なぜ朝のフルーツは「金」といわれるの?老けない果物ベスト5を紹介!キウイの次にビタミンCが豊富な果物は…

2024年3月22日(金)12時30分 婦人公論.jp


笹井さん「ビタミンCが不足すると、見た目はもちろん、体の内側も老いていく」(写真提供:Photo AC)

2021年に内閣府が高齢者向けに行った調査によると、普段、食生活について気になっていることは「栄養のバランスがとれていない」ことだと答えた人は約2割いたそう。「見た目の若さには、日々の食事が関係している」と話すのは、『老けない最強食』(文春新書)を著したジャーナリストの笹井恵里子さん。さらに笹井さんいわく、「ビタミンCが不足すると、見た目はもちろん、体の内側も老いていく」とのことで——。

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果物はビタミンCの量で選ぶ


老けない観点で栄養素を考えた時、野菜なら「色の濃いもの」だが、果物なら「ビタミンCが豊富なもの」から選ぶといい。

肉や魚には微量しかなく、野菜や果物に多いもの──それがビタミンCであり、生のまま食べられる果物なら調理で損失することがなく、100パーセント摂取できるからだ。

ビタミンCが不足すると、シミのもとになるメラニン色素の合成が進み、肌にシミやソバカスができやすくなったり、疲労感が強くなったり、体内の解毒作用もうまく働かない。

見た目はもちろん、体の内側も老いていく。

管理栄養士の早川麻理子氏(名古屋経済大学准教授)は「こまめにしっかり摂ることが重要」と強調する。

「ビタミンCは細胞の酸化を防ぎ、体を構成する重要なタンパク質であるコラーゲンの合成を助け、紫外線で損傷した皮膚を修復します。疲労感を回復させ、免疫力を強化するなど多くの役割を担っていますが、通常ビタミンCは摂取から4時間ほどで体外に排出されてしまうのです。さらに日焼けのような炎症が起きれば、あっという間に枯渇してしまいます。厚生労働省はビタミンCの摂取量として一日100mgを推奨していますが、それではとても足りないことが少なくありません」

特に強いストレスを抱えていたり、運動している人や喫煙習慣のある人はビタミンCが一層消耗されやすい状態のため、食事ごとに果物を摂るといいだろう。

ビタミンCの含有量が多い果物


「ビタミンCの王様がいちご、女王様がレモン」と、甲南大学名誉教授の田中修氏がたとえる。

「いちごなら8粒ほど食べれば、一日に必要といわれる100mgのビタミンCをほぼ摂取できます。そしていちごやレモンを上回るのが柿」

ビタミンCの含有量が多い果物を下表に挙げた。ビタミンCが豊富な果物の堂々第1位は、ゴールドキウイ。グリーンキウイのビタミンC含有量も100gあたり71mgとランキング2位だが、ゴールドキウイはその倍の140mgも含まれるのだ。

ただしグリーンキウイのほうが食物繊維が豊富だから、コレステロールや血糖値コントロールの効果が高い。また腸内環境を整える働きも強いだろう。


『老けない最強食』(著:笹井恵里子/文藝春秋)

ランキング3位の柿は、βカロテンも豊富。老けない果物といえるが、糖分が多いため糖尿病の人などは注意しよう。

また格段にビタミンCが多いわけではないが、約20種類ものビタミンとミネラルが含まれる「アボカド」も若返りには欠かせない。

なんと「世界一栄養価の高い果物」としてギネスブックにも認定されている。

「糖質や脂質の代謝を助ける水溶性ビタミンのナイアシンやビタミンB群を多く含むため、新陳代謝を促進し、肌の健康に役立ちます。若返りビタミンといわれるビタミンEも豊富で、骨や歯、筋肉の発達を助けるんです。青魚に多い不飽和脂肪酸を含む唯一の果物でもあり、血管にも良い効果があります」(管理栄養士の望月理恵子氏)

回復が早くなる


果物はビタミンCを摂れるほかにもう一つ、良さがある。

果物に含まれる「糖類」が白米と比べてエネルギーに変換しやすいことだ。どっと疲れた時に食べると、“老いが進みそうな疲弊した状態”からの回復が早くなる。

旬のもののほうが栄養効果が高くなるため、管理栄養士で野菜ソムリエ上級プロの岸村康代氏は「冬はりんごや温州みかん」を勧める。

「りんごにはアップルペクチンという水溶性の食物繊維が豊富で、有害物質を吸着する作用があります。もちろん抗酸化力の高いポリフェノールも多く、老化や肥満予防に効果的。一日のうちに何回かに分けてこまめに習慣的に摂ることと、空気に触れて色が茶色くなる前に食べることを心がけましょう」

温州みかんは“肝臓の疲労”に効果があることが、農林水産省所管の研究機関「農研機構」の研究でわかっている。

「その研究は、毎日1本の大瓶ビールを飲んでいても、一日に2〜3個の温州みかんを食べていると、肝機能の指標であるγ─GTP値が正常値に保たれるというものです。これはみかんに含まれているオレンジ色の色素のもと、βクリプトキサンチン(抗酸化物質カロテノイドの一種)の効果です」(田中氏)

ちなみに、似たような色のビワも抗酸化物質のカロテンやβクリプトキサンチンが多く、老化を防止し、疲労を回復して視力を保つという。

セカンドミール効果


トータルで考えると、春はいちご、夏はキウイ(外国産)、秋は柿、冬はみかんと旬の果物でビタミンCを補給するといい。

加えて、果物を食べる時間帯は圧倒的に「朝」がいい。朝の果物は金、昼から15時までは銀、15時から18時までは鉄、18時以降は鉛といわれている。

「夜に食べるとエネルギーに変換されやすい果物の糖質が消費できず、体内に脂肪として蓄えられる可能性がある」と田中氏が続ける。果物に含まれる果糖は、体の中で中性脂肪に変わりやすいのだ。

「また、果物には体を冷やす働きがあるため、夜より朝食べるほうがいい」

体を冷やして血流が悪くなれば、全身に栄養素が行き届かなくなり、血色などの“見た目”に影響する。

野菜もまた朝食と昼食に十分に摂りたい。

「老けないためには血糖値を安定させ、血管を若々しく保つことが必須。食後血糖値の急上昇を防ぐためにも、食べ始めは“野菜から”が基本。特に朝食や昼食で食物繊維を含む食品をしっかり摂れば、セカンドミール効果が期待できます」(岸村氏)

セカンドミール効果とは、トロント大学のデビッド・ジェンキンス博士が発表した概念で、最初に摂った食事(ファーストミール)が、次に摂った食事(セカンドミール)後の血糖値にも影響を及ぼすというもの。

ファーストミールで野菜をしっかり取り入れれば次の食事でがっつりしたものを食べても、血糖値の急上昇が抑えられ、脂肪に変わりにくいのだ。

濃く色づいた美しい野菜や果物から、強力な“老けない力”とダイエット効果を得たい。

※本稿は、『老けない最強食』(文藝春秋)の一部を再編集したものです。

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