<押切もえインタビュー>小説家として新たな挑戦、直談判も 結婚観も語る

2月26日(金)21時0分 Techinsight

連作短篇集『永遠とは違う一日』を発売した押切もえ

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2013年8月、長編書き下ろし小説『浅き夢見し』(小学館)で鮮烈に小説家デビューしたモデル・押切もえ(36)。それから2年半の時を経て2月26日に連作短篇集『永遠とは違う一日』(新潮社)を発売する。テックインサイト編集部では前作に続き、今回もインタビューを実施、小説家・押切もえに迫った。ちょうど交際発表をしたばかりの彼女に、結婚についても聞いてみた。

連作短篇集『永遠とは違う一日』には、『小説新潮』2015年1月号から連載された6作品が収められている。今回単行本として出版するにあたり、押切自ら改めてこれらの作品と向き合い修正をかけた。「大筋は変えていませんが、もっと深めたいところや台詞を追加したりしました」とさらに納得のいく作品に仕上がったようだ。

■「すごい泣いた」もらった感想が書く励みに。
—新作出版おめでとうございます。今回は短篇の連作ということで、一話発表するごとに感想が届いたのではないですか。
押切もえ(以下、押切):そうですね。最初に(『小説新潮』で)発表したのが『抱擁とハンカチーフ』だったんですけど、起業して働いている同い年の友人が「すごい泣いた。悩んでいる主人公が、まさに私のことだと思って泣いちゃった」って言ってて。皆さんが私の書いた話を自分のストーリーにしてくれるというのがすごく嬉しくて、書く励みになりましたね。

—前作はモデルの女性が主人公でしたが、今回はいろいろな職業をとりあげていますね。画家も登場しますが、押切さんは絵画で賞も獲られていますよね。
押切:せっかくなので前作とは全然違うものを書きたいという思いがありました。「違うものを」と言いつつも、発表するにあたってまずは普段描いている絵の世界だったら掘り下げられるかもと。主人公の年齢や環境はできるだけ自分と変えました。絵を描きながら思っていたことを反映させたので、絵を描く話にしたんですけど、絵に興味がない人にも伝えたいなと思いました。絵を描いていても文章を書いていてもモデルの仕事をしていても、結構重なることってありますよね。たとえば何かひたむきに一生懸命完成させようと思うときって皆さんの思いは同じ気持ちだと思うので。思いは伝わるだろうと思って書きました。

■助産師を書きたい。自ら取材も。
—最終話には助産師を目指す女の子が登場しますが、なぜ助産師を?
押切:なんでしょう、本当にひらめきですね。産むことや愛や命の関わりって、私は独身ですし出産した経験もないですけど、やはり話を聞いているだけでも感動するし温かい気持ちになるので、そういう場にいる人ってどんな感じなんだろうって。周りの友人が出産した話も本当にひとりひとり違うなあと感心したり、不妊に悩んでいる人も年齢的に多いので、女性にとって大きい問題だなあと捉えて。(自分が)30代じゃなかったら関心がなかったかもしれません。関心があるから書きたいということもありました。

—ご自分で取材なさったのですか。
最初助産師さんを書こうと思って、知り合いをつたって助産師さん8人ぐらいに連絡とってお話を聞いて。「わあ、これ話にしたい」と思ったんですけど、職場の分娩台とかなかなか立ち入れなかったので、それがないとリアルじゃないなと思い、その場でネットで調べて院長先生にメールして直談判しました(笑)。(小説に登場する助産院と)すごく似ているんですよ。

■トランスジェンダーも他人事ではない。
—ほかには性同一性障害の男性が登場しますが、何かきっかけがあったのですか。
押切:芸能界でカミングアウトして活動されている方もいますが、すごく明るい人が多いですよね。でも、みんながみんなそうじゃないだろうな、言えない人もいるだろうなと思ったので、知り合いを通じて何人かお会いさせていただきました。私がこのテーマを扱うことをどう思うかお伺いしたら応援してくださったので、書き切ろうと思って。(話を聞くと)「存在している心地がしない」という方が多かったので深刻だなと思いました。当時ちょうど渋谷区長選がありまして、長谷部(健)さんという「同性パートナーシップ条例」を打ち出した方が当選したんですよ。さらに自分も関心も抱きまして本当に他人事ではないというか、自分も涙を流して、ああよかったと。


■思いを伝えるのは大事。伝え方が大切。
—新作では全体を通して、思いを伝えるシーンが何回か出てきますね。
押切:思いを伝えるというのは、すごく大事だと思います。もちろん言い出しにくいことも多いですが、もやもやするんだったら伝えた方がいいですし、大人になってから特に伝え方が大切だと思いますね。私自身不器用で人間関係も考えすぎたり考えすぎなかったりで、大失敗をいっぱいしているので「伝える」というのがキーワードになっていたのかもしれません。意外と自分が守られていることとか、意外な誰かが応援しているかもしれないよ、ということを書きたかったんです。伝えてから初めて分かるというのが私自身すごくあるので。

■書く意欲はどこから? 次回作は?
—モデルとして活躍されているのに、どうして書くモチベーションが沸くのでしょうか。
押切:モデルの仕事もやりがいもありますし、やはりどこか自分でない自分になれるところも楽しいです。小説も同じでもっと違う自分になれたり、軸にあるものは自分ですが、自分が思ったこと・感じたこと・見たこと・伝えたいことがあるんですけど、それを伝えて反響をいただけるのがすごく嬉しいので。モデルのときは本能的に反射的に動いている部分がありますが、小説は一回練れたり寝かせたりできることは強いですね。

—小説の次回作は何か考えていらっしゃいますか。
押切:次回作の構想ははっきりないんですけど、ダメ男ばかり書いてしまったので、かっこいい人を書きたいかな。この本を書いているときに担当編集者さんが「立ち止まる女を書かせたら天下一品ね」って。「それ褒めてますよね?」って確認したんですけど(笑)。これを極めるのか、一回離れるのかどちらがいいんでしょうね? この本を出して感想をいただいてからかな。


■自身の結婚は?
—以前占いで今年結婚すると言われてましたね。最近、交際を発表されましたが、近々ご結婚もありますか?
押切:(照れながら)どうなんでしょうね(笑)。いや、もうわかんないです。結婚がゴールではないと常々思っているので。20代の後半はすごく結婚したかったのですが、30代に入って、いろいろな人たちの恋愛観・結婚観を聞きながら自分のライフスタイルもだんだん変わっていって、何が何でも(結婚)という感じではないので。本当にしたいときに、できたらいいかなという感じですね。

—最後に皆さんにメッセージをお願いします。
押切:転機を迎えている方や、日々立ち止まっている方、ちょっとほっとしたい方に是非読んでいただきたいです。女性には共感していただけるバッグや指輪や小物も出てきます。主人公たちが励ましますのでよろしくお願いします。
(TechinsightJapan編集部 関原りあん)

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