脅迫訴えた吉松育美氏が全面謝罪 支援した昭恵夫人の責任は

2月23日(火)7時0分 NEWSポストセブン

脅迫訴えた吉松育美氏が全面謝罪(公式ブログより)

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 居酒屋経営に社会活動、時には酔っ払って大騒ぎ……夫の安倍晋三・首相よりも“破天荒”な生活が話題となる昭恵夫人。安倍政権が掲げる「女性活躍社会」の象徴と言えるかもしれないが、この一件ばかりはその“活躍”が勇み足だったというほかない。


◆「どう責任を取るの?」


「昭恵氏は一国の総理大臣夫人という立場でありながら、私をストーカー扱いする言説を広めた。私が世間から卑劣なストーカーとみられるようになってしまった責任は彼女の影響力の大きさにもあるはずです。それが事実ではなかったことが認められた以上、どう責任を取るのか、一言あるべきだと思います」


 電話口の男性は本誌記者の問いかけに静かに怒りを表わした。大手芸能事務所の幹部であるこの男性A氏と、タレントの吉松育美氏が争った一連の裁判は2年の歳月を経て、突然の幕引きを迎えた。A氏によるストーカーや脅迫など複数の被害を主張していた吉松氏側は、これまでの発言を撤回し謝罪する形で和解したのだ。


 2月18日現在、吉松氏のブログには、〈MESSAGE〉と題された以下の文章が表示されている。


〈私、吉松育美は、私が管理するブログ及びFacebook本文において、


【1】A氏(※ブログでは実名)から、日本テレビ放送網株式会社内において暴行を働いたこと、


【2】A氏が、私のスポンサー候補企業に対して圧力をかけて業務を妨害したこと、


【3】A氏が私の家族に連絡をして脅迫した事、


【4】A氏が、ミス・インターナショナルの主催者に連絡をして私が世界大会に出席できないよう働きかけたこと、


【5】A氏が、私のスキャンダルを徒らに公表するために、私の自宅兼事務所を調査会社に調査させたこと、


【6】A氏は裁判所に対して虚偽の報告をして執行官に私の住居兼事務所内で動産執行を行わせたこと、


【7】A氏が、雑誌週刊新潮に私を誹謗中傷する内容の記事を掲載させたこと、


【8】A氏が、B女史(※ブログでは実名)の自殺に関与したこと、


 という内容の記事を掲載し、また外国人記者クラブにおける記者会見においても同様の発言をし、更にCBSラジオでは「A氏は過去に何人も女性を殺しまた自殺に追いやったそうです。」と発言しましたが、これらの記事および発言は全て撤回し、これらの記事及び発言については自分に非があることを認めます。これらの記事及び発言によってA氏の名誉を棄損し多大なご迷惑をおかけしましたこと深くお詫び申し上げます〉


 文面からは“全面降伏”がうかがえる。


 騒動を振り返る。2012年に日本人として初めてミス・インターナショナル世界大会で優勝した吉松氏は2013年末、まずブログで“被害”を告発したが、当時、新聞やテレビといった大手メディアが取り上げることはなかった。そのため、吉松氏は日本外国特派員協会で海外メディアを集めて会見を開き、“被害”を語った。


 会見の動画はYouTubeに『日本の芸能界の闇』という英語のタイトルでアップされ、多くの人々の目に留まった。さらに吉松氏の主張を世に広めたのが、昭恵夫人だった。


 昭恵夫人は2013年にミス・インターナショナル世界大会の審査員を務めた関係で、吉松氏の騒動を知った。


 昭恵夫人は自身のフェイスブックに〈全ての女性のために吉松さんと力を合わせていきたいと思います〉(2013年12月25日)というコメントと吉松氏との2ショット写真を掲載。その書き込みにはわずか4日間で8500以上の「いいね!」が付いた。


 その後、ファーストレディの“全面支援”を得た吉松氏は、A氏を威力業務妨害で刑事告訴と民事訴訟に踏み切った。


◆「私は正義感で……」


 しかし2014年8月、東京地裁は吉松氏側の申し立てを退ける判決を下した。


「ストーカー行為や脅迫被害の証拠能力が不十分だとみなされたようです。逆に、今度はA氏側が“事実無根の被害告発により名誉を毀損された”と1億円以上の損害賠償を求めて反訴した」(芸能事務所関係者)


 それでも、昭恵夫人のスタンスは変わらなかった。昨年11月に出版した著書『「私」を生きる』でも、〈偶然の投稿から始まった女性を守る戦い〉と題して吉松氏について触れている。〈私は「悩みを抱えている女性と一緒に戦いたいと思っているので、何かあったら守ってくださいね」と主人にお願いしています。主人も、「大丈夫だよ、俺が守る」と言ってくれました〉と綴り、安倍首相の支援まで取り付けたかのような書きぶりだった。


 だが、前述の通り、結果的に吉松氏は一連の被害を撤回し、A氏に謝罪した。吉松氏に和解に至った経緯を取材すべく問い合わせたが、期日までに回答は得られなかった。A氏はこう言う。


「脅迫やストーカーなど、これまでの事実無根の発言のすべてが撤回された。吉松さんをストーカー被害者のシンボルとして支援してきた昭恵夫人は、その前提となる事実が違っていたのだから、何かしら謝罪があるべきだと思います」


 昭恵夫人に聞いた。


「吉松さんは戦いに疲れたんだと思う。ストーカー行為がどうであったかは別にして、彼女自身がストーカーされていると思い、苦しんでいたことは事実なわけです。それは(被害を)受ける側の問題だと思っていて……やった方は“そんなつもりはない”と思っていても、受ける人がそう感じていたら、私は無視していい問題ではないと思う」


──A氏は謝罪を求めているようだが。


「繰り返しになりますが、吉松さんが苦しんでいたのは事実で、そういう女性がいれば私は助けてあげたい。当時はマスコミも報じてくれなくて、私は正義感で行動したわけで……裁判で結果が出た以上、もうお話しすることはありません」


 女性のストーカー被害を問題提起するために吉松氏を支援してきた昭恵夫人の活動自体は否定されるべきではないが、不本意な結末を迎えてしまったようだ。


 昭恵夫人は前述の著書で〈(ストーカー被害の)対策は急務〉と綴っているが、自ら拡散させた“風評被害”の解消にも「迅速な対策」が必要ではないか。


※週刊ポスト2016年3月4日号

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