『べらぼう』<稀なる!どこが稀なるか!>群衆をあおるホンワカ次郎兵衛兄さんの活躍に視聴者「初めて働いてる(笑)!」「辛い展開での癒し」「もっと出てほしい」
2025年3月14日(金)12時40分 婦人公論.jp
(『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』/(c)NHK)
大河ドラマ『べらぼう』
横浜流星さん主演の大河ドラマ『べらぼう』(NHK総合/毎週日曜夜8時ほか)。第10回「『青楼美人』の見る夢は」が3月9日に放送され、話題になっています。
*以下「『青楼美人』の見る夢は」の放送内容のネタバレを含みます。
●「『青楼美人』の見る夢は」あらすじ
瀬川(小芝風花さん)の身請けが決まり、落ち込む蔦重(横浜流星さん)は、女郎屋の親父たちから瀬川最後の花魁道中に合わせて出す、錦絵の制作を依頼される。
しかし調査に出た先で、作った本が市中の本屋から取り扱い禁止になり、捨てられているという事実を知ることに…。
さらに江戸城では、田沼意次(渡辺謙さん)が徳川家治(眞島秀和さん)から、種姫(小田愛結さん)を自分の娘にして、将来は家基(奥智哉さん)と夫婦にする計画を告げられる。発言の裏には家基のある考えが…。
錦絵『青楼美人合姿鏡』が完成して
盲目の大富豪・鳥山検校への身請けが決まった瀬川。
同時に最後の花魁道中が年の暮れに行われることが決まり、<市中の本屋をぶっ潰したい>と考えた吉原の忘八らは、併せて花魁たちの錦絵本を作るように蔦重へ命じます。
そこで「瀬川が心から喜ぶことをしたい」と考えた蔦重は、女郎の普段の姿を描いた錦絵本を作ることを思いつきます。
さらにその本には、田沼意次を通じて将軍へ献上することで箔をつけるという施策まで盛り込むことに。
遊郭から鳴り響いた太鼓の音
かくして完成した錦絵『青楼美人合姿鏡』。
本を瀬川へと直接手渡しつつ、蔦重が吉原への想い、そして自らの夢を告げたところで、場面はいよいよ瀬川・最後の花魁道中へ。
詰めかけた大群衆を前に、白無垢の花嫁衣装をまとい、花魁道中を行う瀬川。その先には蔦重の姿が。
「八文字」の下駄ずれの音だけが聞こえる静寂の中、歩を進めていく瀬川。
蔦重と目を合わせることなく吉原の大門までくると「おさらばえ」と告げて、そのまま迎えに来た鳥山検校の駕籠に乗り込みます。
その様子を振り向くこともなく、通りの真ん中でどっしりと構えたままの蔦重。突然「トウザイ、トウザイ、ご注目!」と集まった群衆に向けて大きな声を張り上げます。
するとその声に合わせるように、遊郭のなかから「ドドン!」と太鼓の音が…。
「稀なる!どこが稀なるか!」
なんだなんだとざわつく人々。
蔦重が「今日吉原の売りたるは!世にもまれなる‥女郎絵本!」と本を手に声をあげると、その周囲にいた忘八の面々も、手にしていた女郎絵本を高々と掲げます。
そこで再び「ドドン!」と打ち鳴らされる太鼓。
すると太鼓を鳴らした蔦重の兄貴分・次郎兵衛が、「稀なる!どこが稀なるか!」と太鼓のばちで蔦重を指し示しながら大声を張り上げます。
「まずは…瀬川が載ってる!なんとこいつは最初で最後の絵姿だ!」
蔦重の宣伝に歓声をあげる人々。
その様子を見て「世にたったの一枚ときたもんか!」と次郎兵衛はさらに煽ります。
お求めの方は蔦屋まで!
「ずらりと並んだ花魁たちも…もれなく載ってる!」
蔦重の宣伝に合わせて、通りに進み出た花魁たちの流し目に人々はメロメロに。その中には吉原の常連で、毎話、数秒ずつしか登場しなかった幻のキャラクター、尾美としのりさん演じる平沢常富の姿もしっかり。
「とどめにこいつは極め付き!うそかまことか…上様もご覧になったという噂!!!」
と声をあげた蔦重。
その後、留四郎が「お求めの方は大門をちと出たところ、五十間の蔦屋まで!!」と発すると、集まった人々は、蔦中らが掲げる『青楼美人合姿鏡』へ我先にと群がるのでした。
視聴者の声
完成した『青楼美人合姿鏡』をヒットさせるべく、将軍のお墨付きと、瀬川最後の花魁道中に合わせて宣伝をするという施策を盛り込んだアイデアマンの蔦重。その策は見事にハマり、本は群衆の関心の的に。
一方、その宣伝に一役買ったのが蔦重の兄貴分で中村蒼さん演じる次郎兵衛。
これまでちゃんと仕事をしているような様子があまり描かれなかった反面、癒しキャラとして人気を博していた彼がしっかりと活躍する展開に、興奮した視聴者は多かったようです。
たとえば「太鼓で煽る次郎兵衛兄ちゃんカワイイ!」「今日は兄さん働いてる!って初めて思いました(笑)」「義兄さん、いい仕事してたでやんすねぇ」「蔦重と瀬川の辛い辛い別れの後、癒されて助かった…」「もっと出てほしい!」といった声が、SNSやコメントなどを通じて見受けられました。
ーーー
大河ドラマ第64作となる『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』は、“江戸のメディア王”として時代の寵児になった、”蔦重”こと蔦屋重三郎が主人公。
蔦重を演じるのは、NHKドラマ初出演となる横浜流星さん。脚本は、連続テレビ小説『ごちそうさん』大河ドラマ『おんな城主 直虎』などを手掛けた森下佳子さん。
さらに語りは、蔦重らを見守る吉原の九郎助稲荷(くろすけいなり)として、綾瀬はるかさんが担当する。
関連記事(外部サイト)
- 次回『べらぼう』あらすじ。あることが原因で『青楼美人合姿鏡』が売れずに頭を抱える蔦重。一方、浄瑠璃の人気太夫を招くべく検校の屋敷を訪ねると、そこには…<ネタバレあり>
- 本郷和人『べらぼう』<年季明け>に一緒になる約束を果たせなかった瀬川と蔦重。実際に女郎と奉公人が夫婦となった落語『紺屋高尾』をひも解いてみると…
- 『べらぼう』流れてきたうめき声。その先に客の相手をするヒロインが…歴代大河屈指の<胸クソ展開>を視聴者絶賛そのワケは「吉原の本質」「子供に見せられないとかそんな話でなく」「実らない恋の描き方が上手い」
- 本郷和人『べらぼう』一日に五人の相手をさせられた瀬川。実際に<吉原の営業>がどうなっていたかというと…落語「五人廻し」から高級遊女のルーティンを考える
- 『べらぼう』次回予告。<もう花魁・瀬川ではない>浄瑠璃の世界と繋がりを持つ蔦重。しかし吉原に分裂の気配が…そして瀬川が「重三!」と声をあげるも、夫となった鳥山検校から制され…