呪い代行業者に多数の依頼 藁人形・五寸釘セットも販売

2月18日(土)7時0分 NEWSポストセブン

「わら人形セット」は1万円で購入が可能

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“呪いのわら人形男、逮捕”、そんな見出しが新聞に躍ったのは寒さ厳しい1月下旬のこと。あまりに古風な事件の概要をまとめるとこうだ。


 1月25日、群馬県で「好意を持っていた女性をわら人形で脅した」として無職の男(51才)が脅迫容疑で逮捕された。


 男は女性が経営するゲームセンター駐車場に、赤い塗料で女性の名前を書き込んだわら人形1体を置いた。署によると、わら人形は頭から足までの長さが約19cm、両手を広げた長さが約11cm。針金に麻ひもを巻きつけて作られており、頭、両手、両足がある大の字形で、腹部に2寸(約6cm)釘が背中まで打ち込まれていた——


 もともとゲームセンターの常連客だった男からのプレゼントを女性が受け取らなかったことから、男の様子がおかしくなり、“犯行”に至ったという。この現代社会でわら人形って…そう一笑に付そうとしたあなた、日本古来のウラ伝統文化・わら人形を侮るなかれ——

    

「1月に80〜100件。これが、現在の販売と呪い代行を合わせた受付件数です」


 そう明かすのは、わら人形の販売や、丑の刻参りの代行をする「日本呪術協会」の如月純一郎さんだ。


 利用者は女性7割、男性3割と女性が圧倒的。わら人形1体に加え、五寸釘や金槌、白い手袋などがついた『わら人形セット』、1万円(税込)を購入してみたが、思っていた以上に本格的。


 さらに全国の呪術師がお寺などに出向いて丑の刻参りを行う『呪い代行』は4日間で2万円、14日間だと5万円になる。受け付けはフリーダイヤルで24時間、年中無休。もちろんメールも可能だ。


 日本呪術協会がわら人形の販売を始めたのは約50年前。


「その頃は電話や、占い雑誌に書いてある情報を頼って、みなさん購入してくださいました。今はメール1本ですむから、便利ですよね。でも簡単になった分、自分を表現すること、相手に受け入れてもらうことに努力する手間を厭う人が多くなりました。



 それこそ、今回の事件じゃないけれど、変な方向に走っちゃう人がいる。もうちょっと時期を見てまたアタックするとか、自分の何がいけなかったのか考えてからもう1回という工夫がないんです。振られたら呪う。振られたら、地獄に落ちろ。単純なんです」(如月さん)


 いずれにしても薄気味悪いことこの上ないが、実は「呪い」にはまったく異なる意味もある。


「そもそも『呪い』とは、占いのこと。神社や寺に祀られていない名もなき多くの神に祈願し、願いを成就させるためのものです。人の不幸を願うような悪い『呪い』だけでなく、恋愛成就や仕事の成功祈願など、良い『呪い』もあります。昨年4月に“今年中に結婚したい”と依頼してきた女性は、昨年中に結婚して子供も授かりました」


 また、わら人形を「守り神」としてまつり上げる文化が残っている地域もある。


 例えば、岩手県西和賀町の「白木野人形送り」は、巨大なわら人形を先頭に地域を歩き、地域境の木に人形を結びつける厄払いのお祭りだ。地元で長年祭りに携わる高橋美通さんに「呪いのわら人形との関係は?」と聞くと、「呪って逮捕された事件とは関係ねえ、全然関係ねえですよ」ときっぱり。


「岩手のあれはよ、厄病祭りというんだよな。でもほれ、人形送りともいうよ。厄病が村の外から来ないようにと、集落を守ってもらう。呪いではなくお願いする、厄病疫病が来ないようにと見守ってもらうんだから」


※女性セブン2017年3月2日号

NEWSポストセブン

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