NHKが視聴率「実質三冠王」 五輪効果で王者・日テレ上回る

2月21日(水)7時0分 NEWSポストセブン

メダル効果に渋谷も沸いた(時事通信フォト)

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 2014年以来4年連続で年間世帯視聴率三冠王を獲得し、2018年になってからの週間視聴率でも、一度もその座を他局に譲らない日本テレビ。圧倒的な強さが目立つが、2月9日の平昌五輪開幕以後、実際にはNHKが週間視聴率三冠王をしのぐ数字を記録している。


「2016年リオデジャネイロオリンピックのときからの傾向なのですが、五輪が始まるとNHKが底力を発揮します。平昌オリンピックが始まってからは、とくに強くて、本当の三冠王はNHKだねと囁かれているほどです」(民放キー局関係者)


 全日(6時〜24時)、プライムタイム(19時〜23時)、ゴールデンタイム(19時〜22時)の世帯平均視聴率を比較し、この3つの時間帯すべてで1位をとると、そのテレビ局は視聴率三冠王を獲得したと言われる。2月5日(月)の週は7.9(全日)、11.0(プライム)、11.5(ゴールデン)、翌週は7.7(全日)、11.3(プライム)、12.1(ゴールデン)を記録した日本テレビが連続して週間視聴率三冠王を獲得した。ところが、NHKは5日(月)からの週で7.9(全日)、13.4(プライム)、14.7(ゴールデン)、翌週には9.3(全日)、14.0(プライム)、14.6(ゴールデン)を記録して上回っている。


 視聴率を比較する場合、公共放送であるNHKをのぞく民放各局で競うのが通例のため、NHKは決して三冠王とは呼ばれない。そのため、日本テレビの連続週間視聴率三冠王記録が現在も続いている。


 NHKの高視聴率を後押ししているのは、間違いなくオリンピック中継だ。ゴールデンタイムでは連日、二桁を記録し、スキージャンプ女子で高梨沙羅が銅メダルを獲得した12日(月)は、生中継ではなくダイジェスト映像をまとめた『デイリーハイライト』(23時20分〜)で24.8%。圧巻は17日(土)のフィギュアスケート男子シングルフリー中継で、平均視聴率33.9%、瞬間最高で46.0%を記録した。


「民放にとって視聴率は業績に繋がるので死活問題。だからNHKが強すぎる数字を出し続けると、民業圧迫じゃないの? という気持ちもあります。でも、オリンピックのようにお金も人手も大量に必要なイベントの放送は、NHKじゃないとカバーしきれない。オリンピックの中継と重なっても、なんとか踏ん張って数字をとっている通常番組もあるので堪えどころです」(同前)


 たとえば、2月9日(金)にNHKが放送した開会式は、19時30分からの第一部が20.8%、19.55分から22時30分の第二部が28.5%だったが、時間帯が重なるTBSの『爆報!THEフライデー』は12.0%だった。18日(日)にスピードスケート女子500メートルで小平奈緒が金メダルを獲得した中継はTBSだったが(21.4%)、『世界の果てまでイッテQ』は19.2%と健闘している。オリンピック中継だからといって、その他の番組が一方的な負け方をしているわけではない。


 とはいえNHKはオリンピック中継の分量がとても多い。それは、あらゆる面で大きな負担をしていることの裏返しでもある。


 オリンピック中継は国際オリンピック委員会(IOC)に放送権料を支払うことで可能になる。アメリカはNBCが2014年ソチから2032年夏季まで10大会ぶんに120億ドル(約1兆3000億円)という破格の金額を支払い、独占放送している。日本の場合は、NHKと民放によって結成されたジャパンコンソーシアム(JC)がIOCと契約する形をとるため、各局が持ち回りで中継をしている。JCは現在開催中の平昌と2020年東京で660億円を支払う契約だ。この放送権料は、各局が均等に負担しているわけではない。


「大ざっぱにいうとNHKが約半分、残りを民放各局が資本力に応じて負担しています。オリンピックの国際放送センターにあるスタジオの雰囲気が局ごとにかなり違うのは、負担額によって使用できる広さが変わるからです。中継機材やスタッフについてもNHKが半数かそれ以上の負担をしています。どの競技を放送するかは、各局の希望をとり、重なると抽選で決まります。とはいえNHKはマイナー競技でもBSなど多チャンネルを駆使してカバーしているし、CMがなくて編成を変更しやすいから途中で途切れない。視聴者も安心して見るんでしょうね」(五輪担当記者)


 普段のNHKが、視聴率で目立った存在になることはあまりない。視聴率が話題になる番組も、朝の連続テレビ小説や大河ドラマ、大晦日の紅白歌合戦くらいだ。実際、オリンピック開幕前のNHKは全日が5.9%、プライムで9.7%、ゴールデンは11.1%で、それぞれ民放5局と比較して4位、4位、2位という地味な順位だ。それがなぜ、オリンピック中継が増えたとたん、これほどの強さを見せるのか。


「時差がない韓国での開催で、生中継が見やすい。それになにより、2020年に東京オリンピックがあるから、日本の皆さんのオリンピックそのものへの関心が高まり、ふだんテレビを見ない人も中継を見ていることが数字に表れているのでしょう」(前出の五輪担当記者)


 2020年東京オリンピックには、今回以上の関心の高まりが予想される。そのとき、NHKはさらに強さを発揮するのか、民放が大胆な勝負に出ることで構図に変化が訪れるのか。

NEWSポストセブン

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