「御上先生」の飯田Pが明かす制作の背景や意図 「僕も子供を導く教師を目指していた」 受験期の失敗談も

2025年2月15日(土)18時51分 スポーツニッポン

 TBS日曜劇場「御上先生」(日曜後9・00)のイベントが15日、都内で行われ、プロデューサーの飯田和孝氏、監督の宮崎陽平氏、生徒役で出演している俳優の豊田裕大(25)、山下幸輝(23)が登壇した。約40人の現役高校生を前に、ドラマの制作秘話などを明かす“課外授業”を行った。

 飯田氏は今作の立案の根底に、自身が教師を目指していた過去があることを明かした。高3の時に同局の人気ドラマ「3年B組金八先生」の第5シリーズを見て「子供たちが社会に出る手助けをするのが先生だ」と感じた。

 10月から3月まで放送された同作にハマりすぎて受験に失敗してしまったことを笑いながら振り返るも、1浪して早大の教育学部へと進学。中高の英語の教員免許を取るも「社会に出る子供を導く教師になるには、社会を知らないとダメでは」と思うようになり、就職活動を行いTBSへ入社することになった。

 かつて憧れていた職業である教師のドラマを制作したい思いを抱き続け、2021年放送の「ドラゴン桜」を手がけた。オリジナルへの志向も高まる中で、世の中はコロナ禍に。多くの人が鬱屈(うっくつ)とした生活を送っていた2020年に、今作の主題歌も担当している「ONE OK ROCK」が16年に行った「18祭(フェス)」の映像を目にした。そこで感じた若者の輝きやエネルギーを学園ドラマに落とし込むことを考え、約5年の時を経て「御上先生」へと昇華させた。

 今作では教師が生徒たちを一方的に導くのではなく共に考えて導いていく構成が、これまでの学園ドラマとは一線を画す。この点に関しては、脚本家の詩森ろば氏と「説教くさくしたくない」と話し合っていたという。また、「時代の変化にフィットした先生や、必要としている言葉を心は熱く頭はクールに接するやり方が人を動かす力があるんじゃないか」と思い、作り上げたという。

 現代社会に潜む問題をしっかり描いて伝えることも強く意識しており「いかにエンターテインメントとして、考えなくてはいけない問題を視聴者に一緒に考えてもらえるかを考えた」。続けて「政治や社会の大人のドラマじゃ伝わらないものが、若者が扱うことによって、より視聴者の身近に感じられるものになっているのではないかと感じています」と述べた。

 伝える若者として重要となる生徒役を演じる29人は全てオーディションでの募集だった。飯田氏は「制作にあたり、一過性のものではダメだと思っていた。例えば、すごく人気の方を起用して世の中のブームに合わせて“見てくれるだろう”ではない」と強調。「ストーリーをしっかり伝えることを表現できる29人を選びたかった」とオーディション開催の意図を説明した。

 最後には「日曜劇場の枠は“明日からまた頑張ろう”と思えるエンターテインメントを届けるコンセプトがあるのでそこを第一に届けたい」と思いを込めた。そして、「テレビドラマの力を信じている。見た人が少しでも自分自身を考えるきっかけになって、ちょっと身の回りの人に優しくなれる。そんな積み重ねが輪として広がっていければいいかな」と力強く語った。

 第5話はあす16日午後9時から放送される。

スポーツニッポン

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