『カズレーザーと学ぶ。』都市部で起こる“花粉爆発”と呼ばれる現象とは?
2025年2月25日(火)23時0分 ジェイタメ
2月25日(火)よる9時から日本テレビ系にて放送の「カズレーザーと学ぶ。」。毎回、カズレーザーと一緒に知れば人生観が変わる新知識を最先端の研究者から学ぶ番組。
今回放送したテーマは、「最新科学で花粉症&アレルギー大改善SP」。
「シミやくすみも花粉が原因!? 都会で起こるヤバい花粉爆発」
日本医科大学大学院教授、さらに日本アレルギー協会の理事でもある大久保公裕氏は、都会特有の花粉事情について解説。都市部では花粉爆発と呼ばれる現象が起きることがあるという。花粉は水分に触れることで殻と中身、2つに分かれ、それぞれに含まれるアレルゲンがダブルパンチになって人に襲い掛かる。雨や湿気が高い空気中でも花粉は割れるというが、都会では大気汚染物質が花粉に付着し、より割れやすくなるとのこと。
さらに都会ではコンクリ—トに落ちた花粉は都会の大量の人に踏まれたり、車にひかれたりして微細化する。約30µmの花粉が、約1µm以下の大きさになり、より空気中に舞いやすくなる、花粉爆発と呼ばれる現象が発生してしまうと解説。1µm以下になった花粉は、マスクすら貫通し、細かくなったことで体内に入ったあとも鼻やのどを通り抜け、気管支や肺にまで到達花粉症をはじめ、ぜんそくなども悪化させてしまう可能性があると説明した。
また花粉は花粉症でない人にも影響を及ぼしていると話す。2023年の最新研究から、鼻づまりやくしゃみといった症状がなくても、肌に花粉が付着することでシミやくすみが発生することが判明したという。花粉の殻の部分のアレルゲンが皮膚につくと、トロンビンというタンパク質が活発化。肌のなかにある細胞の間を埋めている脂質が減少し、隙間が生まれてしまい、肌のうるおいが無くなってしまうという。花粉症ではない人でも起こる現象であるため要注意とされた。
「謎のアレルギーが判明!? 春の芸能人一斉アレルギー検査」
島根大学の医学部皮膚科で准教授を務める千貫祐子氏は、出演者たちのアレルギー体質順でランキングを作成した。おいでやす小田、神田愛花、島崎遥香、長谷川忍(シソンヌ)、そしてタイムマシーン3号のコンビが参加し、非特異的IgE値という数値を参考に評価された。この数値はアレルギー抗体の多さをはかるもので、アレルギー体質であるほど高く出る傾向にあるという。千貫氏が「何もいう事がない、素晴らしい結果です」という番組司会、カズレーザーは過去何度か番組で行った結果から殿堂入り。170未満が正常な成人の基準であるなかで、カズレーザーの検査結果は98とかなり低い、優秀な結果であるといえる。
出演者6人を、注意、要注意、厳重注意の三段階に分けたランキングで、まずは要注意である2位と3位から発表。神田と島崎がランクインした。2位である神田の数値は112、3位の島崎の数値が133で、ともに正常値の範囲内。4位にランクインしたのはおいでやす小田。数値は181と基準値よりも少し高い結果。
5位はタイムマシーン3号の関でその数値は349。4位の小田から大きく引き離す数値だが、特に千貫氏は花粉症について着目し、関には「交差反応」への注意が呼びかけられた。交差反応とは、あるアレルゲン(タンパク質)に対して体内で作られた免疫物質(IgE抗体)が別のそっくりな形をした食品などにもタンパク質にも誤って反応してしまうことを指す。関には昨年、山梨県の小学校で給食を食べた100名以上の児童がアレルギー症状を訴えた事件の原因と考えられるハンノキ、シラカンバ花粉への反応も見られた。バラ科の食べ物や豆乳で交差反応が出る可能性があるという。
そして最下位である6位はタイムマシーン3号の山本、1位にはシソンヌ・長谷川が選ばれた。山本の数値は関の結果さえ低いと感じる、ダントツの1417。基準値の8倍以上で、さまざまな項目に反応を示している。反対に1位の長谷川は、数値だけならカズも下回る10。異常に低い結果であるが、花粉症の自覚はあるということで、若干の反応がみられたスギ花粉に関し、検査に使用されるアレルゲン、Cryj1、Cryj2以外のアレルゲンに反応しているか、またポプラなど、検査項目にないスギ以外の花粉に反応している可能性もあるので、確定させるには皮膚テストでの検査が必要とされた。
「乾燥肌の原因は??だった!? 芸能人の肌トラブル一斉診断」
神奈川大学の化学生命学部で教授を務める野嶽勇一氏は、乾燥肌の原因は、空気の乾燥だけではないと解説。大きな要因となるのは菌だという。人間の皮膚には、さまざまな菌が存在しており、マイクロバイオームと呼ばれる生態系が構築されているという。
人それぞれ、菌の種類・比率が全く違うというが、常在菌は大きく3つのタイプに分類されるとのこと。肌にメリットとなる善玉菌、メリットもデメリットもある日和見菌、デメリットをもたらせる悪玉菌だという。特に乾燥肌の元凶となる悪玉菌の代表格と挙げられたのは黄色ブドウ球菌。皮膚の表面にある角質層、そのつなぎ目を緩めるような成分を吐き出し、水分が蒸発しやすくしてしまうため、保湿してもなかなか改善しないのだとか。善玉菌の代表格である表皮ブドウ球菌は皮脂を分解して保湿成分であるグリセリンを作ってくれるという。
そして今回、驚きの美肌効果で近年注目を集める常在菌として挙げられたのは“S.ホミニス”という菌。2022年の研究で、目立つ毛穴、シワ、メラニンの抑制に効果が期待されることが判明したという。
それらを踏まえて野嶽氏は出演者たちの肌をランキング化し発表した。1位に輝いたのはアン ミカ。善玉菌である表皮ブドウ球菌が全体の16.7%を占め、通常は0.2%いれば正常値であるS.ホミニスも倍以上の0.41%生息。バランスのよい肌で、野嶽氏も「大変すばらしい結果」と絶賛する。2位にはカズレーザー、3位には渡辺隆の名前が並ぶ。カズレーザーは善玉菌の表皮ブドウ球菌が、全体の51.1%を占め、一見するとアン ミカよりも良さそうだが、マイクロバイオームの多様性という観点から心配だということ。3位渡辺は日和見菌のアクネ菌が46.8%と大きな数字で、食生活で油物が多いとアクネ菌の増加につながるため脂肌タイプというが、S.ホミニスの割合は1.02%で、理想的な比率の5倍。食生活の改善さえできれば、素晴らしい美肌の持ち主になるポテンシャルがあるという。
4位に長谷川が続くが、残りのふたり、島崎遥香とオカリナは特殊であるためランキング外とされる。島崎は常在菌の種類が他の人とまるで異なり、野嶽氏いわく100人に1人というレベルの結果。オカリナについては、通常0.2%程度であるS.ホミニスがまさかの半分以上を占めていた。野嶽氏も「結構長く研究してきてるんですけど、初めて見ました」といい、平均より多めだった悪玉菌の数を抑えれば、とてつもない美肌になれる可能性もあるという。ランキングを見終えるとカズレーザーは、「本当に千差万別というか、こんなに色んな菌を持っていても、悩みがそれぞれある」とコメント。「乾燥肌とか、油っぽいとか、言葉では同じになるのに原因が全然違うのが、面白い」と感想を述べた。
「花粉症や食物アレルギーを根絶!? スーパーコンピューターが発見した夢の新薬」
山梨大学大学院の総合研究部で准教授を務める中村勇規氏は、花粉をはじめ、食物アレルギーやぜんそくなどの疾患が、約1ヵ月で治せる可能性がある新薬について解説を行ったMOD000001(エムオーディーファイブオーワン)という名前の新薬は、スーパーコンピューターが、約1億個の化合物の中から発見したといい、本番組で以前紹介された、花粉症に対する絶大な効果があるとされた薬「オマリズマブ」や、舌下免疫治療すら上回る働きが期待されているという。
花粉症の仕組みは、花粉が体内に侵入後、免疫物質IgE抗体がマスト細胞という細胞に付着。この状態の抗体に花粉がつくことでマスト細胞からアレルギー症状を引き起こすヒスタミンが放出されるというもの。新薬のMOD000001はこの、ヒスタミンの発生元であるマスト細胞自体の数を減少させるという。マスト細胞が生存するために必要な信号阻害することで消滅させるといい、中村氏いわく、アレルギー症状を抑え、副作用も出ずに根治を目指すことができる可能性があるという。
放送された「最新科学で花粉症&アレルギー大改善SP」はTVerで配信中!
TVer:https://tver.jp/series/srcmcqwlmq
◆「カズレーザーと学ぶ。」
毎週火曜よる22時から放送
22:00〜23:00
日本テレビ系
(C)NTV