【イマ旬!ハリレポ】現地目線!第91回アカデミー賞を大予想~混戦する主演男優賞“栄冠”を手にするのは?

2019年2月22日(金)7時45分 シネマカフェ

クリスチャン・ベイル&ブラッドリー・クーパー&ラミ・マレック&ヴィゴ・モーテンセン&ウィレム・デフォー

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いよいよ来週に迫ったアカデミー賞授賞式。主要5部門の中で作品部門賞の次に注目されていると言ってもよい主演男優賞の行方を分析してみた。

最初は優勢だったこの男優だけど…

『アリー/ スター誕生』がヴェネチア映画祭で豪華デビューを飾った時点でのブラッドリー・クーパーは飛ぶ鳥をも落とす勢いだった。だが、その時期にPRの一環として行われたNYタイムズ紙のインタビューでレポーターに高飛車な態度をとったことから彼女の逆鱗に触れ、その一部始終が公になった頃からブラッドリーの株が急下降し始めた。


アカデミー賞を受賞できるか否かは、PR合戦の占める部分も大きいと言われているので、大切な時期におけるブラッドリーのこの態度は大きく裏目に出てしまったようだ。また、作品公開のタイミングが早めで、アカデミー投票期間までには投票者たちの熱も冷めてしまったという部分もある。これらのことを踏まえてみると、今回ブラッドリーが主演男優賞を受賞する確率は、かなり低いと言われている。

PRの予算とアカデミー賞の関係

PRが要のアカデミー賞において大きく遅れを取ってしまっているのが『永遠の門 ゴッホの見た未来』のウィレム・デフォー。低予算の秀作というのは、なかなか宣伝費までは手が回らない場合が多く、この作品もその典型のようだ。いくら良い作品でもアカデミー有権者に見てもらえなければ意味がない。


この点については『グリーンブック』のヴィゴ・モーテンセンも似ている。映画の評判の良さは口コミで伝わり、ヴィゴの好演についてもノミネーションを受けるまでに広まっているのだが、ノミネーションからのラストスパートにおける予算のかけ方が『ボヘミアン・ラプソディ』と比べると比較にならない。


演技の良さとPR作戦の完全融合

『バイス』に関しては、政治がエンタメ化しているアメリカで、悪名高き元副大統領チェイニーを、あのバットマンことクリスチャン・ベイルがまるでチェイニーの分身になったかのように演じあげていると大評判になった。


実在の大物を演じているという点では全く互角の立ち位置なのが、クイーン伝説のボーカリストだったフレディ・マーキュリーを演じて主演男優賞候補となったラミ・マレックだ。彼の変貌度もハンパではなく、役者魂の熱さが感じられる。


アカデミー賞候補になってからの『ボヘミアン・ラプソディ』にかけられたマーケティング費用はその露出度から察するにかなりの額になっているだろう。ただ、本作の監督ブライアン・シンガーのセクハラ問題などの悪評がどれだけラミの受賞に影を投げかけるかが懸念される。しかしながら作品部門の受賞はともかく、主演男優としてのラミの功績は監督の愚行には影響されないのではと筆者は踏んでいる。

この前哨戦映画賞を見れば受賞者がわかる?
先日発表されたSAGアワード(全米映画俳優組合賞)の結果は、アカデミー賞と非常に密接な関係にあると言われている。アカデミー賞の投票権を有するアカデミー会員の絶対数は俳優たちが占めているからである。

主演女優賞においては7年連続でSAG主演女優部門の受賞者と一致しているし、主演男優賞においては過去15回中14回一致という的中率。今年のSAG主演男優賞受賞者はラミ・マレックだった。


アカデミー賞でもラミが栄冠を手にすることが出来るだろうか。結果は2月24日(日本時間25日)に発表だ。(text:Akemi K. Tosto)

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