朝ドラ『おむすび』で伝説のギャル役、仲里依紗「23歳で結婚、出産。心地よく過ごすコツは、相手に多くを求めすぎないこと。好きな服は試着しないで買う。好きなら似合うに決まってるもん」

2025年3月20日(木)11時59分 婦人公論.jp


「スッピンも公開、自宅も公開、でも《晒している》つもりはなく、私としては《隠していない》ことが大切」(撮影:木村直軌)

NHK連続テレビ小説『おむすび』でヒロインの姉を演じる仲里依紗さん。《伝説のギャル》という役柄がピッタリと話題だ。私生活でも好きなファッションに身を包む姿や、飾らない人柄が世代を問わず人気を集めている。以前は求められるイメージを演じていたという仲さんが殻を破ったきっかけは——(構成:平林理恵 撮影:木村直軌)

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<前編よりつづく>

家族には理想を求めない


2020年にはユーチューブで「仲里依紗です。」というチャンネルを開設しました。スッピンも公開、自宅も公開、でも「晒している」つもりはなく、私としては「隠していない」ことが大切。

「俳優なんだからちょっとここは見せられない……」と自分がひるんだ瞬間に、「うわっ、恥ず! なんか俳優ぶって、ププッ」と、客観的にツッコむ自分もいるので、まあ、いつもの私を自然に出すことが一番かなと思っています。

プライベートでは、23歳のときに結婚、出産しました。夫(俳優の中尾明慶さん)とは、一緒に生きていくうえで大切な価値観の部分は相性バッチリで、そこは良かったなと思います。

結婚11年、心地よく過ごすコツは、育ってきた環境も考え方も違うのだから、相手に多くを求めすぎないことでしょうか。

今朝もソファの隅っこに、夫の飲みかけのペットボトルと脱いだ靴下がセットで放置されていました。私、マジでこういうの嫌い。なので、起きてきた夫が必ず通る動線上にシュッと投げてきました。

今頃拾い上げて片付けてるんじゃないかな。気づかない人に「気づいてよ」と腹を立てても疲れるだけなので、嫌でも気づくように仕向ければいい。夫も私に多くを求めないから、お互い様ですね。

11歳の息子には、とにかく彼らしく生きてほしいと思っています。私自身がデビューから何年間も「俳優だからこうあるべき」に縛られていて、その時間がもったいなかったなと思うんですね。

だから息子には、「男らしく」とか「家族はこうあるべき」といった枠には絶対にはまらず、自由に生きてほしいと思います。

好きな服は絶対に似合う


『おむすび』の話に戻りますが、歩は古着のバイヤーとして世界を駆け巡り、やがてブランドを立ち上げてCEOになります。好きな服を着ることでみんなが元気になれるなら、そのお手伝いをしたい、という歩の思いは私もよくわかる。なぜなら、服は、常に私自身を助けてくれるものだったから。

私の両親は長崎でアメカジのセレクトショップをやっていて、幼い頃から仕入れや展示会に連れて行かれ、洋服や雑貨を眺めながら親の仕事が終わるのを待っていました。年末には家族総出で福袋を作るのが恒例行事。

小さな田舎町なので、注文が入るとお客さんの顔を思い浮かべ、好みを考えて、似合うアイテムを組み合わせ袋詰めにします。福袋を開けた瞬間にパッと輝く表情や、好みの服を着てニコニコ笑顔になる人たちを私はたくさん見てきました。

私自身も、どんなに過酷なスケジュールでも、好きなものを身にまとっていれば乗り越えられる。21年にアパレルブランド「RE.(アールイードット)」を立ち上げたのも、「好きな服」の力を信じているからです。

私は幼い頃から洋服へのこだわりがすごかったようで。初めてのピアノの発表会だったかな、フリフリの花柄ワンピースを着せられたことがありました。ビデオが残っているんですけど、私はとてつもなく不機嫌。

「パンツが良かったのに、ピアノの発表会だからって、それっぽいのを選んだな」みたいな恨めしそうな目で周囲をにらみつけているんですよ。「好きじゃないものを着せられる」、それが何より苦痛でした。

服選びには制限なんて何もないと思います。年齢も性別も関係ない。「こんなデザインの服、私が着てもいいのかしら」と悩む声を聞きますが、その服が好きなら絶対に似合うから大丈夫。

私は好きな服を見つけたら、試着もしないで買います。だって好きなら似合うに決まってるもん。好きなものを着ないなんて、もったいなすぎる。

似合う似合わないは周りが決めることではありません。似合う服は自分で決める。好きな色を着ればいい、かわいいと思うものを着ればいい。それがあなたに似合う服です!

やりたいことに挑戦して、憧れの場所に行って、好きなものを買って……、という私の行動がエネルギッシュだと言われることは多々あります。このバイタリティの原動力は、うーん、なんなんでしょうね。

価値観の合う夫と息子との安定した家庭とか、厳しく温かく私を育ててくれた両親と、しっかり者の妹たちの存在が、大きな支えであるのは確かです。彼らが幸せを形作ってくれる人たちなのは間違いありません。ただ、エネルギーの源泉はどこかからもらってきているわけではなくて、なんか自家発電してるっぽい。(笑)

だから皆さん、自分の「好き」を貫きましょう。「好き」は自分を熱くします。そうやって自分を燃やして、楽しく幸せに生きていきましょう!

婦人公論.jp

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