大学入試の2020年問題 親がやるべき「共通テスト」対策は

3月13日(水)7時0分 NEWSポストセブン

来年度からセンター試験は大きく変わる(時事通信フォト)

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 大学入試のシーズンがほぼ終わりを迎え、受験生は一息ついている頃かもしれない。今年度の大学入試センター試験は58万2669人が受験した。少子化とはいえ、大学進学の志願率が上がっているため、受験者数は増加傾向だ。


 2020年度(2021年1月実施)からこれまで国公立大学の一次試験として知られていた大学入試センター試験は「大学入試共通テスト」(以下、「共通テスト」)と名称を変え、大きく様変わりする。つまり現在の高校1年生(新2年生)からは大学入試で新テストに取り組むことになる。


 共通テストは、従来のセンター試験とどう違うのか。文部科学省は共通テストで求めるものとして、これまでの知識・技能のみならず、「思考力・判断力・表現力」を問う内容へと出題傾向が変わると予告している。


 その背景について、プログラミング学習塾「ステモン!」を主宰し、昨年12月に『AI時代に輝く子ども』(CCCメディアハウス)を上梓した中村一彰氏はこう分析する。


「大学入試で求められる能力と、社会に出てから求められる能力の乖離が大きくなり、このままではさらに進展するAI社会、グローバル社会に適応する人材が育たないという認識が文科省に広がったことが大きな理由でしょう」


 共通テストでは、全教科でこれまでのマークシート方式から記述式問題へと徐々に比重を移していくと考えられている。英語では、これまでのリーディング、リスニングに加えて、ライティング、スピーキングの4要素を民間の資格試験(英検やTOEICなど)を活用して測られるようになる。


 練習問題をこなして解法を頭に詰め込むことがこれまでのセンター試験の“攻略法”だったが、記述式問題に解答するためには他者の考え方を参照しつつ自分の考えをまとめたり、相手が理解できるように表現したりする力がよりいっそう必要になる。


 では、新テストに臨む高校1年生以下の世代は、具体的にどんな勉強をすればいいのだろうか。


「さまざまな意見を整理して、自分がどう感じ、考えるか、それをどう表現して伝えるかという訓練を日頃からする必要があります。ニュースに対する多くの意見を調べ、さらにそれを比べてみることは、その取っ掛かりになるでしょう。多角的に物事をとらえる視点を鍛えることになり、これは親がサポートすることで実行しやすくなります」(中村氏)


 そうした訓練を繰り返すうちに、共通テストの記述式問題で出題されやすい時事的なテーマへの関心も深まっていくはずだという。


「たとえば、SDGs(「持続可能な開発目標」= 2015年9月の国連サミットで採択された2016年から2030年までの国際目標)のような社会問題をテーマとして、自分がどのように感じたか、親子で話し合ってみるのもいいでしょう。考えをまとめて書いてみるのも重要です。そうして思考力、表現力が磨かれていけば、国語や英語に限らず、数学や物理、化学などの理数系科目の記述式問題にも生かすことができるはずです」(中村氏)


 SDGsと言われると難しく感じるが、身の回りの話題につなげれば理解しやすい。普段利用するコンビニやスーパー、外食店などで課題となっているフードロス(食品廃棄)もその一つだ。それへの関心をきっかけに、自分が食べている食材がどこから輸入され、それはいつから始まったのかなどを調べれば、地理や歴史の勉強になる。また、その問題が世界ではどのように報じられているかを知るために、インターネットで海外メディアの記事を読めば英語の勉強にもなるだろう。


 これまでのセンター試験対策のように知識だけを磨いてもコンピュータには敵わない。逆に言えば、コンピュータが苦手とする思考や表現といった力を高めていけば、今後、社会がどのように変化しても適応して活躍できる。従来の学習塾での受験勉強もいいが、それと同時に親子の普段の会話で深い思考が身につくように促すことも、親ができる受験サポートだ。


◆取材・文/岸川貴文(フリーライター)

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