BIGLOBEトップBIGLOBEニュース

指揮者・佐渡裕氏「楽譜を読み込んでいればオケは心を開く」

NEWSポストセブン2月17日(金)16時0分
画像:年間約100回のコンサートをこなす佐渡裕
写真を拡大
年間約100回のコンサートをこなす佐渡裕

「今日と明日のコンサートのプログラムは違うし、来週からイタリアへ行ってまた違う曲をやる。その次の週もまた違う曲だから、勉強しなきゃならない。2年先のオペラの会議も始まっていて、その譜面も開かなきゃいけない。次から次へとどんなプログラムにするかを考え、いくつもの企画を並行して進めていく感じですね」


 こう語るのは年間約100回のコンサートをこなす世界的指揮者・佐渡裕(55)。異なるオーケストラ、異なる言語、異なる楽曲。譜面を読み込み、思いを伝え、100人からの楽団員を一つにまとめあげていく作業は並大抵ではない。1回1回の演奏が緊張の連続だ。しかし、佐渡は、そんな緊張感もまた嫌いではないのだという。


「本番前に緊張できるのは、すごく幸せなことだと思うんです。知らない世界に行くからこそ不安になり、緊張が襲ってくる。それを楽しんでやろうと腹をくくって乗り越えたとき、あ、俺、できたとなって、また次に違うことに挑戦してやろうと思える。そのプレッシャーに負けて折れてしまう人はいます。そこはスポーツの世界とも共通しているんじゃないでしょうか」


 小澤征爾、故レナード・バーンスタインの両巨匠から薫陶を受けた佐渡は、1989年、「ブザンソン国際指揮者コンクール」に優勝後、ヨーロッパの楽団で腕を磨いていく。


「片言の英語とフランス語、ドイツ語、イタリア語で30間年やってきた。音楽の現場ではもう慣れたけれど、一番嫌なのは、演奏会あとのパーティでの挨拶。みんな『マエストロ、素晴らしい演奏会をありがとう』という気持ちで迎えてくれているわけで、そこで『ダンケシェーン』だけで終えるわけにはいかない(笑い)。いまでも一番プレッシャーを感じる場面ですね」


 指揮者に欠かせないのは、作曲家の意図を汲み楽曲を理解するため、徹底的に楽譜を読み込む作業だ。そのために膨大な勉強時間を割く。それは、どんなに経験を重ねようと変わらない。


「ああ、こいつは楽譜を読み込んでいるなとオーケストラが感じてくれれば、彼らは僕に心を開いてくれる。だから、勉強不足で行くことは一番まずい。一つの曲から音楽の喜びみたいなものが見つかっていない状態で指揮台に立つのは、すごく恥ずかしいことなんです。


 いままでその喜びが見つかってきたから評価を受けたし、佐渡裕というブランドのスタンプを押せてきたんだと思う。でも、うまくいかなかったコンサートというのも自分の中でありますよ。オーケストラと指揮者は生身のものなので。まあ、打率としては高いほうなのかもしれませんけど」


【プロフィール】さど・ゆたか/1961年生まれ。京都府出身。京都市立芸術大学卒業。故レナード・バーンスタイン、小澤征爾に師事。1989年にブザンソン国際指揮者コンクールで優勝し、プロデビュー。パリ管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団など欧州の名門楽団に多数客演を重ねる。2015年オーストリアで108年の歴史を持つトーンキュンストラー管弦楽団音楽監督に就任。国内では兵庫県立芸術文化センター芸術監督、シエナ・ウインド・オーケストラの首席指揮者を務める。昨年には絵本『はじめてのオーケストラ』(絵/はたこうしろう・1500円+税・小学館)の原作にも挑戦した。


 今後の国内公演は、4/14〜29東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団ツアー(秋田、北上等12公演)、7/14〜23オペラ「フィガロの結婚」(兵庫県立芸術文化センター)、10/21〜29ケルン放送交響楽団「運命」「未完成」ツアー(兵庫、大阪、京都、名古屋、東京等8公演)。詳細は佐渡裕オフィシャルファンサイトhttp://yutaka-sado.meetsfan.jp/


撮影■初沢亜利 取材・文■一志治夫(文中敬称略)


※週刊ポスト2017年2月24日号

NEWSポストセブン

はてなブックマークに保存

NEWSポストセブン

最新トピックス

芸能トピックス

芸能写真ニュース

旬なニュースを配信中 フォローしてね!

注目ワード

話題の投稿画像

「指揮者」「佐渡裕」「コンサート」「イタリア」の関連トピックス

「指揮者・佐渡裕氏「楽譜を読み込んでいればオケは心を開く」」の関連ニュース

注目ニュース
鈴木明子を「ごとき」呼ばわり 羽生結弦評になぜ激怒 J-CASTニュース4月27日(木)20時41分
元フィギュアスケート選手の鈴木明子氏(32)が羽生結弦(22)について語ったところ、ツイッター上の一部ユーザーが鈴木氏を「鈴木明子ごときの…[ 記事全文 ]
神田沙也加の夫の正体は広末涼子の元彼MITSUU!年収は2000万円超!? アサ芸プラス4月27日(木)17時59分
4月26日、結婚の予定が報じられた神田沙也加と村田充。神田正輝、松田聖子の娘としてデビュー当時から注目を浴びてきた神田だが、近年はアニメ映…[ 記事全文 ]
中居正広、結婚式には「メンバー」呼ぶ 「キムタクも?」と不審がる声 J-CASTニュース4月27日(木)15時36分
元SMAPの中居正広さん(44)が、2017年4月26日放送のバラエティ特番「中居正広の神センス☆塩センスあの時どうすりゃよかったの!?」…[ 記事全文 ]
安藤美姫、小塚パパとの「ハート写真」がヒンシュク 「こういうKYなところが嫌われる」 J-CASTニュース4月27日(木)12時20分
プロフィギュアスケーターの安藤美姫さん(29)がインスタグラムに投稿した、元フィギュアスケーター選手の小塚崇彦さん(28)とのツーショット…[ 記事全文 ]
志尊淳、叔父が実はあの人だった ジャニーズとの繋がりにファン騒然 モデルプレス4月27日(木)21時41分
【志尊淳/モデルプレス=4月27日】俳優の志尊淳が、27日に放送された、フジテレビ系バラエティ番組『VS嵐』(毎週木曜よる19時)にゲスト…[ 記事全文 ]
アクセスランキング
1 「嫌いなジャニーズ2017年」キムタク以外、TOP5の順位が激変!週刊女性PRIME4月26日(水)18時0分
2 工藤静香の“パパ似”長女 入学2週間で名門高校のアイドルに女性自身4月26日(水)6時0分
3 山下智久、32才の誕生日に石原さとみと原宿デートNEWSポストセブン4月27日(木)7時0分
4 安藤美姫、小塚パパとの「ハート写真」がヒンシュク 「こういうKYなところが嫌われる」J-CASTニュース4月27日(木)12時20分
5 鈴木明子を「ごとき」呼ばわり 羽生結弦評になぜ激怒J-CASTニュース4月27日(木)20時41分
6 嵐・相葉雅紀が「貴族探偵」の演技に苦悩!批判殺到で“織田裕二路線”へ変更!?アサ芸プラス4月26日(水)14時50分
7 小島慶子がマツコ&有吉の「久保田直子アナいじめ」を猛批判するも逆効果?アサ芸プラス4月27日(木)12時45分
8 坂上忍、今村元復興相に怒りあらわ!あっち発言に「言えないよ普通!」RBB TODAY4月26日(水)16時41分
9 鈴木亜美、“子連れ居酒屋”で強引なママタレ売りに批判の声! 「また顔変わった?」と指摘する声もおたぽる4月27日(木)12時0分
10 62才・山辺節子容疑者 なぜ、欲望が旺盛になるのかNEWSポストセブン4月27日(木)7時0分

本サイトのニュースの見出しおよび記事内容、およびリンク先の記事内容は、各記事提供社からの情報に基づくものでビッグローブの見解を表すものではありません。

ビッグローブは、本サイトの記事を含む内容についてその正確性を含め一切保証するものではありません。本サイトのデータおよび記載内容のご利用は、全てお客様の責任において行ってください。

ビッグローブは、本サイトの記事を含む内容によってお客様やその他の第三者に生じた損害その他不利益については一切責任を負いません。

データ提供元:アニメキャラクター事典「キャラペディア