【工場見学】めちゃくちゃ回るコマ&ハンドスピナーを支える“ベアリング”のスゴさ

3月6日(火)15時0分 耳マン

めちゃくちゃ回るコマとハンドスピナー!?

日本精工株式会社のグループ会社であるNSKマイクロプレシジョン株式会社がデコボコした面でも約8分間安定して回し続けるというコマを開発し、1月10日より販売しているそうです。コマが8分も回るなんて……。先日、子どもと遊んでいたときにまったくコマが回せなくなっていてガックシだったので、気になっていろいろ調べてみると、同社は2017年に12分以上回転するハンドスピナーも開発されているとのこと。言うまでもなく、ハンドスピナーは2017年の大ヒット商品のひとつですね。ご多分に漏れずウチの息子も廉価版を持っていて、正直「何が楽しいんだろう?」と思っていたんですが、実際やってみるとハマっちゃうんですよね(笑)。ついついボーッと見とれちゃうというか、焚き火と似たような効果があるのかな。そんなわけで、今回はNSKマイクロプレシジョンへお話を聞きに行ってこようかと思いますッ!

藤沢に工場があります

社長と“ベアリング”トーク
今回おうかがいさせていただいたのは、神奈川県にある藤沢工場。こちらの工場で上記のコマとハンドスピナー(即日販売で販売完了/現在は製造中止)が作られているそうです。お話を聞かせてくれたのは同社の代表取締役社長・石井俊和さん。お忙しいところわざわざ社長さん自ら、ありがとうございます。まずはコマやハンドスピナーを作るきっかけは何だったのでしょうか?

「6年ぐらい前からヨーヨーの世界チャンピオン・長谷川貴彦さんとヨーヨーのベアリングの開発をしているのですが、去年アメリカでハンドスピナーが流行っていると聞きました。うちはベアリング会社。そのベアリングの技術を活かしたハンドスピナーを作ってみてはどうだろうか?という話の流れから、そして、普段は縁の下の力持ちとして目立 たないの技術を少しでも多くの方に知っていただきたいという想いからやってみるか、となりました」

そう、NSKマイクロプレシジョンは各種ミニチュア・ボールベアリングを専門に開発、生産、販売している会社。ベアリングとは回転時の摩擦をできるだけ小さくするための部品で、回転部分に欠かせないものです。摩擦を減らすことで、機械が働く効率を高くする、機械の寿命を長くする、焼き付けを防ぐことで機械の故障をなくすことができるのです。

ベアリング。米粒より小さい内径0.6mm×外形2,0mm×幅0.8mmの極小モデルもあるとか!

実はベアリングは私たちの身近なところで驚くほどたくさん使用されているそうです。例えば自動車。もしベアリングがなければ、車輪がガタついたりトランスミッションのギアが噛み合わなくなったりして、自動車はスムーズに走ることができません。また洗濯機や冷蔵庫といった家電製品など、一般的な家庭には合わせて100個ほどのベアリングが使われているとも。なんと身の回りでそんなに使われていたとは! まったく知りませんでしたッ!

お土産にいただいたクリアファイル。こんなにもベアリングが使われているんですね

ベアリングを組み込んだコマは軸と本体が別体で回転します。通常のコマは軸と本体が一体になって回転するため、接地している軸の先端の摩擦がコマ全体の回転を止めてしまいます。しかしベアリングを組み込んだコマは軸が回転せず、本体のみ回転するため、回転を止める力(摩擦)が本体に伝わらないという仕組みになっています。

ベアリングすごい!

ハンドスピナーは、ハードディスクドライブでも用いられる非常に精密で小さなボールを転動体に使うことでスムーズな回転を実現したそうです。また外側に真鍮のリングを配置することで遠心力を強め、長時間の回転を可能にしたとのこと。

これがウワサのハンドスピナー

工場見学させてもらいました!
同工場で行なっている熱処理→研削→組立→洗浄→グリース封入→検査、そして包装までのベアリングの生産ラインも見せていただきました。機械がものすごいスピードで細やかな作業をこなしていきます。あまりに速すぎて何が起こっているのかよくわかりません(笑)。またゴミが入るとベアリングが回らなくなってしまうので、衛生面は徹底管理されていました。こうやって確かで間違いのない品質というものを保っているのですね。なるほど、素晴らしいッ!!

徹底管理された工場内
目で確認し、丁寧に手作業も行なっています。まさに職人さんですね!

わずか10日で12分以上回転のスピナーを開発!
ハンドスピナーとコマを開発した岩瀬和将さんと塚田浩さんにもお話をおうかがいすることができました。石井社長から「ハンドスピナーを作ってほしい」と指示され、知らないところからスタート。見よう見まねで試作品を作ったら、社長からは褒められたものの、まさかの長谷川さんからダメ出し。急きょ、社長から再度長時間回転するものを『東京おもちゃショー2017』まで10日間で作るよう言われたそうです……。わずか10日で12分以上回転するものを作ってしまうなんて……!

在は多くの反響があったハンドスピナーは製造していないとのことでした。それでも、それでも昨年はハンドスピナー、今年はコマと、今後もベアリングを活かした新たなおもちゃ作りはチャレンジしていきたいとのことなので、楽しみにしていますねッ!

岩瀬和将さん(左)と塚田浩さん(右)

ベアリング、そして日本のものづくり
ベアリングの性能を使ったおもちゃを作るのは「販売面で成果を上げるというより、ベアリングがみんなに注目してもらい、話題になるということの重要性のほうが大きいです」と語る石井社長。「ベアリングを、そして日本のものづくりというものをアピールしていきたい。そして子どもたちにベアリングってすごい!と思ってもらえたら嬉しいですね」ともおっしゃっていました。

石井社長

ドローンが一般的になり、最近はドローンで使うベアリングを生産することも多くなってきたとか。正直、今回取材に来るまでベアリングについてほとんど何も知らなかったので、非常に勉強になりました。これからも世界に誇れる「日本のものづくり」で素晴らしいものを引き続き作っていってくださいねッ! ベアリングを使った新たなおもちゃも楽しみに待っています!!

[高山こうすけ]

耳マン

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