月9また最低視聴率更新、人物描写が薄すぎて魅力伝わらず!/『突然ですが、明日結婚します』第五話レビュー

2月22日(水)0時30分 messy

『突然ですが、明日結婚します』公式サイトより

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 2月20日放送のフジテレビ月9ドラマ『突然ですが、明日結婚します』第五話は、またまた“月9史上最低視聴率”の更新となりました(平均6.2%/ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)。初回から8.5%→6.9%→7.6%→6.6%→6.2%と推移。残りはあと四〜五話でしょうが、早く底を打ってほしいと制作サイドは胃をキリキリ痛めていることと思います。フジテレビのドラマは『嘘の戦争』以外の『嫌われる勇気』『大貧乏』もここまで全話一桁台ですし、これがフジドラマの正常値になっちゃってますね。

 ただ筆者はFOD(フジテレビオンデマンド)で視聴してるんですけど、こっちにももっとCM入れたらいいのに、入らないんですかね?? 第五話で流れたのはdocomoのCM(秋山竜司ver.)ばかりで、それ以外はFODプレミアムで配信中の作品の宣伝CMでした。ちなみに第四話はアヤノサンドロスばっかりね。ティーバーとかTBSFREEとか、公式の動画サイトは増加中。こっちのほうが「テレビ視聴率」よりも明確に視聴回数およびユーザー数が計測できて、CM打つのに合理的ですよね? 現状、各ドラマの再生回数がどの程度になっているのかわかりませんから何とも言えませんが、今後はテレビ局への広告投下もやり方が変化していくと思われます。

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 さて、そんな話は置いといて、『突然ですが、明日結婚します』がなぜ同じように女性向けマンガ原作で結婚をテーマにした『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)みたいに盛り上がらないのか、あるいは『東京タラレバ娘』(日本テレビ系)のように二桁視聴率に届かないのか。やっぱ話がつまらないのと(多少の膣キュンはあり)、人物造形が魅力的でないのと、細かい設定の矛盾が気になってしまうのと……いろいろ! というわけで第五話、まずはしつこく登場人物のおさらい。

■高梨あすか/西内まりや
大手の都市銀行・いずみ銀行の法人営業部で働く優秀な会社員。仕事熱心で努力を怠らず、金融情報に詳しい。母のような優しく温かく家族を支える女性になりたいと思っている。恋する相手と結婚して専業主婦になることが夢。名波と交際開始。

■名波竜(ナナリュー)/flumpool山村隆太
朝の情報番組で司会を務めるテレビ局アナウンサー。イケメンで主婦層人気が高い。過去に女優・桜木夕子と不倫していた「結婚したくない男」。あすかの先輩・小野の住む豪華マンションに居候中。あすかに惚れて告白、交際開始。

■神谷/山崎育三郎
あすかが勤める銀行の系列・いずみ証券のエース営業マン。名波の勤務するテレビ局で経済番組に出演することになる。第二話で突然あすかにプロポーズ、断られてもアプローチを続ける。イケメンで仕事もデキる男という設定。

■桜木夕子/高岡早紀
人気女優。既婚。かつて新人時代の名波と不倫関係になった。ゲストを招いてプレミアムなトークを引き出す新番組『ココロシアター』の司会を名波とペアですることになり、久々に再会。夫はゲス不倫で家から出て行ってしまった。

■莉央/中村アン
銀行員。あすかの先輩でいつもつるんでいる。小野と交際開始。

■桃子/岸井ゆきの
銀行員。あすかの同期でいつもつるんでいる。

■小野/森田甘路
銀行員。あすかの先輩。金持ち一家の御曹司で、タワマン最上階の立派な部屋に住み(お家賃180万円/月)、名波を居候させている。莉央に7年越しで好意を抱き続け、ついに交際開始。

スキャンダル対策はどうした

 夜までかかった仕事の打ち合わせを終えたあすかは、小野宅でいつものメンバー(小野、莉央、桃子、名波)とお好み焼きパーティーをする予定でタクシーで乗り付けます。すると同乗していた神谷も降車し、あすかに不意打ちキス! 神谷は、帰宅途中の名波がすぐそばにいることに気付いて“わざと”キスシーンを見せつけたのでした。名波が近くにいると気付いていないあすかでしたが、怒りを滲ませた目で「二度としないでください」と言い残し毅然と去っていきます。そこはビンタしよ! ビンタくらいしないと! 強制わいせつで訴えてもいいくらいなんですが、あすかはこの強引なキスを名波にも誰にも伝えません。言うと不安にさせるだけだと思ってるんでしょうね。

 お好み焼きをたらふく食べ、名波はあすかを「送っていく」と言いまた東京湾沿いの舗道を二人で歩きます。驚いたことに、名波「間に合う?」あすか「うん、終電には」って、電車で通う距離だったんだ!? 電車に乗ってるシーンなんてこれまでありませんでしたし、序盤であすか実家近所の赤い橋に名波が登場したりしてたから、てっきり小野マンションとあすか実家は徒歩数分の距離なんだと思ってました! 空間歪んでるよ! そしてもうひとつ、朝の情報番組(帯)司会をしている名波は早朝2時起きでテレビ局に出社するわけですが、しょっちゅうこんなふうに夜(つまり終電間際の時間帯)まで小野たちやあすかと飲んで食ってしてるんですよ。ちゃんと寝てる? あすかもそこんとこ、気遣ったらどうすかね。

 こういう野暮は言わないのがドラマのお約束なんですけど、「テレビ局の人気アナウンサー」という業態の男を主人公の相手役にしちゃった以上、設定ちゃんとしてほしいわけです。さらに舗道で昂ってあすかを抱きしめる名波、背中に腕を回すあすか、きつく抱きしめあいキス……という流れがあるんですが、一応、名波は人気アナとして「スキャンダルに気をつけろよ」的なことを局で言われてるんですよ。路上でイチャこくなんて、どうぞ撮ってくださいって感じじゃないですか。第四話のバレンタインチョコ渡すシーンも街中で(通行人は皆無)堂々キスしてたし。

 あくる日、いずみ証券とのAIを使った販促プロジェクトで成果が上がっているので、次に3年越しの共同プロジェクトをやることになった、として、あすかはそのプロジェクトへの参加を要請されます。すごく社内で買われている有能な社員であるということですね。ただ3年越しのプロジェクトということは、正式にメンバーとなれば少なくとも3年はあすかの夢である「寿退社」が不可能になるため、あすかは悩みます。「本当は専業主婦になりたいのに仕事に熱中して、10年ぐらい経って『本当は何がしたかったの?』ってなるのもなあ」って。いや、だから、結婚と退社を=で結び付けなくてもいいんじゃないかな……。話の通じないおばちゃんでごめんね。

 一方、小野は莉央と正式に交際することになり、しかもいきなり同棲開始。小野が莉央の住む家に行くため、名波は超豪華な小野のタワマン最上階ペントハウスに一人になります(家賃180万!)。「ここで高梨と住めば?」と提案する小野、太っ腹すぎます。名波も多少は家賃払うとか家事やるとかしろよ……一切何もしてなさそうですけど。ていうか自分の部屋を借りればいいのに。

 テレビ局では名波と神谷が対面し会話する機会が生まれ、名波は先日の「神谷からあすかへの強引なキス」について憤りをぶつけます。すると神谷は逆ギレ。

神谷「あなたに、高梨さんを束縛する権利はあるのかな? 結婚はしないが手放しもしない。都合がいいよね。彼女の立場にたってみたら飼い殺しみたいなもんだよね。だって彼女は結婚を望んでるんだよ? 自由にしてあげなよ」
名波「あんたには関係ない」

 ほんとそれな〜。関係ないよ〜。「自由にしてあげる」ってなんだよ。誰と交際していようがあすかは自由ですし、自分が好きで名波と付き合ってるわけじゃないですか。神谷の価値観が謎すぎて、恋のライバルとしての魅力が全然見えてきません。

ウザいだけの恋敵って出す意味あります?

 そんな中、名波があすか実家へまた行きたいと言ったので今日はカレー記念日、あすかはママに特製カレーの作り方を教えてもらい絶品のカレーを拵えます。ところが! タクシー運転手をしているパパが、偶然会社帰りの神谷を乗せて「飯まだだっていうから連れてきちゃった」。えー……。パパが誰かれ構わず家に連れて来ちゃう迷惑おじさんだってことは序盤で明かされていたし、ゆえに交際開始前の名波もあすか実家にお邪魔したりしてたんですが、神谷。来るか普通。どこまでうざいんだよ。さらに、数分後に到着した名波を「神谷さんが来ちゃったから無理」と追い返そうとしたあすかも意味わからない。なんかドラマの女性ヒロインって、あすかに限らないけど(『奪い愛、冬』の光とか)わりとみなさん判断力おかしくないですか??? どう考えても誠実じゃない対応をしたうえ、「良かれと思って」下手な嘘をついてすぐにバレ、窮地に追い込まれるんですよね。しかし今回は名波が大人の対応をしたので、あすかの困惑は最小限に押さえ込まれました。神谷が迷惑行為に及ぶたびに名波の株が上がるよ!

 来客予定なのに食卓に出すのがカレーオンリー(汁ものとかサラダとか用意しない)のが謎な高梨家、一応は和やかな雰囲気で食事をすすめ、ワインまであけました。でも酔いつぶれたあすかパパ(タクシー運転手なのに翌日大丈夫か?)とママが退散すると一気に修羅場に。

名波「神谷さん、なんでいるんです? ほっといてくださいって言いましたよね」
神谷「ごめん、すごい縁だなあと思って。たまたま載ったタクシーの運転手さんが高梨さんのお父さんなんて。運命かなって」
名波「いい加減にしろよ」
あすか「今は他の人のことは考えられないんです」
神谷「本当にいいの? 結婚できないかもしれないよ」

 神谷うぜええええええええええええええええええ。名波の態度は終始いい感じで好感持てます!

あすか「まだ、(結婚できないかどうかは)わからないから」
神谷「大丈夫かな?」
名波「条件並べて、相手を選ぶ人よりいいんじゃないですか」
神谷「そっちこそ無意識のうちに相手を苦しめてること、自覚したほうがいいよ」
あすか「それでも、一緒にいたいんです」

 ひたすらウザい神谷を団結して追い出し、あすかと名波は互いの愛情を確認出来てめでたしエンド。名波は自らの生い立ちについても、あすかに明かします。

名波「今の父親、二人目なんだ。一人目は全然覚えてない。母親は、俺を育てるために再婚したんだけど俺にとっては息苦しい場所で、母親も全然幸せじゃなかったと思う。俺は結婚が信じられない。まあ、あすかんちみたいにうまくいく人もいるだろうけど、たぶん、俺はだめなほう」

 ……名波の「結婚したくない理由」、意外と普通でした。ていうか、いつの時代の話だよ? 旦那に先立たれたから生活のために新しい男と再婚、離婚してシンママになったら子供が苦労するからって本意じゃないけど仮面夫婦を続けるって。母さん働けない体なのかな。

名波「だから、あすかがどうしても結婚したくて、この先ふさわしい人が現れたら、遠慮なく俺を捨てていいから」
あすか「わかった。そのほうが、名波さんも気が楽なんだね。だったら、そうしよう。でも覚えといて。私が結婚したいの、名波さんだけだから(にっこり)」

 また道端で抱きしめたよ。週刊誌に気をつけるんじゃなかったのかよ、名波は。

名波「あすか、二人で暮らしてみない? この先どうなるかわかんないけど、なんか今、すっげーあすかと一緒にいたい」
あすか「すっげえ?(笑)」
名波「そう、すっげえ」

 というわけで次週、ラブラブ同棲生活スタート! でも早速すれ違って「もうだめ、別れよ」ってなるんでしょ? からの誤解が解けてラブラブモード再び、でしょ? 予想外の展開をくれ!!!! という視聴者のために、“魔性”桜木夕子さんが暗躍してくれることでしょう。第五話ラストは、あすかが名波のスマホに電話をかけたところ、桜木夕子が出て「今度一緒に食事でもどーう?」と誘うところで終えました。あの、前も思ったんですが、名波はスマホ管理が無防備すぎないか? 衣装(100%スーツ)の胸ポケットに入れておけるんじゃないのか。楽屋に鍵つきロッカーないのか。適当にそのへんに置きっぱなしにしてるんだから、盗まれてデータ抜かれかねないですよ!

 あすかと名波が結婚するのしないの、がメインテーマの『突然ですが、明日結婚します』。そりゃ最終回は結婚するんでしょうけど、それを名波が司会する生放送の情報番組で発表するとかね、ありえますけど、ただそんだけで最終話まで引っ張るのはちょっとキツいです。主人公女性は二人のイケメンに求愛されるモテモテポジションなわけですから、本来ならば名波の恋のライバル・神谷はもっとカッコよくあるべきなんです。顔じゃない、キャラとして。なのに第五話まで見てきて、ただただウザくてキモいだけの男なんですよ。こんなやり方じゃライバルとしてのキュン度が足りないだろ! 「まーきのっ」で人気を博した花沢類(小栗旬)と段違いだよ! 二番手男は「こっちもいいな〜」と思わせるどころか「一番手よりこっちのがよくない!?」と鞍替えをすすめるほどのハイレベルぶりじゃないと出す意味なくないですか? ミス女性誌って感じの男性観を振りかざす桃子や、料理上手で気前の良い優男のはずなのに恋人にはなんだか横柄っぽい小野など、他のキャラも魅力がちょっとずつ足りません。あすかの父親が個人タクシーの運転手で専業主婦と子供二人(大学まで)養って東京23区内に一軒家建ててるのも解せないし。お願いだから人物をもっと描き込んで! 名波の「結婚したくない理由」も薄くてびっくりしました。視聴率うんぬんじゃなくて、ドラマに厚みを持たせるべく、後半戦も制作頑張っていただきたいところです。

(ドラマ班・下戸)

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