熊谷真実 8つ下の彼と再々婚、浜松での新婚生活を語る「本当にいい人と結婚したなあと、日々感動。今後の生活に望むことは…」【2024年下半期ベスト】
2025年3月22日(土)10時30分 婦人公論.jp
(写真提供=熊谷さん)
2024年下半期(7月〜12月)に配信したものから、いま読み直したい「ベスト記事」をお届けします。(初公開日:2024年8月7日)
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2021年に2度目の結婚生活に終止符を打った女優の熊谷真実さん。それから3年、SNSに自身のウェディングドレス姿を投稿し、結婚の報告をしました。お相手との出会いは、そして熊谷さんにとって「結婚」とは——(構成=上田恵子 写真提供=熊谷さん)
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<前編よりつづく>
結婚は生涯一緒にいたいからするもの
付き合い始めた頃、彼に「私は相手に何でもしてあげたいタイプなんですが、あなたはどちらですか?」と尋ねた際、「僕もしてあげたいタイプです」と言われたことがありました。
それを受けて私も「ありがとうございます。じゃあ私は今後、してもらうことに専念しますね」と宣言し、以来ずっと甘えさせてもらっています。だって互いに同じことをしたらぶつかっちゃいますから。
日頃周囲を見ていて思うのですが、男性にやってあげすぎる女性が多いんですよね。私も以前そうだったので、その気持ちは理解できます。
でもそれは相手の機会を奪うことにもなる。何もしないのも優しさということで、今では旅行の手配などもすべて彼にお任せしています。
私は前の結婚で、1年ごとに結婚生活を契約更新する、「年間契約」方式をとっていました。
これは舞台美術家・作家の妹尾河童さんに、「うちは『今年も更新しようね』と話し合って更新することで、新鮮さを保ってるんだよ。真実ちゃんもそうしたほうがいいよ」と言われ、前夫と「なるほど、そういうのもアリだよね」と決めたものです。
ところが今の夫からは、「そういうのは全然理解できない」と言われて。「結婚は生涯一緒にいたいからするもの。たとえ苦労しても、二人で乗り越えていくのが結婚じゃないの?」と真っ向から否定されたのです。
「いくら夫婦関係を新鮮に保つためでも、そんな契約はすべきじゃない」との言葉に、その通りだなと感じ入りました。実に真っ当な人なんです。
私は口が悪く、相手にズバッと言ってしまって「ちょっと言いすぎたなあ」と反省することもしばしば。ケンカして自分が悪いとわかっていても、「ごめんね」と素直に言えないこともあります。
でも彼は、「昨日はごめん。きみのほうが正しいってわかっていたのに、つい突っ張って言えなかった」と先に謝ってくれる。私が言いすぎた時も、何もなかったように「おはよう」と声をかけてくれるのです。本当にいい人と結婚したなあと、日々感動しています。
「やっと真実らしく生きられるようになったね」
こんなことを言うと皆さんに「嘘ばっかり」と言われそうですが、こう見えて以前の私は「女性は一歩下がらなければいけない」という意識が強く、男性にはっきりものを言うことができない人間でした。でも彼に出会って初めて心が解放され、「もっとリラックスしてもいいのでは?」と思えるようになったのです。
妹からは「やっと真実らしく生きられるようになったね」と言われました。もしかしたら彼女には、私がずっと無理をしているように見えていたのかもしれません。今は夫に対して中学生みたいなヤキモチも焼きますし、子ども返りよろしくめいっぱい彼に甘えるなど、「私ってこんなだったんだなあ」と自分自身を再発見する毎日です。
新婚生活は楽しいです。8歳の年齢差はまったく感じません。別々の人間が一緒に暮らしているのですから当然ぶつかることもありますが、それも相手を知るためのことなので問題なし。唯一年齢を意識するのは、音楽の話になった時でしょうか。彼は90年代に流行した《渋谷系》が好きなのですが、それはちょうど私たち世代が聴かなかったジャンルなので。
彼のほうは結婚したばかりの頃、「なんでテレビに出ている人が僕の隣にいるんだろう?」と不思議に思っていたそうです。
今も私が舞台の仕事などで数ヵ月家を空けて帰宅すると、緊張するみたいで。ほかの人には「やっと慣れましたけどね〜」と言いつつ、時々私のことをチラ見したりしています。(笑)
今は多様な生き方ができる時代ですが、私はやっぱり一人より二人のほうがいいですね。友達もいるし男性に依存するタイプでもないけれど、それでも二人で生きるほうがいい。これから30年生きたとして、その時私は94歳。もう一日も無駄にしたくないですし、許されるなら彼の会社にもついていきたいくらいです。(笑)
公私ともに浜松ライフを楽しんでいます!
浜松に暮らし始めて早4年。地元とのご縁も増えてきました。月1回のラジオ出演や、3ヵ月に一度のペースでバンド活動も。地元の方々と、中森明菜さん、山口百恵さんなどの昭和歌謡を歌う活動をしています。
浜松にはヤマハやローランドの工場があって、社員の方も音楽好きで楽器ができる方ばかり。ライブハウスのオーナーがその中でも選りすぐりのメンバーを集めて、「真実ちゃん、バンドやってみようよ!」と組んでくれたのです。
3月にはお隣の磐田市で、1500人のお客さんを前に単独ライブを成功させました。
家庭菜園も続けています。今、自宅の庭では豆類のほか、オクラやじゃがいもを植えていますが、今後はビーツを育ててみたいですね。ジュースにすると美味しいんですよ!あとは自然栽培グループのアンバサダーとして、あちこちで講演させていただいたりもしています。
少し前には浜名湖のそばにあるカフェで、手作りの「真実カレー」を作って販売するイベントをしました。50杯以上も売れて大盛況だったのですが、準備が本当に大変で。「なんでやるって言っちゃったんだろう?」「女優が慣れないことをやるもんじゃない」と後悔しきりでしたが、何事もやりたいと思ったら行動せずにはいられないんですよね(笑)。
結果的に大成功に終わったものの、ご飯の炊き方がイマイチだったりと反省点もあったので、いつかリベンジしたいと思っています。
今後の結婚生活に望むことですか?そうですねえ……。愛し愛されて、安定して安全な生涯を送ることでしょうか。そして彼が亡くなる時、「真実ちゃんに出会ってよかった」と思ってもらえたら本望。私自身も彼に出会えて本当に幸せだったと言える人生を送りたい。それが今の願いです。