月9視聴率5%に安堵、視聴者は「呪いの結婚観」からの解放進んでいる?/『突然ですが、明日結婚します』第六話レビュー

2月28日(火)23時30分 messy

『突然ですが、明日結婚します』公式サイトより

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 フジテレビ月9史上初の視聴率5.0%を記録して話題の『突然ですが、明日結婚します』第六話(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)。視聴率は最低記録を更新し続けているわけですが、これで4月クールの相葉くんは安心ですね。というか今のフジドラマは平均二桁取れれば超優秀案件です。

 実は、『突然ですが、明日結婚します』の回が進むほど、この番組の平均視聴率が振るわなくて正直、良かったなと安堵するようになっています。本作で提示されている結婚観に革新はなく、視聴者に呪いをかける旧態依然としたつくりであることが否めないと捉えるからです。“結婚したい女”あすかと交際している“結婚したくない男”名波に、みんながみんな「彼女を幸せにする気あるのか」って聞くんですけど……そういう脅迫観念が今まさに独身の男女を追い詰めているんじゃないですかね。結婚に対する意見の対立も極端で、呪いvs呪いvs呪い、って感じです。

・「愛しているなら結婚するべき」あすか一家
・「好きだけど結婚は重い決断」その他大勢
・「条件が合う相手と結婚するのがベスト」神谷

いずれも極論でしょ。では、名波あすかカップルが同棲を始めるところからスタートの第六話、見ていきましょう。サブタイトルは「右薬指の虫除け指輪」。

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■高梨あすか/西内まりや
大手の都市銀行・いずみ銀行の法人営業部で働く優秀な会社員。仕事熱心で努力を怠らず、金融情報に詳しい。母のような優しく温かく家族を支える女性になりたいと思っている。恋する相手と結婚して専業主婦になることが夢。名波と交際開始。

■名波竜(ナナリュー)/flumpool山村隆太
朝の情報番組で司会を務めるテレビ局アナウンサー。イケメンで主婦層人気が高い。過去に女優・桜木夕子と不倫していた「結婚したくない男」。あすかの先輩・小野の住む豪華マンションに居候中。あすかに惚れて告白、交際開始。

■神谷/山崎育三郎
あすかが勤める銀行の系列・いずみ証券のエース営業マン。名波の勤務するテレビ局で経済番組に出演することになる。第二話で突然あすかにプロポーズ、断られてもアプローチを続ける。イケメンで仕事もデキる男という設定。

■桜木夕子/高岡早紀
人気女優。既婚。かつて新人時代の名波と不倫関係になった。ゲストを招いてプレミアムなトークを引き出す新番組『ココロシアター』の司会を名波とペアですることになり、久々に再会。夫はゲス不倫で家から出て行ってしまった。

■莉央/中村アン
銀行員。あすかの先輩でいつもつるんでいる。小野と交際開始。

■桃子/岸井ゆきの
銀行員。あすかの同期でいつもつるんでいる。

■小野/森田甘路
銀行員。あすかの先輩。金持ち一家の御曹司で、タワマン最上階の立派な部屋に住み(お家賃180万円/月)、名波を居候させている。莉央に7年越しで好意を抱き続け、ついに交際開始。

アナウンサーは馬車馬労働中

 第五話ラストで気持ちが昂った名波が唐突に「一緒に住まねえ?」と提案し、あすかと名波は同棲することになりました。莉央と交際を始めた小野が彼女の部屋に引っ越すため、名波が居候していた小野の超豪華マンションを自由に使っていいと言うのです。坊ちゃんは太っ腹。

 でも、言えばいいのにあすかは両親に「桃子と莉央と住む」と嘘をつきました。結婚を期待させちゃうと悲しませちゃう可能性があると思ったんでしょうが、当然ながらこれが後で波紋を呼ぶことに。ま、いったん置いておきましょう。

 名波はささやかな荷物しか持たず、居候中からリビング脇の小さな個室で寝てるのですが、あすかもその小部屋で一緒に眠ります。くっついて布団にくるまりイチャつきMAX→即濡れ場来るかなと思いきや、名波は野比のび太も顔負けのスペシャル寝つきのいい男で、おやすみと言った5秒後には眠りに落ちていました。小野の寝室に置かれたままの極上マットレスベッドで寝ない理由は「寝心地がいいと早く起きれないから」だそうです。朝帯の情報番組『モーニングYELL』にレギュラー出演する名波は毎朝2時に起床して出社してますからね。

 そんな名波の生活スタイルに合わせようと、あすかは深夜2時に起床しグリーンスムージーを作るという無茶を決行。いつも朝はコーヒーだけという名波に、健康に良いものを飲ませたいと意気込みます。そのあと二度寝して寝坊(8時)、小学校から無遅刻無欠席だったのに初めて仕事に遅刻しちゃったと嘆き、早くも同棲生活に暗雲がたちこめるのでした。無理したら続かないっつーのに、「一緒にいるからには私が母親にしてもらったようなことをしてあげたい」と勝手に頑張るあすかは、洗濯も風呂焚きも掃除も自ら請負い、夕食まで用意して「専業主婦っぽいこと」に励みストレスを溜めていきます。同じく名波も職場で「最近ちょっとおつかれなんじゃないの?」「あれ絶対同棲のストレスだな」と良からぬ評判が……。視聴者的には名波の表情の変化とかくたびれ感とかまったく読み取れないんですけど。

 名波は『モーニングYELL』の二夜連続ゴールデン特番の準備や、報道特番のメインキャスターを務めることになり(ずっと報道をやりたかったそう)、家ではそのための勉強。とにかく多忙を極めていきます。モーニングなのに夜やるの? 夜やっておいて朝もやるの? 労働時間多すぎ〜。ナナリュウファンのおばさまたちが多いと踏んでのことだそうですが、マジ馬車馬です。カトパンみたいですね。

 新プロジェクトの主要メンバーとして銀行で忙しく働くうえ、家事も頑張っちゃってるあすかにさらなる負荷をかけるのは、名波の元不倫相手で女優の桜木夕子。桜木から食事の誘いを受けて、あすかはサービス料をがっつり取りそうな高級ラウンジに足を運びます。

桜木「結婚はしたいと思ってるの?」
あすか「わ、私はしたいと思ってます」
桜木「ふーん。でもカレ(結婚)したがらないでしょう?」
あすか「はい」
桜木「ごめんねそれ、私のせいなんだ。夫が浮気性で困ってて、そんなときに名波くんがいてくれてつい頼っちゃったの。支えてくれたんだけど、どうしても夫とは別れられなくて」

 桜木夕子の揺さぶりに怯みつつも、第五話で嫉妬心を乗り越えたあすかは名波を信用しているはず。これでまた疑心暗鬼に陥ってたらバカですよ。

まったく盛り上がらないまま45分経過

 ある夜、会社にマンションの鍵を忘れてきてしまったあすかは、名波に連絡してテレビ局まで鍵を借りにいきます。夕食を作って待つべく再三「遅くなりそう?」と訊くあすか、見ててちょっとウザい。早く帰るつもりだった名波ですが、『ココロシアター』収録終わりでスタッフによって企画されていた桜木夕子の誕生会への出席を余儀なくされ、帰宅は深夜に。夕食の準備をして待っていたあすかは寝落ち、翌朝目覚めるとすでに名波の姿はなく(深夜帰宅で2時起きっていつ寝てるんだ名波は)、同棲しているのに顔を合わせることが出来ませんでした。

 すれ違いが続く中、休日の午前中にようやく二人きりの時間がとれたと思ったら、あすかの弟が訪問してきて、「女友達とルームシェアしてる」との嘘をつきとおしたかったあすかはアタフタ。誤魔化しきれないと悟った名波が「実は同棲してる」と告げたことに、あすかは激怒して「同棲なんかしてるって親に言ったら結婚しちゃうでしょ? それくらいわかってよ!」と責めるのですが……いや、それは親の問題であって、名波にどれだけ関係ある話? 期待するにしても、それも込みであすかの責任でしょ。同棲を承諾したのはあすか自身なんですから。

 でも物語の登場人物たちは、あすかに甘〜い。名波の先輩アナ・三上さん(沢村一樹)は、イラつく名波を次のように嗜めるのでした。

「お前が同棲しようって言ったんでしょ。結婚する気ない奴が、結婚したい相手に同棲しようって、だいぶ自己中なんじゃないの? あすかちゃんなんか普通以上に結婚願望あるんだからかわいそう。別れたくないならちゃんと相手に寄り添わないと逃げられちゃうぞ」

 あっさり素直に反省した名波、久々に夜、同じ部屋にいられるタイミングで「お互い思っていることをちゃんと言おう」と切り出し、互いの生活リズムや家事の不満(ありがちな不満のオンパレードでした)をぶつけあったうえで、カップラーメンを分け合って仲直りに至りました。さらに名波はあすかに「虫除け」と言って指輪をプレゼントし「一緒にいてくれて、ありがとう」と感謝を伝えます。ハイ今回のお話、ここまで! どうですか、盛り上がるところありましたか? ないんですよーーーーーー。そりゃ視聴率5%も納得です。

 んでも、ラブラブな雰囲気のまま終われませんよね〜ということで、次回へ続くアクシデントが毎回ラスト3分で提示される本作。今度は名波が「桜木夕子と不倫再燃&長身美女と同棲の二股疑惑」とゴシップ誌に報道されちゃった、という展開でした。いやー、平気じゃないか? たいして波風立たないというか……これじゃ盛り上がりに欠ける! 引きが弱すぎる! 桜木夕子のほうはだって、何もない完全な誤解なんですもん。名波のほうに彼女への思慕があると描かれてるならまだ分かるんですけど、その伏線めっちゃ弱いんですよ。ここでまだあすかが名波を信じられなかったら、結婚指輪があったって信じようがないです。四六時中監視なんて出来ないんだし、監視したとしても監視者側がそのことから逃れられず自縄自縛になるだけなんですから。

 気にかかるのは、“結婚したくない男”名波が「結婚したくなる」過程において、一番の障害が、彼が芸能人(局アナとはいえ)であること……で終わっちゃいそうなこと。次回第七話はマスコミにあすかが追われて身辺が騒がしくなり、彼女を思いやればこそ名波が別れをキメる展開になりそうなんですよね。おそらく第八話か九話で最終回を迎えるでしょうから、マスコミ問題が解決したら結婚エンドへ向かうのでしょう。それでいいのか? 結婚をテーマにしたくせに、なにひとつ「結婚」について掘り下げないまま終わりにしていいのか??? 視聴率5%という数値の妥当性を感じてしまいます。

(ドラマ班・下戸)

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