朝日新聞記事 最も権威ある新聞と海外に思われ世界に飛び火

3月5日(水)7時0分 NEWSポストセブン

 2月11日付で朝日新聞は「売れるから『嫌中憎韓』」という特集記事を掲載した。朝日は、「嫌中憎韓」が出版界のトレンドで、まるで週刊誌が中韓に対する国民の悪感情を煽っているかのように報じたのである。


 それに対し本誌は、中韓との外交関係はいまや大きな問題で、ジャーナリズムとして扱うのは当然であり、そもそも従軍慰安婦問題にせよ、靖国問題にせよ、政治問題化したきっかけは朝日が作ったとし、中韓の反日感情を焚きつけてエスカレートさせ、日本人を「嫌中憎韓」に向けさせたと反論した。


 この記事は大きな反響を呼んだが、中で特に多かったのは、朝日新聞が“日本の問題点”を海外に宣伝し、海外から批判が集まるとそれを国内で再利用する、いわゆる「ご注進報道」に対する怒りの声である。


「ご注進報道」は中韓だけに限らない。最近の朝日がご注進先として手を広げているのが、アメリカだ。


 昨年7月、麻生太郎・副総理が憲法改正について「ナチスの手口を学んだら」と発言したことに対し、朝日は8月1日付紙面から、連日にわたって非難報道を繰り広げていく。社説や天声人語まで、数日の間に10本以上の記事が載り、投書欄にも麻生批判の「声」が多数掲載された。


 もちろん、麻生氏の政治家としての軽率さや歴史認識の誤認は批判されてしかるべきで、本誌も当時の記事でそう指摘している。ここで問題にするのは、このときの展開である。


 8月1日付で第一報が出たあと、翌2日付に、〈安倍政権、麻生ショック 「国際社会、敵に」収束急ぐ ナチス発言〉との記事が載った。この記事では、米国のユダヤ人人権団体の副代表やドイツのナチス関連展示館の館長、ベルリン自由大の教授らに取材して麻生批判発言を紹介している。そして、こう述べる。


〈米国ではホワイトハウスは今のところ沈黙を守り、メディアの報道も多いとは言えない。だが、ユダヤ人社会を中心に経緯説明や謝罪を求める声がさらに広がれば、報道のトーンが変わってくる可能性もある〉


 これは、朝日自身が火をつけて回り、報道のトーンを変えようとしている何よりの証拠だろう。この記事には不可解な記述がもう一つある。


〈韓国メディアも麻生氏の過去の失言をこぞって取り上げ、4月の靖国神社参拝を改めて批判している。韓国政府関係者は「(中略)改憲への牽制も含めて、厳しく指摘せざるを得ない」と話す〉


 靖国参拝はここでは関係ないし、そもそも日本の憲法改正も韓国には関係ない。にもかかわらず、韓国にまでご注進しているのだ。


 海外では朝日は日本のもっとも権威ある新聞と信じられているので、こういった朝日の一連の報道は、海外紙に引用され、広まっていく。まずAP通信が〈朝日新聞によると〉と前置きして、〈日本は憲法改正でナチスの手口に学べと大臣が発言した〉との記事を配信。


 それが英ガーディアン紙などに掲載されていった。さらに米経済紙IBタイムズニュースや、米CNNのニュースまでも次々に朝日を引用する形で、麻生発言を報じていく。世界中にどんどん飛び火していく構造ができあがったのだ。


※週刊ポスト2014年3月14日号

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