古き良き時代の“最後のアナウンサー”テレ朝・大下容子アナ

2月18日(土)7時0分 NEWSポストセブン

大下アナ出演中の『ワイド!スクランブル』(公式HPより)

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 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、テレ朝・大下アナの実力を徹底検証。


 * * *

「宮嶋さんが定年で退社したから、2年前から、大下さんが最年長なんですよ」とテレビ朝日の番組関係者から言われて本当に驚いた。


 宮嶋さんとは、スポーツに強い女性アナウンサーとして在京局でもトップクラスだった宮嶋泰子アナウンサーのこと。大下さんとは、平日昼間は『ワイド!スクランブル』、土曜日は『SmaSTATION!!』でMCを務めている大下容子アナウンサーである。


 大下アナの同期は、現在、視聴率が絶好調な『グッド!モーニング』のMC、坪井直樹アナと、同番組でスポーツコーナーを担当し、フィギュアスケートの実況などにも定評がある角澤照治アナ、そして、あの丸川珠代氏。


同局の同期ということで言えば、古館伊知郎、渡辺宜嗣、佐々木正洋、南美希子、件の宮嶋泰子さんらキャラの強いアナウンサーが9人も居た「花の77年組」には敵わないが、大下アナら「93年組」も実に華やか。丸川大臣含め、全員が働き盛りの現役だ。


 なかでも大下容子アナは、週の内、6日も生放送でメインを張っている、在京キー局の女性アナウンサーの中で、もっとも売れっ子と言っていい。


 そのアナウンス能力の確かさと人柄の良さは、スタッフはもちろん、視聴者にも大人気。


 昨年、SMAPにまつわるさまざまな報道がされたときには、大下アナは、局アナという立場をわきまえながらも、かなりの回数、コメントをした。


 特に、2002年から15年も『SmaSTATION!!』で共演してきた香取慎吾が、まるで“戦犯”であるかのようにスポーツ紙や週刊誌に報道された際、大下アナはキッパリと否定にまわった。それは、長年もっとも近くで香取を見てきた大下アナだからこその説得力があり、多くのファンがTwitterなどで感謝の想いを呟いていたものだ。



 SMAPファンが『世界に一つだけの花』を再び購買する“花摘み運動”を始め、一致団結して、さまざまな活動をしていた際も、「SMAPとファンの皆さんは合わせ鏡のよう。素敵な方たちには、素敵なファンの方たちがついていらっしゃる」と、短いながらも愛情たっぷりなコメントをし、またファンを喜ばせたものだ。


 が、基本的には、局アナであるという立場をもっともわきまえているアナウンサーと言っていい。それは、かつてのパートナーだった大和田獏に対しても、現在の橋本大二郎氏に対しても同じ。途中、同局の寺崎貴司アナがその席に座っていたときも同様だった。


 男性司会者をたて、コーナーを仕切るアナウンサーを盛り立て、コメンテーターの話を聞くときには、必ず、その人の顔をしっかり見ながら静かに頷いている大下アナ。


 同番組ではもっともキャリアが長いのだから、特に後輩アナらに対しては、冗談を言ってみたり、ちょっと、あげ足をとってみたりしても誰も大下アナを悪くは言わないと思う。でも大下アナは、絶対にそういうことをやらないのである。


「大下さんは、常に視聴者のことを考えている人」と、同番組のスタッフが言う。番組を見ていると、それがよくわかる。


 たとえば、知名度の低い後輩アナウンサーが出てきたとしよう。大下アナは、そのアナウンサーをフルネームで呼び、「○○○○アナウンサーの△△△△」と、コーナー振りをするのである。正式コーナータイトルに、そのアナウンサーの名前が入っていなくても、大下さんがそう言って紹介していた理由は、「視聴者の方が、『この人は誰だろう?』と思わないように」だった。


 現在、昼間の生番組は、日本テレビ系が『ヒルナンデス!』、TBS系が『ひるおび』、フジテレビ系が『バイキング』、そしてテレビ朝日系が『ワイド!スクランブル』で、視聴率では『ひるおび』がトップになって久しい。


 世代別で言うと、『ヒルナンデス!』はF1層(20才〜34才の女性)、『ひるおび』がF2層(35才〜49才の女性)に強く、『バイキング』と『ワイド!スクランブル』で、もっとも人数が多いF3層(50才以上の女性)を分け合っているような状態が続いている。



 だが、男性もそうだが、50才以上を“ひとくくり”にしてもいいのか…というのは、近年、マーケティング関係者が指摘している点。いまは、65才以上をF、M(男性)共に「4層」としており、90才以上まで、5層、6層というように分けている調査も少なくない。


 あの『徹子の部屋』が枠内にあり、4月からは石坂浩二と浅丘ルリ子“元夫婦”が31年ぶりに共演することでも話題の帯ドラマ『やすらぎの郷』も始まるテレビ朝日の昼枠。脚本は倉本聰氏で、共演は有馬稲子、野際陽子、加賀まりこ、五月みどり、そして八千草薫のベテラン女優たちだ。つまり、テレビ朝日は、『バイキング』とは棲み分けし、新F3層よりも、F4層やF5層を狙っているとも言えよう。


 そういう環境の中で、大下容子アナはさらに輝くのではないだろうか。


 実は現在、コメンテーターの女性たちの多くが大下容子アナより年下。一方、男性コメンテーターは大下アナより年上で、橋本大二郎氏に至っては父親とも言っていい年齢だ。


 もちろん、アナウンサー陣はみな後輩。制作陣にも年下が増えたに違いない。


 そうした“ワイスク・ファミリー”を地に足をつけながらまとめ、出過ぎず、目立ち過ぎず、しかし、華やかな衣装に身を包み、女性アナウンサーらしく華もあるのが大下アナ。


 もちろん、“裏まわし”もお手の物だし、瞬時に視聴者の立場でニーズや疑問をはかり、絶妙のタイミングで軌道修正していく、MCの達人である。


 他局の最年長女性アナウンサーに比べると、年齢が若い分、キャラクターは薄いかもしれないが、しっかり訓練された古き良き時代の“最後のアナウンサー”と言ってもいい大下容子アナ。昨年発表された「第13回 好きな女子アナランキング」では、8位の竹内由恵アナに次いで、テレビ朝日では2位にあたる9位に「初登場」でランクインしている。


 テレビ朝日としても、もっとも大切にしなければいけない女性アナウンサーの一人に違いない。『ワイド!スクランブル』も『SmaSTATION!!』も大下容子アナで来年度以降も続けてほしい。

NEWSポストセブン

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