心に温かくしみる…対照的な親の愛を描いた2作品『真白の恋』『スプリング、ハズ、カム』

3月5日(日)18時0分 シネマカフェ

『真白の恋』(C)sagan pictures

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第4回なら国際映画祭にて、インターナショナルコンペティション部門観客賞を受賞した『真白の恋』。そして、クラウドファンディング「MotionGallery(モーションギャラリー)」にて、映画カテゴリー歴代7位となる大きな支持を集めた『スプリング、ハズ、カム』。いま、出会いと別れ、心境や環境の変化が近づく春に向け、親の愛が心に温かくしみる2作品が連続で公開されている。

『真白の恋』は、軽度の知的障がいをもつ主人公・渋谷真白(佐藤みゆき)が、東京からやってきたカメラマン・油井景一(福地祐介)に初めての恋をする物語。監督は冨樫森、呉美保らのもとで助監督経験を積み、本作で長編映画デビューとなった坂本欣弘。脚本は、自身も軽度の知的障がいのある実弟をもつ北川亜矢子によるオリジナル作品となっている。

生まれてからこれまで、家族と共に富山で暮らしている真白。ごく軽度の知的障がいがある。日常生活に支障はなく、父・晴臣(長谷川初範)の営む自転車店の店番をしたり、飼い犬の世話をしたりと、元気に暮らしている。ある日、真白は兄の結婚式場でカメラマンの油井景一と出会った。油井を街案内することになった真白は、代わりにカメラを教えてもらうことに。共に時間を過ごすことで、真白は徐々に油井へと恋心を抱く。真白が東京からやってきた男と会っていることを知った両親は、不安になり、油井と会うことを禁止する。真白が恋をすることに厳しく当たってしまうにはある理由があった——。

本作に登場する真白の母・夏江は娘が知らない男と恋をしていることを知り、不安にくれる。そして父の晴臣は真白を守るため、油井と会うことを断じて許さず、外出することを禁止してしまう。真白のことを大切に思うあまり、家に縛り付けてしまうのだ。本作では、娘の初めての恋に反対してしまう親の葛藤に迫っている。

一方、落語家・柳家喬太郎と「E-girls」石井杏奈のW主演という異色の組み合わせで贈る『スプリング、ハズ、カム』は、大学進学とともに上京することになった娘の住居を探すため東京を散策しながら、父と娘がお互いの想いを感じていくヒューマンストーリー。

東京の大学に通うため、広島から上京して一人暮らしをすることになった璃子は、2月のある日、シングルファーザーの肇と2人で部屋探しに歩く。そこで出会う人々とのふれあいが2人の心にかけがえのない記憶を焼き付けていく。娘にとっては、ぶっきらぼうだが人情味あふれる父の愛を知り、亡き母が愛した1人の男性として父を見直す旅でもあり、父にとっては、少女から大人の女性へと成長する娘への「さようなら」を覚悟する旅であった…。

『スプリング、ハズ、カム』に登場する父・肇は、『真白の恋』とは対照的に娘を手離そうとする。娘の璃子は父が1人になってしまうことを心配し、地元の大学への進学を希望していた。だが、肇はその娘の優しさを知りつつも、1人立ちするよう東京の大学を勧める。本作では、娘を大切に想うからこそ、寂しくて離れたくない想いを抑え、娘を手放し成長を願う父の愛が描かれている。

わが子を愛すればこその親の愛情、そして葛藤を描く2作品を、見比べてみては?

『真白の恋』はアップリンク渋谷ほか全国にて順次公開中。

『スプリング、ハズ、カム』は新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開中。

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