無駄に引っ張りすぎ! 全く「突然」じゃない予定調和のハッピーエンド/『突然ですが、明日結婚します』最終回レビュー

3月22日(水)1時30分 messy

『突然ですが、明日結婚します』公式サイトより

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 20日に最終回を迎えた月9ドラマ『突然ですが、明日結婚します』(フジテレビ系)。平均視聴率は6.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、全九話の平均視聴率は6.6%で、これまで月9の全話平均視聴率ワーストだったHey!Say!JUMP・山田涼介主演『カインとアベル』の全話平均8.2%をあっさり塗り替えることとなってしまいました。でも視聴率不振の原因は役者に押し付けたら間違い。ターゲットにしている10〜20代女子の視聴者層すら取り込みきれないスカスカの脚本・演出が最大の問題だったんじゃないでしょうか。だって最終回、ダラダラ引き延ばしすぎで中身が全然ないんですよ。無駄に長い! 20分に圧縮出来ちゃいます。

 また、FOD(フジテレビオンデマンド)では「若年層に圧倒的に支持された」そうですが、だとしたらそろそろ視聴回数を公表してインターネット配信の広告収益をテレビ放送と同様に上げられるよう仕組みを完成させないといけませんよね。

▼flumpoolが棒じゃない!意外と期待できそうな月9恋愛ドラマ『突然ですが、明日結婚します』/第一話レビュー
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▼友達の家のリビングでエッチするってアリなのか?/『突然ですが、明日結婚します』第三話レビュー
▼みどころがない、興味がない!? 6.6%で最低視聴率を更新/『突然ですが、明日結婚します』第四話レビュー
▼また最低視聴率更新、人物描写が薄すぎて魅力伝わらず!/『突然ですが、明日結婚します』第五話レビュー
▼視聴率5%に安堵、視聴者は「呪いの結婚観」からの解放進んでいる?/『突然ですが、明日結婚します』第六話レビュー
▼「男が女を幸せにする・守る」的価値観が非常にサムい/『突然ですが、明日結婚します』第七話レビュー
▼言わないからすれ違う、話し合いを放棄する男が一番面倒くさいという話/『突然ですが、明日結婚します』第八話レビュー

■高梨あすか/西内まりや
大手の都市銀行・いずみ銀行の法人営業部で働く優秀な会社員。仕事熱心で努力を怠らず、金融情報に詳しい。母のような優しく温かく家族を支える女性になりたいと思っている。恋する相手と結婚して専業主婦になることが夢。名波と交際開始。

■名波竜(ナナリュー)/flumpool山村隆太
朝の情報番組で司会を務めるテレビ局アナウンサー。イケメンで主婦層人気が高い。過去に女優・桜木夕子と不倫していた「結婚したくない男」。あすかの先輩・小野の住む豪華マンションに居候中。あすかに惚れて告白、交際開始。

■神谷/山崎育三郎
あすかが勤める銀行の系列・いずみ証券のエース営業マン。名波の勤務するテレビ局で経済番組に出演することになる。第二話で突然あすかにプロポーズ、断られてもアプローチを続ける。イケメンで仕事もデキる男という設定。

■桜木夕子/高岡早紀
人気女優。既婚。かつて新人時代の名波と不倫関係になった。ゲストを招いてプレミアムなトークを引き出す新番組『ココロシアター』の司会を名波とペアですることになり、久々に再会。夫はゲス不倫で家から出て行ってしまった。

なぜこんなにも引っ張る?

 結婚して専業主婦になりたいOL・高梨あすかと、絶対に結婚したくない男・名波竜はお互い惹かれあい、交際、同棲。からのいろいろあって名波が一方的に別れを突きつけたのが第七話のラストでした。で、先週第八話、二人の関係に変化なし。この第九話でも、終盤まで動きなし。何をやっているんだ君たちは。

 名波があすかに別れを告げた本当の理由は「モスクワ転勤になったから(=結婚願望の強いあすかは付いてきたがるだろう。それは困る。でも『待ってて』なんて無責任なこと言えないし)」。その事情をあすかに一切伝えることなく、逃げるようにしてモスクワへ発つ準備を進める名波に、みんながみんな「ちゃんとしなよ」と説教をかましますが、名波は聞く耳を持ちません。

 テレビ局の先輩アナウンサー・三上も、高校からの親友・小野も、元不倫相手の大女優・桜木夕子も、果てはあすかの弟・奏(葉山奨之)が自宅までやってきて気にかけてくれるのですが、名波は考えを改めず「俺にはあすかを幸せにすることができない」と繰り返すばかりです。

 名波が動かないので、今度はあすかを動かそうと皆さんお節介を焼きまくります。まず恋敵だったはずの桜木夕子があすかをバーに呼び出し、「名波くんモスクワに行くのよ。二人のことなのに、片方が何も知らないまあ結論が出ちゃうのは違うかなあって思ったの」と進言。さらにこちらも恋敵のはずなんですが、神谷が名波に「モスクワへの出発は今週の日曜(あさって)」と聞き出し、それをあすかに教えてあげたうえ「日曜の会議は僕がやるから名波さんの見送り行ってあげなよ」と超〜親切なんです。最終回だからってみんなお膳立てしてくれすぎですよ。

 それでも頑なに動こうとしない名波とは対照的に、重い腰を上げて名波に電話をかけたあすか。残念なことに電話はお留守番サービスに接続され、あすかは「名波さん、行っちゃうんでしょ? 最後にもう一度だけ、もう一度だけ会いたいよ。今夜、会えませんか」とメッセージを残し、かつ、名波宅(同棲していたタワマンです)のエントランス付近で一人、待ち続けます。が、夜21時半に留守電に気付き、マンションの前であすかが佇む姿もばっちり目撃したのに、この期に及んでまだ名波は逃げました。そんでもってあすかは何と、朝までその場で待ちぼうけ。あんた危ないよ……帰るか鬼電入れるかしたらどうなんでしょう。ちなみにこの待ちぼうけシーンであすかがカジュアルなファッションにさりげなく合わせてる白いバッグ、24万円するやつ。お高いわあ。

 一睡もせずに休日出勤し、ニューヨークとの電話会議に出席したあすかに、神谷は「ね、(名波の見送りに)行かなくていいの? 行きなって、あとやるから」としつこく促しますが、あすかは(ぐったりしてるし)首を縦に振らずそのまま帰宅。神谷のお節介はこれだけに留まらず、なんと名波が自宅マンションから出てくるところに(タイミングよすぎ)登場し、名波に「高梨さんを幸せに出来るのはお前だけなんだーッ!」と涙目で熱弁を奮ったのです。どんだけ世話焼き!?

神谷「いいんですかこれで。本当にいいの?」
名波「俺たち別れたんだよ」
神谷「俺たち? 俺はの間違いだろ! 好きだから一緒にいたいって散々言ってたくせに最後に変な理屈こじつけて別れるなよ! 自分が傷つくのが怖いから本心から逃げて好きな人傷つけて」
名波「あすかには幸せになってほしいんです」
神谷「高梨さんの幸せって何だよ!? 出来ることなら、僕が彼女を幸せにしたいよ。でも僕には無理だから!!」

 ここまで言ってもらって名波はようやく、あすかのところへ走り出しました。荷物を全部放り投げて。ギリギリまで粘りすぎでしょ……残り18分ですよ。ああー長かった。第七話のラストから数えて丸々一.七話ぶんくらい、名波のイジイジに付き合ってきた視聴者はもう応援する気も失せてますからね。あと走り方がちょっとダサいです……。

とにかく長かった

 そうして都内の住宅街(あすか実家近辺、徒歩圏内に東京タワーがあるってすごいな)を走り回り、スマホで連絡を取り合うこともなく、散歩中だったあすかを捕えた名波。あんだけタワマン周辺を舞台にしてたのに、最後は何でもない昼間の公園なんですね。「遅いよ(泣)、すっごい遅い(泣)」と涙するあすかに、名波はこう語りかけました。

名波「ごめん。ずっと逃げてた。自信がなくて。いつかあすかが失望して俺を選んだこと後悔するんじゃないかって怖くて。いつの間にか別れる理由探してた。今だって自信ない。幸せに出来んのか。でも、やっぱり、一緒にいたい。だから、あすかが望むなら、結婚しよう」

 いやいや、あれだけ勝手に傷つけられまくって「ごめん」じゃ済ませられないですよね。あすかとて、笑って「ありがとう、結婚する!」なんて受け入れはしません。

あすか「できません。イヤです」
名波「えっ?」
あすか「私が望むなら、って言ったよね。じゃあやっぱりイヤだ」
名波「なんで?結婚したいんじゃないの?」
あすか「結婚って、二人で納得して新しい人生を始めることでしょう。どっちがしたいからとか、仕方なくとか、そういうの違う」
名波「仕方なくじゃないよ」
あすか「だって勢いでしょ? モスクワに行くからって」
名波「勢いだって大切でしょ」
あすか「ほら認めた」
名波「そうじゃなくて俺はあすかを幸せにしたい、それは本当」
あすか「私も、名波さんを幸せにしたいの。だから、名波さん自身が心から結婚したいって思うまで結婚しません」
名波「男前だね」
あすか「でしょ?」

 ……というわけで、二人は遠距離恋愛に進むことになったのでした。あのーこれ、神谷が両者にガンガン世話を焼いてくれたから何とかなりましたけど、神谷の存在なくしては成立しなかったですよね。復縁の契機を第三者に丸投げしちゃってるカップルって、うまくいくとは思えないですよ……。

 時は流れ、三年後(2020年)。神谷は桃子と結婚して子どもも誕生し、なぜか小野のタワマンに住んでいます(何がどーしてそうなった)。モスクワから一時帰国中の名波があすかにプロポーズし、かつサプライズであすかの家族や三上や桜木夕子まで呼んでプレ結婚式が催され、「いつ入籍するの?」という野次に『突然ですが、明日結婚します』と声を揃えてハッピーエンド。えっ、突然じゃないよな別に……散々引っ張ってたんだから全然突然じゃないよ……やっとだよ? 結局、「“絶対に結婚したくない男”でも、相手次第では結婚しますよ」という普通の話でしたね。こんなに間延びしているドラマは久しぶりに見ました。内容が薄いままあまりに引っ張りすぎたせいで、脱落した視聴者が大勢いたと考えられます。

 昨夏のTBSドラマ『せいせいするほど、愛してる』も、これと似たようなストーリーをたどっていました。漫画原作、第一印象は最悪、彼氏と別れたヒロイン、イケメンだけどワケありな男、ヒロインにグイグイいく二番手の男が最終的にいい奴すぎる、女3人で謎の飲み屋に入り浸る……などなど。でもあちらは不倫モノで妻の怪演がありましたしエアギターコメディの要素もあって振り切っていたから話題性が少しはあったのですが。

 4月からの月9枠は嵐・相葉雅紀主演で『貴族探偵』がスタート。気軽に視聴できるタイプのミステリーもので視聴者層を限定していないため、さすがに“爆死”はありえないでしょうが……現場では次作を久々の視聴率二桁台に乗せることが至上命題となっているのでしょうね。

(ドラマ班・下戸)

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