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イチローも好きな名作『キャプテン』復活にファンの反応は? ネット上の声と、実は描かれていた“その後の『キャプテン』”!

おたぽる2月16日(木)23時0分
画像:「グランドジャンプ」公式サイトより
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「グランドジャンプ」公式サイトより

 16日に発売された「グランドジャンプ」が、故・ちばあきおさんの名作野球マンガ『キャプテン』が復活することを発表! 作画・ストーリーをコージィ城倉が担当し、「グランドジャンプ」4月5日発売号から、約38年ぶりに連載が再開されることとなった。

『キャプテン』は1972年に「別冊少年ジャンプ」にて連載開始、その後「月刊少年ジャンプ」に連載を移動しつつ、1979年まで連載された野球マンガ。弱小野球部・墨谷二中のキャプテンに任命された、転校生の谷口タカオの奮闘を描いた野球マンガの傑作だ。

 ずば抜けたスターがいるわけでもなければ、昭和40年代では主流だった非現実的な魔球や秘打が登場するわけでもない。普通の中学生がひたむきに努力を重ねる泥臭さと、 “キャプテン”=主人公が代替わりしていくという構成上の妙、そして野球の面白さもきちんと描かれ、野球経験者や野球ファンにもファンが多いのが『キャプテン』の特徴。

 あのイチロー(マイアミ・マーリンズ)がオリックス・ブルーウェーブ入団時、『キャプテン』全巻を持って寮に入ったことが語られたり、TVアニメ版『キャプテン』の再放送された際には田中将大(ニューヨーク・ヤンキース)がインタビューに応じてその魅力を語ったりと、『キャプテン』ファン・エピソードの枚挙には暇がないほどだ。

 その『キャプテン』が38年もの年月を経てから他人の手によって復活するとあって、ネット上はマンガ、野球好きのおっさん(と思われる)からのさまざまな声、賛否両論が渦巻いているので、それぞれの声をまとめてみる。

・反対の声
 目立つのはやはり反対の声で、特に「ちばあきおの作品を汚すのは、マジでやめろ」「亡くなった人の作品の続編を描くのはどうなんだろ」といった、“かつての名作のフンドシで勝負するのは良くない”という声は多い。

 加えて「城倉だとどうかな……」「ちばあきおのシンプルだけど、柔らかい絵を再現できるかな」「仕事しすぎだろ」「コージィ好きだけど、キャプテンにはどうかな」などと、作風や作画も含めたいろいろな意味で、コージィ城倉を心配する声も劣らず多かった。 

 コージィ城倉はマンガ家として『砂漠の野球部』(小学館)、『チェイサー』(小学館)といった作品を手掛けつつ、マンガ原作者(原作時は「森高夕次」名義)としても『ショー☆バン』(秋田書店)、そして『グラゼニ』(講談社)といったヒット作を持っている。

 ここ数年はマンガ家・マンガ原作者として複数の連載を抱えている状態が続いており、多忙であろうとことは想像に難くない。過去の名作『キャプテン』第2期という、消費カロリーが高そうな連載を、高クオリティを保ちながらどこまで連載できるのか? 心配する現在連載中の『グラゼニ』や『チェイサー』のファンもいるようだ。

・賛成の声
 反対意見よりもやや少ないかな、というのがパッと見での印象だが、それなりに賛成意見も多い。ざっと拾ってみると「これは朗報!」「偉大な作品にトライしようとする姿勢は偉い」という純粋な賛成の声もあるにはあるが、「とても楽しみだけど、時代背景が心配。昭和のままがいい」「スマホをいじっている谷口は見たくないなぁ」「本当に何も足さないのなら期待」といった具合で、賛成だけど条件つきという声も目立った。

 15日発売の「グランドジャンプ」、そして公式サイトではコージィ城倉が描いた『キャプテン』の歴代主人公たち(谷口・丸井・イガラシ。4代目キャプテン・近藤の姿はなし)とともに、「新機軸は打ち出しません。コンセプトは『何も足さない。何も引かない』。ちばあきお先生が生きていたらおそらくこんなカンジで描いたのではないだろうか…というテイストを“再現”してみたい」という直筆コメントを寄せている。

 コージィ城倉は高校野球経験者であり、『キャプテン』の大ファンとしても有名で、『おれはキャプテン』(講談社)という中学野球部のキャプテンを主人公とした、『キャプテン』に影響を受けたんだろうなと思われるマンガも連載していたほど(その後、高校野球へ舞台を移し、現在はさらに大学野球部を移した『ロクダイ』(講談社)を連載中)。ファンならば、そのファンを裏切るようなマンガにはしないはず——そんな期待を、ファンは寄せているようだ。

 ちなみに「『ここよ、ここ。』『む。』」、「『クク』」など、『キャプテン』作中で登場する特徴的な心の声での会話や擬音、アニメのOP主題歌の歌詞を書き残したり、「近藤編がいいんだよなぁ」「友だちの家で読んだっけなぁ」と思い出に浸っている声が割合としては一番多かった。

 さて、ちばあきおさんは1984年に41歳という若さで亡くなられたが、その死を悼んで死後10年の94年9月に、『ちばあきおのすべて —「キャプテン」から「チャンプ」までの軌跡—』という記念本が発行されている。

 ちばあきおさんの兄、巨匠・ちばてつやが語る思い出から始まり、ちばあきおさんの自伝マンガ『がんばらなくっちゃ』、デビューマンガ『サブとチビ』(デビュー当初は主に少女マンガ誌で活躍)や、読み切りマンガ3本を再掲載。

 さらに歴代のアシスタントたち6人それぞれがつづった追悼マンガと、その6人による座談会、そして赤塚不二夫、水島新司、永井豪、本宮ひろ志、秋本治といった豪華すぎるマンガ家たちによる回想文などが収録された、ファンにとってはうれしく、そして悲しい1冊だが、その中に『その後の谷口くん』という“その後のキャプテン”を描いた32Pのマンガも掲載されている。

『その後の谷口くん』は、時代設定は本書が発行された94年前後のようで、かつての名門・墨谷二中野球部もJリーグブームで部員が減少していた。そんな折、車のセールスをする傍ら、野球部で監督を務めている丸井は、誰かに似ている新入部員を見出す。なんと彼はあの谷口キャプテンの息子で——といったストーリー。

 原作をちばあきおさんの弟で、『キャプテン』『プレイボール』の制作に携わり、『4P田中くん』(秋田書店)、『Dreams』(講談社)の原作者としても知られる七三太朗、漫画(作画)を元アシスタントで、『イレブン』の作者としても知られる高橋広が務めた、極めて“オフィシャル度”が高い1作で、さすがに雰囲気もちばあきおさんのものとかなり近い。

 続編をどうしても描くのなら、この2人に依頼しておけばよかったのでは? と、ファンならばどうしても思ってしまうが、七三太朗は1944年生まれ、高橋広は56年生まれ。年齢的に、今このタイミングでは難しいということなのかもしれない。

 コージィ城倉が描く続編は、高校3年生になった谷口が、彼の跡を継ぎ、墨谷二中でキャプテンを務めた丸井、イガラシとともに甲子園を目指すという物語になる模様。ということは、『キャプテン』と平行して「週刊少年ジャンプ」で73年から78年にかけて連載された、墨谷二中卒業後の谷口が墨谷高校野球部で奮闘する様を描いた、『プレイボール』の続編ともいえる作品になるのだろう。どんな「その後のキャプテン」を見せてくれるのか、期待してみたい。
(※言及がない作品の出版元は全て集英社)

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