藤井棋王「1日も早い復興を」金沢対局前夜祭で 22日に増田八段と第2局 解説・村山八段は矢倉を予想
2025年2月21日(金)20時54分 スポーツニッポン
将棋の藤井聡太棋王(22)=王将など7冠=が増田康宏八段(27)を挑戦者に迎える第50期棋王戦第2局は21日、金沢市の北國新聞会館で対局場検分を行った。その後、地元ファンらとの前夜祭に出席した。ここまで藤井の1勝0敗で、藤井が勝てば3連覇へ王手、増田が勝てばタイとなる。
前夜祭でのあいさつ。「第1局を指して増田八段の強さ、自分自身の課題が見えた」。藤井は第1局で持ち時間4時間の半分、2時間3分を使った55手目時点で増田はわずか8分。時間消費に改めて課題を感じたという。その上で「集中してよりよい内容にしたい」と意気込みを語った。
また、対局で使用される駒は昨年に引き続き、能登半島地震で妻を亡くした珠洲市の塩井一仁さんから提供された。
「能登半島地震から1年経った今でも復興は道半ばだと思う。その後、豪雨災害もあって大変な思いをされている方も多くいると思う。1日も早い復興を願っています。そういった中で棋王戦第2局を開催してもらった石川の方に応えられるよう、明日の対局を頑張りたい」と藤井は2年連続の支援に感謝した。
初のタイトル戦となった増田は第1局を振り返り「序盤は想定した展開にできた。中終盤、難しいところでミスが出て差を感じた。修正して勝って奪取できれば」。先手となる第2局での巻き返しを誓った。
その後、立会人の青野照市九段(72)と解説の村山慈明八段(40)が登壇し、第2局を展望。「序盤は村山に聞け」のキャッチフレーズがある戦略家は、戦型予想を「矢倉」とした。
先手で戦型選択しやすい増田を「若手では珍しい力戦派。早い段階から力勝負に出るのでは?」と指摘。早い段階から前例を離れたねじり合いを想定して「(増田は)自分のペースで自信のある形をぶつけられる」。奨励会入会前に通った東京・八王子将棋クラブの後輩でもある増田の指し回しに注目した。対局は22日午前9時に始まる。