠然と妊活を思い描いていたのですが…気がつくと年齢を重ね、周りからチクチク「子どもは…?」と尋ねられる状況に。もしかしたら、自分はみんなの言う“普通”を手にすることができないのかもしれない——確かな不安が胸に押し寄せた瞬間から、それまでは何の気なしにできていた愛想笑いができなくなってしまうのでした。


隣の芝生には、子どもに全てを捧げる女性、はたまた子どもは欲しくないという女性が住んでいて…それぞれがそれぞれをつい羨んでしまうもどかしさが、画面を通して痛い程に伝わってきますよね。無意識ながら他人と自己を比較する癖が染みついてしまっている現代の私たちに、とても自然なメッセージで警鐘を鳴らしてくれる貴重な一作と言えるでしょう。“痛み”の種類は各々——異なるからこそ奥深いと思えるようになりたいものです。

以上、いかがでしたか? 上記はいずれもオリジナル脚本の作品ということで、先の読めない今後の展開が気になります。1月クールもいよいよ折り返し地点! 最後まで、とくとお楽しみくださいませ。

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