増える「二拠点生活」 移住相談の約7割が20〜40代

2月15日(木)11時0分 NEWSポストセブン

福井県越前町での地元と移住者の交流会

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 都会で生活する人が地方にも生活拠点を持ち、行き来しながら暮らす“二拠点生活者”が増えている。2016年度から国土交通省が2つの地域での居住を促進するためのモニター調査を実施するなど、行政機関も、本格的な取り組みを見せている。


 二拠点生活といえば、ひと昔前はシニア層が別荘地などにセカンドハウスを持ち、悠々自適な生活を送るイメージだったが、今は事情が変わってきている。


 シニア層だけでなく、50代以下の現役世代でも、生活の場を都会と地方の2か所に構えるなど、二拠点生活者が幅広い年代で増えているのだ。


「私どもの調査では、昨年1年以内の移住相談件数約3万3000件のうち20〜40代が全体の約7割を占めています。今はパソコンさえあれば、どこでも仕事ができますから、活動拠点を都会だけでなく、地方にも置きたいという気持ちがあるようです」(『ふるさと回帰支援センター』理事長・高橋公さん)


 例えば、都会で流行の最先端に触れた生活をしつつ、田舎では古民家で暮らし、農作業で野菜を作る。そうした二拠点生活では、それぞれ違った経験ができて視野が広げられる。自然豊かな地方には、子育て支援が充実しているところも多いため、都会で仕事をしつつ、住民票は田舎に移してのびのびと子育てをする人も増えている。


 都会と田舎双方のいいところを味わえる二拠点生活。が、注意点もある。1つは往復の距離と交通費だ。『移住・交流推進機構』総括参事の田染賢一郎さんは次のように説明する。


「例えば、東京と沖縄のように、2つの拠点を離れた場所にしている人もいますが、通う距離が遠いと、金銭的にも体力的にも負担が大きくなります。都心から車で2〜3時間で通える関東近郊や、関西近郊が人気です」



 関東なら茨城や栃木、長野、山梨、関西なら大阪や兵庫、京都の郊外を選ぶ人も多い。


 2つ目は、住居費の問題だ。2か所に住むためには2軒分の住宅費がかかる。そこで最近は、コストを抑えるためにどちらか一方をシェアハウス住まいにする人もいるという。また、二拠点となれば、人間関係への気配りも必要となる。


「郷に入れば郷に従えで、田舎で都会風を吹かせるのはNG。その土地の風習ややり方に合わせることも必要です。田舎暮らしでご近所と仲よくなれば、困った時に助けてもらえるという利点もありますよ」(高橋さん)


 最近では交流会などを開く自治体も多く、移住者と地元の人をつなぐ団体もできている。


◆二拠点生活で、親子の程よい距離感が保てる


 高齢の親の世話を無理なく行うために、新たな選択肢として二拠点生活を選ぶ人も増えている。行き来しながらのお世話は、一見、大変そうに思える。が、遠距離介護を支援する『パオッコ』理事長の太田差惠子さんは、「精神的な負担はかえって少ない」と言う。


「長く離れて暮らしてきた親子が、いきなり同居すれば衝突も増え、お互い疲弊してしまいます。その点、たまに会ってケアをすれば、親も感謝してくれ、良好な関係を築きやすい。その後、いざ介護となったら、交通費も含めて親の介護資金でやりくりすれば、子供の負担を軽減できます。子供の場合、介護のために自分の収入や貯金で交通費を捻出していると、“なぜ、私が…”と不満が募ってしまいます」(太田さん)


 二拠点生活は、働き方も、住み方も多様化し、選べる時代の新たな選択肢の1つだ。


※女性セブン2018年3月1日号

NEWSポストセブン

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