「3度目の失敗は許されない」フジの午後帯新番組の命運は?

3月14日(土)7時0分 NEWSポストセブン

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深読みする連載「芸能耳年増」。今回は、いろんな意味で業界注目のフジの午後帯新番組に言及。


 * * *

「3度目の失敗は許されないので」

「それは、絶対あってはならないので」


 フジテレビの幹部らが今年初めから、こう口にしている。それはもちろん、安藤優子さんをメインキャスターに据えた午後帯の新番組、『直撃LIVE グッディ!』(月〜金 13時55分〜)についてである。


 同局が「打倒!ミヤネ屋」をスローガンに、同時間帯で新番組をスタートするのは確かに“3度目”となる。最初は、午前中の人気番組で、硬軟どちらの話題も仕切れて、人気もある伊藤利尋アナがメインだった『知りたがり!』を午後にスライドさせた。


 ローカルから全国枠になるから、曜日レギュラーだったロンブーの田村淳をデイリーのレギュラーコメンテーターに昇格させたり、NHKの人気アナウンサーだった住吉美紀をMC陣に加えたりもした。


 が、視聴率で惨敗したどころか、系列局の大半が「全部は取らない」(例:1時間分は自局で制作)という判断をするなど、いいところが何もないまま、わずか1年で終了してしまったのである。


 いや“いいところ”はあった。毎分(1分毎の視聴率グラフ)が唯一ちょっとだけ上がるのは件の住吉美紀がレオタードに着替えヨガをやる“お天気”コーナーだった。


「どうして女に嫌われる人ばっかり、もってきちゃうんだろうね」とは番組を仕切っていた女性のチーフプロデューサーの、知人の言葉である。同プロデューサーは、かつて日曜夜の番組で伊藤利尋アナと山本モナを組ませた“張本人”でもあったからだ。


 ちなみに住吉さんは、バラエティーに時々出すと(!?)“いい仕事”をしてくださる人だ。私が構成に関わっている『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)に初めて出てくれたときは、「会うのが夢だった」という明石家さんまサンを前に番組冒頭から号泣。


 さらには、「15年は続くと言われていた番組が1年で終わった」と『知りたがり!』に起用された際、恐らくフジテレビ関係者に言われたと思われる「15年は続くから」を披露し、自虐ネタにもっていってくれた。さらに“バツイチ”ネタもOK。つまり有働由美子アナをさらに過激にしたようなタイプだ。私はいまなら住吉さんが仕切る番組を“ちょっと”見てみたいと思うが、時既に遅し、だ。


 そして…。




『知りたがり!』終了後にスタートしたのは、日本テレビを辞めてフリーになった西尾由佳理をメインにした『アゲるテレビ』だった。番組スタート前、某番組の会議で同席したフジテレビの編成マンに対し、「西尾…、好感度ありますかねぇ?」と言った私に、彼は、何、言ってるの?という表情をしながら「あるでしょう」と胸を張った。


 いや…、『ズームイン!!SUPER』(日本テレビ系)時代から、「西尾は付き合いが悪い」「西尾は本音を言わない」などと“評判”だった西尾サン。特に、よくボヤいていたのは長年コンビを組んでいた羽鳥慎一アナ(当時)で、「ボクが退社するときのリアクションに、全く感情が入っていなかった」そうである(苦笑)。


 現場ではそんな評判であっても、生放送の仕切りは完璧だし、ルックスは爽やか美人。視聴者の好感度は悪くない…と信じたフジテレビ幹部の気持ちもわかるが、主婦がメイン視聴者の午後帯は、オバサンぽいオジサンや、本物のオバサンがウケる枠。朝帯を爽やかに仕切っていたクールビューティ・西尾サンは“やっぱり”ウケず、『アゲるテレビ』は、なんと2クール(半年)で終わってしまったのである。

 それが13年9月のことだ。


“その後”、同局の亀山千広社長は、定例会見の場で度々“午後帯”の改編に触れてきた。もっとも印象的だったのは、14年7月のこのコメント、「午後の事件が、どことは言えませんが、ある局の総取りになっている。ここで打って出ないといけない」である。

 それは、イコール、「打倒!ミヤネ屋」と宣戦布告したようなもの。果たして、夕方の顔だった安藤優子キャスターをメインに、さらに、「嫌いだという声が全くなかった」というマーケティング調査結果から俳優の高橋克実を脇に据えるキャスティングをした。


 ローカル局の反応はどうだろう。東名阪の各番組にレギュラーをもつ某コメンテーター氏によれば、「安藤さんはもう、そんなに人気がないのでは?」と言うのである。『スーパーニュース』をネットしている某局は、横並びで最下位だというのだ。実は関東でも、日本テレビの『news every.』とテレビ朝日の『スーパーJチャンネル』がトップ争いをする日が多く、安藤さんの『スーパーニュース』は3番手である日が少なくない。


 そしてTBSは、何を思ったのか(!)系列局のCBC制作の『ゴゴスマ〜GOGO!Smile〜』を東京進出させる。同番組が全国的に有名になったのは、あの矢口真里、最後のレギュラー番組だったからだが、東海地方でも、それほど人気番組とは言えないのに、なぜ、在京局のTBSがそれを取ったのか。考えられるのは、日本テレビに闘いを挑むフジテレビに対し、「ウチもやらなければ」「とりあえず…」ということなのだろう。たとえ失敗しても、「自社制作じゃないから」と言い訳できる。


 だが、やはりフジテレビだけは、絶対に失敗は許されないのである。実はいまフジテレビは、生の情報番組の多くが強さを発揮している。『めざましテレビ』は横綱で、『とくダネ!』も復活を果たしたし、『ノンストップ!』も横並びトップ。日曜日の『Mr.サンデー』も好調だ。


 ご存じのように、その『Mr.サンデー』は『情報ライブ ミヤネ屋』の宮根誠司さんがMC。「3度目の失敗は許されない」というフレーズが飛び交う会議には、その『Mr.〜』のスタッフも居るので、ひじょうにフクザツだとは思うが、遠慮は無用…という空気だ。


『直撃LIVE グッディ!』に期待したい。

NEWSポストセブン

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