芸能人の信仰 憲法で保障されるも何が契約違反になるのか

2月21日(火)11時0分 NEWSポストセブン

違約金が発生する可能性も(清水富美加)

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 女優・清水富美加(22)が幸福の科学へ「出家する」と公にして以来、騒動がおさまる気配が見えない。幸福の科学の会見によれば、命に関わる病状のため仕事は続けられないといい、事務所も関係者も本人と直接の連絡はとれないままだ。


 今回の騒動発覚後、清水はMCを務めてきたNHK『シブヤノオト』(日曜午後5時台)などの番組から姿を消した。広告代理店関係者がいう。


「彼女が出演する撮影済み、撮影中の映画は3本もある。膨大な撮影費用をかけてきたのに、すべて公開できなくなるかもしれない。CM契約をしていた『コスモ石油』と『ニベア花王』も、契約期間が3月末まで残っているが、今後、清水の映像を流すことはないでしょう。違約金が発生する可能性もある」


 そうした違約金の話題が当然のように報道される一方、1992年に統一教会(世界基督教と統一神霊教会、2015年から「世界平和統一過程連合」に改称)の「合同結婚式」に参加し、翌年に脱会した元新体操選手の山崎浩子(57)の著書『愛が偽りに終わるとき』(1994年刊)にもあるように「信仰は本人の自由」であり、憲法で保障されている。


「出家」によって完成できなくなった撮影中のものはまだしも、清水の騒動が撮影済みの映画の公開やCMを流すことにどう影響するのか、何が契約違反になり得るのかは、釈然としないところがある。


 大手広告代理店・博報堂に勤務した経験を持つネットニュース編集者・中川淳一郎氏はこう解説する。


「スポンサーが気にするのはあくまで世間からのイメージなんです。そのタレントが出演するCMが流れた時に、視聴者から“あれは××教の信者だろ。なぜあんな宗教の宣伝に協力するんだ”といったクレームがくるのを極度に嫌がる。そうした電話が5件あっただけでも、広告代理店の担当者はスポンサー企業に呼び出しを食らう世界です」


 顧客イメージを気にするスポンサー企業が、特定の宗教団体の宣伝活動に肩入れしている印象を嫌がる心理はわかる。ただ、それがなぜ違約金という議論にまで発展するのか。芸能関係の契約書作成業務に詳しい藤枝法務事務所の藤枝秀幸行政書士はこういう。


「映像作品の出演契約では、出演者と反社会的勢力との交流などを制限する条項はあっても、宗教絡みの騒動での賠償を定める項目が明記されるケースはまずありません。ただし、『スポンサーの品位や名誉を損なう恐れがある場合は、契約を解除する』といった条項はよく見られ、今回の清水さんのような騒動では、そこに当てはまるかが契約を結んだ両者で協議されると考えられます」


 不測の事態のために解釈の幅の広い文言が契約書に入っていることが少なくないという。


 一方で、スポンサー企業の懸念とは別に、信者である芸能人がどこまで宗教団体の「広告塔」として機能するかは議論が分かれるところだ。宗教学者の島田裕巳氏は懐疑的だ。


「宗教団体が有名人を広告塔にしようとして成功した例はほとんどありません。芸能人がいることを理由に新たに入信する人は、ごく稀です。


 むしろ、有名人信者の存在は、教団内部の人たちの結束を強める効果を期待されることのほうが多い。ある教団では『テレビに出ている信者の××さんを応援しよう』と指導者が信者に呼びかけていた。それが組織の強化につながる。創価学会芸術部の存在も、教団にとってはむしろ内向きの目的のほうが大きいと考えられます」


※週刊ポスト2017年3月3日号

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