2人の歯車が狂い出す…幻想的な嵐の中のダンスシーン『アネット』本編映像解禁

2022年3月18日(金)18時30分 シネマカフェ

『アネット』(C)2020 CG Cinéma International / Théo Films / Tribus P Films International / ARTE France Cinéma / UGC Images / DETAiLFILM / Eurospace / Scope Pictures / Wrong men / Rtbf (Télévisions belge) / Piano

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2021年第74回カンヌ国際映画祭でオープニングを飾り、監督賞を受賞したレオス・カラックス監督最新作『アネット』より、本編映像が解禁された。





この度解禁されたのは、嵐が吹き荒ぶ洋上でヘンリーと(アダム・ドライバー)アン(マリオン・コティヤール)のふたりが、ワルツを踊りながら二重唱を歌うシーン。攻撃的なユーモアセンスをもったスタンダップ・コメディアンのヘンリーと、国際的に有名なオペラ歌手のアン。“美女と野人”とはやされる程にかけ離れていたふたりは、恋に落ちたことで世間から注目されるようになる。しかし、娘のアネットが生まれたことで、彼らの人生と精神に不穏な空気が。

映像では、渦中のふたりの歯車が少しずつ狂っていく様子が、背景に映し出された強烈で、そして幻想的な<嵐>の映像とともに捉えられている。

元来デジタルを嫌い、グリーンバック合成なども好まず、本物の森や海を望んできたカラックス監督。しかし本作では、実際的条件から重要シーンの多くが、昔の撮影所のようにスタジオ内で創意工夫して作り出されており、特殊なセットで撮影されている。

それは、この度解禁された洋上でのシーンも例外ではない。現場作業は、美術・衣装・撮影など技術スタッフ間で、“スクリプト・テク”と呼ばれる部門ごとの詳細を記した台本を共有し、相互に連携し議論しながら進められた。

また色彩についても<夜の「黒」をベースにどう色を配置していくか><ヘンリーを象徴する「緑」や、アンの「黄色」をどう使うか>などが細かく検討され、ひとつひとつ議論の上でインパクトある画面作りを実現。カラックス監督の初期から彼を支えるネリー・ケティエ(編集)のほか、彼を理解する仲間によって『アネット』のポエティックで複雑な世界が具現化されている。

『アネット』は4月1日(金)よりユーロスペースほか全国にて公開。

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