安倍首相「お友達人事」の明暗 日銀総裁人事と官僚論功行賞

2月27日(火)16時0分 NEWSポストセブン

黒田氏は続投が決まった(EPA=時事)

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 今も昔も“お友達内閣”と揶揄されるように、仲の良い政治家やお気に入り官僚だけを重用するのが安倍政治のやり方だ。だが、このところの人事は安倍晋三首相の取り巻きで「守られる者」と、「捨てられる者」の明暗が分かれている。


 その境目はどこにあるのか。2つの対照的な人事から浮かび上がってくる。


◆日銀総裁人事の勝者と敗者


 安倍首相にバッサリ切られたのが、次期日銀総裁の有力候補と目されていた本田悦朗・駐スイス大使。元財務官僚でアベノミクス立案の中心人物である。首相は経済ブレーンとしての能力を高く買い、日銀総裁人事までの“待機ポスト”含みで内閣官房参与からスイスに赴任させたとされる。本人もその気だった。


「(総裁に)指名されればデフレ脱却に命を懸ける」


 と海外メディアで発言し、デフレ脱却目標を達成できない黒田東彦・総裁について「なぜ続投できるのか」と批判していた。ところが、黒田総裁は続投を決め、本田氏は副総裁にも起用されなかった。


「同じ財務官僚出身でも、黒田総裁は消費増税容認派なのに対して、本田氏は強硬な反対論者。安倍首相は昨年の総選挙で消費税引き上げを公約し、増税凍結路線を大転換したから、本田氏の存在が煙たくなった」(財務官僚)


 梯子を外された本田氏は現在もスイスにいる。“待機ポスト”のはずが一瞬にして“島流し”になってしまったようだ。


◆官僚論功行賞の明暗


「納税者一揆」を起こされるなどした“時の人”佐川宣寿・国税庁長官と対照的なのが「10年に1人の大物次官」と呼ばれた斎木昭隆・元外務次官だ。


 異例の3年間も次官を務めて安倍外交を支えた。同じく外務官僚の尚子夫人も首相と近く、都知事候補選びが難航したとき、安倍首相は「マダム斎木はどうか」と名前を挙げたこともある。それほどの信頼感もあるだけに、斎木氏は次官退任後に外務官僚の最高ポストである駐米大使に就任すると確実視されていた。


 だが、今年1月の人事で駐米大使に就任したのは斎木氏の後任である杉山晋輔・前次官だった。元外務官僚の天木直人氏が指摘する。


「斎木氏は日露交渉の方針で安倍首相と対立した。プーチンとの北方領土交渉の解決に前のめりになっていた安倍首相に対し、斎木氏は“労多くして益なし”と慎重論を唱えたことで逆鱗に触れたと言われる。それが駐米大使ポストを失う結果を招いたのではないか」


 お気に入りだった本田氏と斎木氏は筋を通した末に“冷遇”され、首相と近かったわけではない佐川氏は官僚としての筋を曲げて忠誠を示して出世した。国民の批判を浴びてもなお、首相は佐川氏を「適材適所」と庇い続けている。


※週刊ポスト2018年3月9日号

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