小林よしのり×石破茂 生前退位で安倍首相にもの申す

3月9日(木)7時0分 NEWSポストセブン

漫画家・小林よしのり氏

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 天皇の生前退位について、世論は「恒久制度化」を強く望んでいる(57.9%=時事通信社調べ。2月)。だが、政府、自民党は相変わらず「一代限りの特例法」で臨もうとしている。この乖離はなぜ起きているのか。『天皇論 平成29年』を上梓したばかりの漫画家・小林よしのり氏と、自民党内にあって「皇室典範の改正」を主張する石破茂氏が徹底討論した。


小林:天皇の退位問題は、民進党が皇室典範改正の方針を推し進めるなど、野党はみんな一代限りの特例法に反対です。小沢一郎さんも、与党が特例法を提出した場合は反対すると明言しました。しかし自民党内には、特例法への異論が憚られる雰囲気がある。安倍政権になって以来、全体主義的な傾向がありますからね。ところが石破さんは典範改正を主張され、わしとの対談の場にも出てきてくれた。その勇気に感謝しています。


石破:これは、先人が命を賭して守ってきた国体そのものに関わる大問題です。昨年8月8日の「おことば」で、陛下は国民の理解を求められました。陛下と国民をつなぐのは、全国民の代表たる国会議員の責務です。


 にもかかわらず、自民党内には議論がない。役員会で議論をしたといっても、多忙な役員たちがわずかな時間でしっかり咀嚼して結論を出すのは、相当に難しいでしょう。役員以外の議員で意見がある者は書面で提出せよとのことでしたが、報道によれば提出した議員は全体の2割強。これは衝撃的でしたね。8割弱の自民党議員が「役員会にお任せします」というのは、実に残念です。


 私自身は、恒久的に退位を認めるだけでなく、女性宮家を作り、女系天皇の可能性も否定しないという意見書を提出しました。これに明確な答えを出さないと皇室そのものがなくなってしまうという危機感がある。


小林:女性宮家や女系天皇については、3月号の本誌SAPIOで男系主義者の八木秀次(麗澤大学教授)と対談したんですが、メチャクチャな話でしたよ。「旧宮家の男系男子で皇室に入ってもよいと考えている人物がいると聞いている」というんだけど、記者会見はしない、皇籍取得が決まってから発表するというんです。本当にそういう人物がいるかどうかわからないのでは、そのための法律も作れない。

 

石破:私も、「そういう人物がいると聞いています」という人がいるとは聞いています(笑)。でも、昨日まで一般国民として生活していた人が、「私が宮家になります」と手を挙げるかどうか、そして宮家のお務めが果たせるのかどうかは疑問ですね。

 

小林:安倍首相は国会で、民進党の細野豪志の質問に対して、旧宮家の復帰を「首相就任前に、一つの選択肢としてあり得るのでないかと考えていた」と答えたんですよ。わしは、前よりトーンダウンしたと感じましたね。探したけど、結局はいなかったんじゃないかな。だから「首相になる前の意見にすぎない」と逃げを打った。それでも自分は男系主義の自称保守派に支えられているから、皇室典範改正には踏み込まない。権力を維持するために天皇を犠牲にしているわけですよ。これは逆賊でしょう。


石破:それはまた凄い言い方ですね。自民党員としては賛同しかねますが。


小林:じゃあ、わしが代わりにいいますよ(笑)。安倍晋三は天皇の逆賊だ!


●構成/岡田仁志(フリーライター)


※SAPIO2017年4月号

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