テレ東番組で捕獲されたヘラザメは大地震の前兆だった?

2月16日(金)16時0分 NEWSポストセブン

希少なサメの不可解な発見が続く

写真を拡大

 今この瞬間にも、私たちの足下の地中深くでは「巨大地震」を起こすエネルギーが溜まり続けている。政府発表では、30年以内に起こる確率は最大80%。しかも最近、深海には不気味な兆候が次々に表れている──。


「倒壊して14人が亡くなったアパート兼ホテルのビルから、日本人の高齢夫婦が救出されました。夫婦は2011年3月、東京で東日本大震災を経験し、妻の出身地の台湾に移住したそうです。瓦礫の下で手を握って励まし合い、地震発生から1時間半後に救助されました。同居していた介護士は遺体で見つかったので、本当に奇跡的な救出劇でした」(現地在住ジャーナリスト)


 2月7日未明、台湾東部をマグニチュード6.4の激震が襲い、17人の死者と280人以上の負傷者が出た。海の向こうで起きた大災害は、日本とも無関係ではない。元気象庁精密地震観測室・室長の岡田正実さんが解説する。


「日本は“地震の巣”と呼ばれますが、それは日本列島が4つのプレートが重なり合う真上にあるからです。プレートというのは、地球の表面を覆う厚さ100kmほどの岩盤のこと。少しずつ動いて他のプレートとぶつかり、プレートの境界や内部で破壊(断層運動)が起きることで地震が発生します。


 台湾の地震は、ユーラシアプレートとフィリピン海プレートが接触するところで起きました。実は、台湾から北上して見ていくと、そのプレートの接触面は、日本列島の九州から東海にかけての太平洋側の海底まで続いています。それを『南海トラフ』と呼びます。


 つまり、今日本で懸念されている大規模な『南海トラフ地震』を引き起こすプレートは、台湾の地震の原因となったプレートと同じ。日本でも『南海トラフ地震』とその津波への備えを充実させる必要があります」


◆死者は最大で32万3000人


 南海トラフ地震は、駿河湾から九州沖にかけての海底にある溝(トラフ)を震源とする地震だ。海側のフィリピン海プレートが陸側のユーラシアプレート下に沈み込む時、陸側のプレートの端が巻き込まれて“歪み”が蓄積する。その“歪み”が限界に達すると、陸側のプレートの先端が元に戻ろうと一気に跳ね上がって、激しい揺れと同時に海水を一気に持ち上げるので、大きな津波が発生する。


「最大規模のマグニチュード9クラスの南海トラフ地震が発生した場合、静岡県から宮崎県にかけての一部では震度7、隣接する周辺の広い地域でも震度6強から6弱の強い揺れになることが想定されています。関東から九州地方にかけての太平洋沿岸の広範囲で10mを超える津波が襲来し、さらに最大30m級の大津波が起こる可能性も否定できません」(前出・岡田さん)


 政府の中央防災会議の有識者会議の試算によれば、死者数は最大で32万3000人、経済被害は220兆3000億円にものぼるというから、被害は想像を絶する。


 台湾地震が起きた2日後、日本政府の地震調査委員会が重大な発表を行った。南海トラフ地震が「30年以内に起こる確率」を、それまでの「70%程度」から、「70〜80%」に引き上げるとしたのだ。


「地震は、プレートの接触面の“歪み”が溜まると起こるので、“歪み”が限界まで溜まる年数を計算すれば、おおよそ発生確率がわかります。委員会が今回、発生確率を算出する時には、南海トラフ地震は、『88年』の平均間隔で起きるとして計算しました。前に起きたのが、昭和東南海・南海地震が起きた1944年〜1946年なので、もうそろそろ起こるかもしれないという時期にさしかかっているんです」(前出・岡田さん)


 地震が「いつか確実に起こる」のはわかっているが、その予知は難しいのが現状だ。だが、女性セブンは南海トラフ地震の「ある予兆」をキャッチした。


◆サメの電気感度は人間の10万倍以上


 今回の台湾地震発生の約1か月前、台湾ではあるニュースが話題を呼んでいた。「ワニグチツノザメ」という深海に生息する小型のサメが5匹、台湾の沖合で発見されたという。このサメはごく稀にしか見られないため、生態はほぼ不明。超希少な深海ザメだ。


 実は、このワニグチツノザメ、2016年4月、熊本地震が発生する1か月半ほど前に、日本の静岡・沼津でも捕獲されていた。


 もちろんサメと地震の因果関係は立証されていないし、今のところ地震学でも研究対象外だ。だが、海洋地震学が専門の武蔵野学院大学特任教授・島村英紀さんは「サメと地震が関係している可能性はある」と話す。



「サメの頭部にはロレンチーニ器官という小さな穴がたくさんあり、電気センサーの役割を果たしています。サメの電気の感度は人間の10万倍以上ともいわれていて、地震前の地殻変動で生じる、海底下に流れる電流なども敏感に察知することができる。サメが普段は見られないような場所に現れたのは、地殻になんらかの変動を感知したからだとも考えられるのです」(島村さん)


 希少なサメの不可解な発見は続いている。昨年5月末、南海トラフに近い三重県尾鷲市の沖合では、メガマウスという巨大なサメが捕獲された。


「メガマウスは体長5mもあり、頭部と口が異様に大きいのが特徴。世界で120匹、日本でも20匹ほどしか発見例がなく“幻のサメ”と呼ばれています。メガマウスは東日本大震災の約2か月前に捕獲されていたことも知られています」(全国紙科学部記者)


 さらに、ほとんどの人は意識していなかっただろうが、地震の“前兆”を、実は多くの視聴者が目撃していた。1月28日に放送されたバラエティー番組『東京湾大調査!お魚ぜんぶ獲ってみた2』(テレビ東京)のロケで、これまで東京湾では見られなかったヘラザメが初めて捕獲されたシーンだ。


 ヘラザメは水深800〜1400mの深海に生息するサメで、日大の研究チームが東京湾で2005年から3年間にわたって行った57回の調査でも、一度も確認されていなかったという。


 海洋生物の専門家は「海流や温暖化の影響も考えられる」としているが、前出・島村さんはこう指摘する。


「地殻変動による微弱な電流を感じて上がってきたのか、あるいは餌がなくなったからなのか。東京湾の深いところで何が起きたのかはわからない。しかし今後の地震の前兆である可能性は否定できません」



 東京湾といえば、首都圏の目の前だ。南海トラフ地震とは別モノだが、首都圏を直撃する「首都直下地震」も、30年以内に発生する確率は70%とされている。


「直下型地震は、陸側のプレート内部の歪みが大きくなり、プレート内部の弱い部分で破壊が起こることで発生します。南海トラフ地震のような海溝型地震に比べて規模は小さいものの、震源が浅いので局地的に激震が起こる。都心でマグニチュード7級の地震が起きた場合、死者は最大2万3000人、経済被害は95兆3000億円にのぼると想定されています」(前出・岡田さん)


「珍しいサメが見つかった」と喜んでいる場合ではなさそうだ。


※女性セブン2018年3月1日号

NEWSポストセブン

「地震」をもっと詳しく

「地震」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ