新元号発表日、ネットニュースがスクープ合戦の舞台に

3月15日(金)7時0分 NEWSポストセブン

「平成」は小渕官房長官が発表した(時事通信フォト)

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 新元号をめぐっては様々な思惑が入り乱れている。安倍晋三首相は4月1日の新元号発表直前に、「天皇と皇太子に自ら伝える方向で調整している」(日本経済新聞3月5日付)と報じられている。手順書には定めがない異例の手続きだ。


「本来、新元号の政令は皇太子が即位後に新天皇としての最初の国事行為として『徳仁』と署名、公布するのが筋だが、今上天皇の退位前の4月1日に閣議決定されることから、今上天皇が『明仁』と署名して公布されることになる。皇太子にはそのご説明と、事前の報告が必要というのが総理の考えだ」(自民党幹部)


 菅官房長官が情報漏洩を極度に警戒して情報統制を強めようとしているのも、安倍首相が皇太子に伝える前に、メディアに報じられて2人が知ることになると、「陛下と皇太子に合わせる顔がないからだ」(同前)という。


 しかし、当日は「天皇陛下は皇居、皇太子は東宮御所で一緒ではない。安倍首相がお2人に直接、新元号を伝えるためには閣議などの合間に、皇居と東宮御所を往復しなければならなくなる」(宮内庁詰め記者)とみられている。


 その間、官邸の報道各社は元号報道をめぐって、発表より1秒でも先に報じるか、阻止するかの戦いが演じられる。


 とくに「大正」をスクープした朝日新聞と、昭和の改元の際に「光文」と誤報して当時の編集幹部が引責辞任に追い込まれた経験がある毎日新聞は「元号スクープ」のために特別取材チームを編成しているという。毎日記者が言う。


「今回は政治部と社会部、大阪や西部本社から元号特集の応援記者を呼んで総力戦のシフトです。事前に新元号を掴んだ場合、早く打つと別の案に差し替えられるリスクがある。安倍首相にせよ菅官房長官が発表するにせよ、仮に午後1時の記者会見開始であれば、選挙速報のように1時ジャストに会見場に現われた途端にネットニュースで流すというやり方があるのでは」


 一方の朝日ベテラン記者の話だ。


「活字しかなかった前回の改元と違って、今回はネットニュースで速報できる。安倍総理か菅官房長官が執務室から出て、会見場に向かうまでの数分間が勝負と考えている。部屋を出た瞬間に官邸内部の人間にアプローチして新元号について裏を取り、発表2〜3分前に報じることができればスクープです」


 もっとも、官邸側が心配しているのは、「有識者による元号懇の後、安倍首相が天皇陛下と皇太子殿下にお伝えする前に、最終候補に残っている原案の3案はこれだと報じられると、そこから決め直すのは非常に難しくなる」(内閣官房関係者)


 4月1日は、安倍首相にとって「平成の一番長い日」になる。


※週刊ポスト2019年3月22日号

NEWSポストセブン

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