「山田孝之のカンヌ映画祭」6話神展開。河瀬直美にめっちゃ叱られてからの「私とやる?」

2月17日(金)10時0分 エキサイトレビュー

山田孝之たち、映画監督・河瀬直美に叱られまくるの回

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「カンヌとかどうでもいいんじゃない?」
映画監督・河瀬直美、山田孝之をバッサリ。
よかった。
彼の暴走にやっとストップがかかった。
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ワナビーの勘違い


山田孝之がカンヌ映画祭でパルムドールになるために映画を撮る……というコンセプトのドキュメンタリードラマ『山田孝之のカンヌ映画祭』。
テレビ東京系で金曜深夜0時52分放映。テレビ東京オンデマンドでも見られる。
どこまでフィクションか不明。山田孝之らが映画に関わる人の話を聞き、試行錯誤する。

山田孝之が作ろうとしているのは、猟奇殺人犯エド・ケンパーを芦田愛菜(撮影時・小学生)が演じる映画。
カッコよさげなパイロットフィルムを撮り、脚本がないまま出資者を探し、カンヌに下見。
ふわっふわに浮ついている山田孝之。
監督の山下敦弘まですっかり乗り気だ。
制作する会社名は「合同会社カンヌ」。タイトルロゴはフランス語。出資者はガールズバー社長。

カンヌを下見に行った彼は、映画関係者にパイロットフィルムを見せて回る。
ロカルノ国際映画祭に関わるオレリー・ゴデは「カンヌでは多くの作品が出品されている上に、お祭り騒ぎの熱狂に飲み込まれやすく、良作が埋もれてしまう恐れがあります」と言う。
なんだか、山田の映画が埋もれちゃうかもね、というように聞こえる。

プロデューサーのヴァンサン・ワンは「結局いい監督というのは、自分の企画を信じ続けられる人です。その企画が実現するかしないかは関係ありません」と言う。
信じて突き進んでいる山田孝之っていいんじゃないの、と励ましてくれいるかのよう。

『やさしい人』の監督ギョーム・ブラックは「最も大事なのは、撮りたい場所を一つと、撮りたい俳優を一人見つけることです」という。
芦田愛菜という才能を見つけているのだから、こりゃいけるんじゃね?という気持ちになる。

山田孝之も山下敦弘も、背中を押してもらったかのような顔。

違う。
帰国後、河瀬直美が彼のやり方を叱責したことで、全部ひっくり返される。
「お祭り騒ぎの熱狂」に飲み込まれているのは、山田孝之のことだ。
「自分の企画を信じる」というのは作品への信念であって、山田孝之のようなカンヌ映画祭への思いじゃない。
「撮りたい俳優」としての芦田愛菜。山田孝之は「意表をつくアイテム」として扱っているだけだ。

ミーハーワナビープロデューサー、山田孝之。
本当は誰にも認められていなかった。

河瀬直美のメッタ斬り


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河瀬直美はカンヌと非常に関わりの深い監督。2007年には『殯の森』がグランプリ受賞。2009年には「金の馬車賞」を受賞。その他コンペティション部門の審査員なども行っている。
浮かれ気分で「I Love CANNES」Tシャツを三人で着て、カンヌみやげを河瀬直美に渡す山田。
やめて、恥ずかしい、つらい。

河瀬直美は、『穢の森』を作ろうとする山田孝之に、矢継ぎ早に問う。
「どこが出資するの?」
「そもそもなんで俳優なのに映画のプロデュースしようとしてるの?」
「カンヌとか目指さなくていいんじゃない?」
「(タイトルに)『森』とかなんかつけたら、賞とれると思ってるんちゃうやろな?」
「何かのためにじゃなくて自分の魂のために、みたいのはないの?」

面接官と大卒生状態。しどろもどろになり、目が泳ぐ山田孝之。
河瀬直美は、俳優としての芦田愛菜に対しても厳しい。

「一つの道具みたいに使われちゃったりしない? 大丈夫? お母さん殺すとか大丈夫? 自分にお母さんいるやろ、お母さん殺すんだよ?」

芦田愛菜は今回の役を引き受けた理由として「必要としてくださっていて」「ついていきたいと思ったので」と言う。
しかし役へのコメントが何一つ出てこない。指摘に対して言葉が出なくなる。
脚本がないから当たり前だ。

河瀬直美は小手先の技術に騙されない。
「ギャーって叫んだら表現できるってわけじゃないよ?」

3話で叫ぶよう提案したのは、小学生の芦田愛菜本人。
ランドセルをずっと背負っていたり、「一億円よろしくお願いします!」と笑顔で言っていた、このドラマのフィクションパート担当の女の子は、河瀬直美の前にはいない。
俳優・芦田愛菜として、現実が突きつけられる。

叱られるカタルシス


「映画祭で賞をもらったかどうかでその作品の価値が決まるものではありません。監督というのは信念の職業で、まず自分を信じなければならない」
ヴァンサン・ワンの言葉は、山田孝之の今にどんぴしゃだ。

山田孝之と山下敦弘の映画作りは「人の評価のための映画」、媚びた映画だ、と露見した。
河瀬直美も「中身の部分での魂の込め方が、何かのためにみたいのがすごい見える」と嫌悪感を示す。

このドキュメンタリードラマに求められていたのは「山田孝之が叱られること」だ。
彼のやり方はあまりにも夢見がち。
彼の行動を見ていると、こちらの黒歴史が蘇ってきて、ものすごくむずがゆい。
彼の絵空事を6話まで持ち上げまくったところで、河瀬直美が全部切り捨てた。
厳しいシーンなのに、ものすごいカタルシスがある。

山田孝之、引き抜きされる


河瀬「山田くんならカンヌの俳優賞、あなたなら取れる。私とやれば。…やる?」

最後の最後で、自分の映画でカンヌで賞を取らないかと河瀬直美に誘われる。
「自分が作りたいというものを作った先にそれがついてきた。どうやったら賞取れるとかは正直何も言われへんねんね」と言っていた彼女。
おそらく、山田孝之を起用して撮りたい映画が、何かしらあるのだろう。
カンヌ俳優賞の話は単なるエサのようにすら見える。

もし河瀬直美が監督で、山田孝之が主演だったら、ちょっとすごい映画ができそうだ。
この時の山田孝之の驚き方が、あまりにもリアル。
『山田孝之の東京都北区赤羽』の時もそうだったが、これが本当なのか演技なのかさっぱりわからない。ひやっとする。

7話、予告で落ち込む山田孝之。
どう「覚醒」するのか楽しみです。
(たまごまご)

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