【最新研究】ビデオゲーム開始年齢が低いほどストレスに強い人物になれる

3月3日(木)11時0分 おたぽる

「Springer」より。

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 ビデオゲームを幼少期からはじめることで、これからの社会においてますます必要になる“ストレス対処能力”が養われる、という研究が発表されて話題を呼んでいる。

■高度情報化社会でますますストレスが問題に

 日々の仕事や家事において、複数のことを同時進行せざるを得ない局面も出てくる。傍から見れば器用に仕事をこなしているようにも思えるが、やはり実際は1つのことに集中して順番に仕上げていったほうが、概して生産能率は高くなることが科学的に証明されている。さらに良くないことに、2つの仕事を同時に進めるのは、順番にやるよりも疲れるという点だ。作業を同時進行することで生じるこのプラスアルファの疲労のことを心理学的には「混合コスト(Mixing cost)」と呼ぶ。

 また我々の日々の生活の中では、現在集中して行なっている作業が何からの理由でいったん中断、保留を余儀なくされ、まったく別な作業に取り組むことを要求される場合もある。仕事においては、上司から大至急の案件を突然命じられたり、顧客から緊急度の高いリクエストが出された場合などが当てはまるだろう。たとえどちらの作業も就業時間内に終わらせることができたにせよ、この場合もやはり順番に片付けていくよりも余分な疲労を伴うことになる。このケースで加わる余計な負担は「切り替えコスト(Switching cost)」と呼ばれている。

 高度にオンライン化が進み情報が瞬時に伝達する今日の社会にあって、今後ますますこの「混合コスト」と「切り替えコスト」が、多くの現代人に重くのしかかるストレスになることは間違いない。これからの時代の社会人は職能スキルと同じくらい、これらのストレスにうまく対処できる能力も求められてくるのである。

 ではこれらのストレスをうまく扱っていける能力をどうやって獲得していけばいいのだろうか。これに関しては意外なことに、幼少期のビデオゲーム体験が“ストレス耐性”を向上させているという研究が発表されている。

■幼い頃のビデオゲーム体験で“ストレス耐性”が向上

 シンガポールマネージメント大学の研究チームが先頃発表した論文では、ビデオケームを開始した年齢と、作業切り替え能力(task-switching ability)の関連性を探った興味深い研究が紹介されている。

 研究によれば、ビデオゲームに熱中した時期が幼いほど、切り替えコストと混合コストにうまく対処できる能力を獲得しているということだ。つまり直近のビデオゲーム体験よりも、幼い頃のビデオゲーム体験のほうが認知能力に強い影響を及ぼし、作業切り替え能力などの能力の向上に貢献しているということである。切り替えコストに対処する能力の向上は特に顕著であるということだ。今回の研究で“頭の切り替えの早さ”と、幼少期のビデオゲーム体験には深い関係があることがわかったのだ。

 研究ではさらに、例えばe-sportsのプロゲーマーといった人物をモデルに、単純なビデオゲームの総プレイ時間よりも、ビデオゲームを始めた年齢のほうがその技量に大きな影響を与えていることを解説している。とはいえ、齢を重ねてからのビデオゲーム体験もまた、切り替えコストに対処する作業切り替え能力の向上に一役かっていることも指摘しており、ビデオゲームが“ストレス耐性”を獲得できる有効な手段であることを示唆している。

 子どもの頃にいち早くビデオゲームに熱中すると、その後の人生に役立ついくつかの認知能力を向上させることができるとは、まさに「三つ子の魂百までも」ということだろうか。もちろんこの記事をご覧の多くの諸兄はもはや手遅れ(!?)であると思うが、僅かではあれ成人であってもビデオゲーム体験が作業切り替え能力の向上を促進することから、将来の認知症予防という面からもビデオゲームを日常的な趣味にすることには少なからぬ利益があるようだ。これからもビデオゲームを楽しくプレイする時間を確保していきたいものだ。
(文/仲田しんじ)

【参考】

・Springer
http://link.springer.com/article/10.3758/s13414-016-1068-9#/CR41

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