清野菜名、仕事を休んで改めて実感した“居場所”「私の活力をまた引き出してくれる」

2024年3月9日(土)18時0分 マイナビニュース

女優の清野菜名が、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00〜 ※関東ローカル)のナレーション収録に初挑戦した。担当したのは、10日・17日の2週にわたって放送される『居場所をくれたこの街で… 〜夢と仲間とママチャリと〜』。ワケありの人々に手を差し伸べる夜の街のママを追った作品だ。
収録を終えた清野に、ナレーションの感想や、自身に手を差し伸べてくれた恩人、そして仕事を休んで改めて実感したという“居場所”について聞いた——。
○念願のナレーション「ただただ難しかった」
今回の主人公は、東京・府中を中心に7店舗を経営するママ、高橋映子さん(45)。銀座でも歌舞伎町でもないこの街に店を構えて12年、働くスタッフの数は150人以上にのぼり、今では「府中でナンバーワン」と言えるほどになった。
映子ママの元には、18歳の時、3万円を手に新潟から上京してきた女性、多額の借金を抱えた60代の元常連客、周囲となじめず職を転々としてきた男性など、様々な事情を抱えた人々が全国から集まってくるが、ある日、店のキャストが、未婚のまま出産を決意したことを知る。自身もシングルマザーとして夜の街で働きながら子どもを育てたママは、未婚の母になる彼女の居場所づくりに動き始める…。
清野は、ナレーションの経験があまりないというだけに、「ただただ難しかったです。練習もしたのですが、愛知県出身でイントネーションも強い地域だったので、なかなか思い通りにいかず。それに、声だけで聴いている方に伝えるにあたって語り手としてどこまで感情を足していけばいいんだろうというバランスも手探りで、すごく難しかったです」と心境を吐露。
それでも、「もともとナレーションはやってみたいお仕事で、以前からすごく興味があったので、こんな分量を経験できてとても貴重な時間でした」と充実の表情を見せる。
また、「『ザ・ノンフィクション』は、壮絶なものや悲しいお話など、扱っている題材がいろいろあるので、登場人物がどういう方なのかというのを理解した上でやらないととても失礼だなと思いました」と、事前に何回も映像を視聴。「今回は、映子ママがどういう方なのか、周りの人たちがママのことをどう思っているのかを感じてきました」と準備して本番に臨んだ。
○手を差し伸べてくれた倉本聰氏の言葉
映子ママによって多くの人が助けられている姿が映し出されるが、清野自身がピンチの時に手を差し伸べてくれた人は、ドラマ『やすらぎの郷』(17年、テレビ朝日)の脚本家・倉本聰氏だった。
「あの頃はまだお芝居の仕方が本当に分からなくて、“みんなどうやって役を作り上げてるんだろう?”と疑問ばかりの時期で。その時、顔合わせでいらっしゃった倉本さんとお話しさせていただいて、自分が今まで書いてきた作品に出てくるキャラクター一人ひとりに、生まれた年からの年表を書いているというのを聞いたんです。それによって、台本に書かれている前のことを自分で想像して、それをどんどん足せるんだということを教えてくださって、“一つのアイデアとして、困った時にやってみなさい”と言ってくださいました。この考え方がすごく面白いなと思って、そこからお芝居をする中でチャレンジ精神というのが、どんどん生まれていきました」
○仕事の現場も、自分の場所だったんだ
スタッフたちの頑張りを見逃すことなく、適材適所で“居場所”を作ってあげるのが映子ママ。清野にとっての“居場所”の一つは、仕事の現場だという。
「自分は何が好きで何が楽しいんだろうと分からなくなってしまった時期に、少しゆっくり過ごすタイミングがあったんです。仕事をせずに、自分の時間をここまでしっかり味わったのが、20代になって初めてのことだったので、離れてみたことで“仕事の現場も、自分の場所だったんだ”と感じました。そしたら、“またやりたい”という気持ちがすごく芽生えてきて、私の活力をまた引き出してくれる場所なんだと思いましたね」
映子ママは、子育て中のスタッフのために託児室を設けて、働きやすい環境を作っているが、「本当に素敵だなと思いました。私たちの世界にもそういうシステムをたくさん取り入れていけたら、もっと早く復帰できたり、また働きたいと思ったときに戻れたりするのではないかと思います」と願った。
●清野菜名1994年生まれ、愛知県出身。07年にデビューし、14年に映画『TOKYO TRIBE』でのヒロイン役で第36回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。近年では、第35回日刊スポーツ映画大賞 助演女優賞、第65回ブルーリボン賞 助演女優賞、22年公開の映画『ある男』『キングダム2 遥かなる大地へ』の2作品で第46回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞した。近年の出演作にドラマ『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』『神様のカルテ』、『婚姻届に判を捺しただけですが』『日曜の夜ぐらいは…』、映画『今日から俺は!!劇場版』『キングダム』シリーズ『耳をすませば』『ある男』など。公開待機作に『キングダム 大将軍の帰還』(7月12日公開予定)がある。

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