『スタンド・バイ・ミー』『君に届け』『ちはやふる』…シネマカフェ読者が選んだ“語りたくなる青春映画”
2021年3月12日(金)13時0分 シネマカフェ
1度しかない、あの夏を思い出す…『スタンド・バイ・ミー』('86)
1950年代末のオレゴン州の小さな町・キャッスルロック。ある夏の日、それぞれ心に傷を抱えた4人の少年、ゴーディ、クリス、テディ、バーンは行方不明になった少年の死体を見つけて“英雄”になるため、死体探しの旅に出る——。夭逝したリバー・フェニックスや「24」キーファー・サザーランドも出演。
「主人公の置かれている状況や環境が当時の自分と同じで、共感したのを覚えている」
運命は変えられる!?『バック・トゥ・ザ・フューチャー』('85)
高校生のマーティが親友の科学者ドクの作ったタイムマシン“デロリアン”で30年前の世界へタイムスリップ! だが、恋に落ちるはずだった両親の運命を変えてしまったマーティは、自分の存在が消えかけてしまう。両親の運命を修正し、無事、元の時間に戻れるのか!? PART3まで作られた大ヒット作。
「まさに見た当時、自分も高校生で、キュートなマイケル・J・フォックスに夢中になりました。デロリアン号で時空を移動し現実と、両親の時代、はたまた未来、 西部開拓時代へと…ワクワクしました! 今でも変わらず1番好きな映画」
“好き”は止められない!『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』('86)
失業中の父と暮らすアンディは、“ピンクが大好き”な成績抜群の高校生。裕福とはかけ離れた暮らしでも、古着や小物を工夫しながらおしゃれを楽しんでいる。そんな彼女にハンサムでリッチなブレーンがデートを申し込んできて…。80年代を代表するジョン・ヒューズ製作・脚本の青春映画。
「ファッションに興味を持ち始めた10代前半の頃に、近所のレンタルビデオショップに置いてあり、ラベルに惹かれ手に取ったのが視聴のきっかけ」
高校の仲良し5人組が社会に出たら…『子猫をお願い』('01)
高校を卒業し、それぞれ別々の道を歩み出した仲良し5人組。卒業から1年が過ぎても時々集まっていたが、証券会社の契約社員となったヘジュ、家業を手伝いながら気ままに暮らすテヒ、祖父母と3人暮らしのジヨンら、社会それぞれの環境や立場の違いから次第に距離が開き始め…。ペ・ドゥナ、イ・ヨウォンらが共演、女性監督チョン・ジェウンがメガホン。
「当時、空港ができたばかりの仁川(インチョン)の変わりゆく姿とすぐには変わることのできない姿が、社会に出てバラバラになり、チグハグになった主人公たちと重なります」
青春は永遠…『君に届け』('10)
高校1年生の黒沼爽子は、その見た目から“貞子”と呼ばれ、クラスからは浮いた存在でいた。そんな爽子にとって、明るくて誰にでもフレンドリーなクラスメイトの風早翔太は尊敬と憧れの存在。風早のおかげで友達もできたが…。原作ファンも納得するキャスティングが話題に。
「愛情と友情、笑いと涙に溢れてる作品だから。そして、三浦春馬さんが演じた風早くんは爽やか過ぎたし、多部未華子さんの爽子も可愛過ぎたし、共演の皆さんもとてもとても良かったから、大好きな青春映画になりました!」
一途な情熱がぶつかり合う『ちはやふる』シリーズ('16〜'18)
綾瀬千早、綿谷新、真島太一の3人は幼なじみ。家の事情で故郷の福井に戻った新と、かるたを続けていれば再会できると信じる千早は、高校に入ると“競技かるた部”を創設、太一を含めた部員5人で全国大会を目指して猛練習を始める——。広瀬すずの映画初主演作。
「豪華キャストの皆さんで作り上げられた3部作での作品であり、私自身高校時代、週6で部活に打ち込んでいたので、『ちはやふる』のように部活動に打ち込み仲間とぶつかりながらもお互いを大切に思う姿が、これぞ!青春でした!」
やりたいことなら続けてみる『スウィングガールズ』('04)
東北地方のとある片田舎の高校。夏休みのある日、数学の補習をサボりたい鈴木友子ら13人の女子生徒たちは、ブラスバンド部1年生・拓雄の声かけで、食あたりで倒れた部員の代わりにビッグバンドジャズに挑戦することに——。
「私にとって今も昔も憧れの青春が描かれているからです。この映画を観たのはちょうど来年から高校生になる頃で『高校生になったら私も部活に入って、仲間たちとこんな青春を送ることができたらいいな』なんて思っていました。『Sing, Sing, Sing』の場面は何度観ても飽きません!」
ハーフタイム・ショーの“花形”になるために『ドラムライン』('02)
N.Y.のハーレム育ちの青年デヴォンはドラムの才能が認められ、奨学金を得て大学に入学、名門マーチング・バンドに入る。入部早々鮮やかなテクニックを見せつけ周囲を圧倒するが、才能に溺れた言動で上級生と対立してしまう——。アメフトなどスポーツ競技のハーフタイムを彩るマーチング・バンドが舞台。
「好きだったダンス&ボーカルグループの子にDVDをプレゼントした映画。その子から『映画見たよ!留学したくなっちゃったよー』と言われたのが思い出です。実際には留学せずにグループに留まってくれました。息子と同じくらいの子とこんな会話を楽しめたこと、今もいい思い出です」
のぼり続ける真っ直ぐさが眩しい『のぼる小寺さん』('20)
クライミング部に所属している小寺さんは、大好きなボルダリングに一直線。その隣で練習する卓球部の近藤は、小寺さんからなぜか目が離せず、いつしか惹かれていくように。そんな小寺を見つめているのは近藤だけではなく…。元「モーニング娘。」工藤遥が映画初主演でボルダリングに挑戦。
「一生懸命ボルダリングと向き合う小寺さんに同級生がどんどん魅了されて、自分も何かに真剣に向き合ってみようとする、とても爽やかで清々しい青春映画です」
初めてできた“仲間”といえる存在『弱虫ペダル』('20)
運動が苦手で友達がいない、アニメ好きの高校生・小野田坂道は、あることをきっかけに自転車競技部に入部、思わぬ才能を発揮する。初めてできた“仲間”のために、自分の限界や壁を超え、レースで共に走る喜びを見出していく——。「King & Prince」永瀬廉主演で大人気スポーツ青春漫画を実写化。
「自分のため、ではなく誰かのために努力し続ける主人公の健気さが“こんな学生時代を送りたかった”と思わせてくれた」
「あの瞬間は自分にとっての青春だった」という思い出はありますか?
「大好きなふたつ上の先輩に告白したけれど、あえなく玉砕。でも、その時の映像は今でも頭の中のメモリーに残っています。まさしく青春でした」
「高校時代に友人の家に泊まりに行った時、深夜に皆で散歩に出たこと。誰もいない世界で 自分達の笑い声と足音と息遣いだけが響いていて。街灯と雨上がりの道路の匂いと一緒にあの時の映像を思い出します」
「高校卒業後、地元の音楽好きが集まるクラブに通い始めて、それまで勉強ばかりだった自分が、社会に足を踏み入れた瞬間でした」
「友達と大好きなパフォーマンスを見に行った時、 オタク友情はパワフルです!」
「高校生の頃、部活が終わった後にずっと部室で部活メンバーとおしゃべりしていた瞬間。勉強・家族との悩み・好きなアニメなど色んなことを時間を気にせずに話していた。今でも時折思い出す青春の時間」
「部活動の仲間とお互いに思っていることを話し合って、最後までやり抜けたときの達成感と感動は青春以外の何ものでもありませんでした!」
いずれも、“あの頃”を思い出させてくれる瑞々しい青春映画ばかり。人気俳優たちが部活動に一途に打ち込む“ザ・青春”ともいえる作品から、いまはなかなか会うことのできない友達を思い出すような郷愁を誘う作品、自分の体験に重ねた作品も。
「あの瞬間が青春だった」という思い出を教えてくれた読者のコメントからも、そんな時代の記憶が蘇ってくるかのよう。昨年からのコロナ禍で、そうした思い出を作る機会も限られるなか、青春映画を通じて改めて追体験してみては?