「この時間差は歴史的?」小山怜央四段が大長考!持ち時間の大差に相手チームからは「時間切れちゃうぞ~」/将棋・ABEMA地域対抗戦
2025年3月3日(月)11時0分 ABEMA TIMES

対戦相手の尋常ではない早さに悩み、そしてまた差が開くの繰り返しだ。日本全国を8つのブロックに分けた団体戦で行われる「ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 2025」、予選Bリーグ2位決定1回戦、北海道・東北 対 関東Aが3月1日に放送された。第1局は、北海道・東北が小山怜央四段(31)、関東Aが佐々木勇気八段(30)という同世代対決になったが、序盤から佐々木八段が猛スピードで指し進め、小山四段との時間差がどんどん広がることに。周囲から「この時間差は歴史的?」という声まで飛んできた。
大会は持ち時間5分・1手指すごとに5秒が加算されるフィッシャールールで行われており、これまでも早指しの棋士がどんどん指し、持ち時間を6分、さらには7分台まで増やしたことがある。早指し同士、かつ定跡形などであれば、両者とも40手、50手付近と、あっという間に進行することがある。

小山四段の先手番で始まった一局は、若手・ベテラン問わず、多くの棋士が指しこなしてきた角換わり腰掛け銀に。両チームの控室でも想定、されには練習将棋で指したこともある形だと意見が飛び交ったが、後手番の佐々木八段の指し手がとにかく止まらなかった。解説の門倉啓太六段(37)も、これにはびっくり。「佐々木さんが早すぎるので(小山四段は)どれがメインか探っているのかもしれない。バシバシやると研究にハマる雰囲気がある」と、小山四段が迂闊に指せない状況が生まれたと語った。
小山四段が悩んでから指し、佐々木八段が間髪入れずに指す。これが何度も繰り返されるうちに、時間差がみるみる広がった。気づけば、佐々木八段の残り時間は7分13秒、小山四段は2分1秒。実に5分以上の大差がついた。これには北海道・東北の控室にもざわめきが。岡部怜央四段(25)が「この時間差、今まであったんですかねー。5分差は歴史的?」とつぶやくと、広瀬章人九段(38)は「まだ広がる可能性が…」とポツリ。また関東Aの控室では、木村一基九段(51)が「おーい、(時間)切れちゃうぞ〜」と、笑顔混じりに小山四段を心配していた。
なお勝負は中盤まで互角の勝負が続いたが、終盤には残り時間の差が響いたのか、小山四段が正確に読みきれないまま指したところを、佐々木八段が咎める展開に。140手で佐々木八段が快勝を収めた。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合は監督と出場登録棋士4人の計5人が参加。全員が1局ずつ指す「ステージ1」と、ステージ1で勝った棋士が負けるまで指し続ける「ステージ2」に分かれ、5人を先に倒した方が勝利チームとなる。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)